ニュース 2017.01.15. 11:00

打てる遊撃手が減少 打撃に期待がもてる選手は?

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広島の攻撃を牽引する田中広輔

遊撃手の打率3割超えは巨人・坂本のみ


 近年、打てる捕手が減少しているが、遊撃手も打てる選手が少なくなってきているのだ。

 これまでは02年にトリプルスリーを達成した松井稼頭央(当時西武)、松井稼がメジャー挑戦後西武の遊撃手を務めた中島裕之(当時西武)、10年にシーズン200安打を達成した西岡剛(当時ロッテ)、セ・リーグでも攻走守の3拍子揃った石井琢朗、守備だけでなく打撃でも魅せた井端弘和など、球界に打てる遊撃手が数多くいた。

 しかし昨季は、坂本勇人(巨人)がセ・リーグの遊撃手では初の首位打者に輝く活躍を見せたが、規定打席到達者で打率3割を超えた遊撃手は坂本のみ。レギュラーに定着した倉本寿彦(DeNA)がシーズン終盤まで打率3割を超えていたが、最終的には打率.294でフィニッシュ。あと一歩で3割が届かなかった。

 一方のパ・リーグはベストナインを受賞した鈴木大地(ロッテ)の打率.285が最高で、次いで茂木栄五郎(楽天)の.278、安達了一(オリックス)の.273と続き、今宮健太(ソフトバンク)と中島卓也(日本ハム)の2人は、打率2割5分に届かなかった。

【12球団の主な遊撃手の成績】
中島卓也(日本ハム)
143試 率.243 本0 点28

今宮健太(ソフトバンク)
137試 率.245 本10 点56

鈴木大地(ロッテ)
143試 率.285 本6 点61

鬼崎裕司(西武)
79試 率.253 本1 点17

茂木栄五郎(楽天)
117試 率.278 本7 点40

安達了一(オリックス)
118試 率.273 本1 点34

田中広輔(広島)
143試 率.265 本13 点39

坂本勇人(巨人)
137試 率.344 本23 点75

倉本寿彦(DeNA)
141試 率.294 本1 点38

鳥谷敬(阪神)
143試 率.236 本7 点36

大引啓次(ヤクルト)
100試 率.250 本5 点27

堂上直倫(中日)
131試 率.254 本6 点46

打撃に期待が持てる選手は


 打てる遊撃手が各球団減少している中、坂本に続き打てる遊撃手は誰がいるだろうか…。

 昨季143試合遊撃手で、フルイニング出場した広島の田中が当てはまりそうだ。トップバッターとして、リーグ5位の77四球を記録したが、打率は.265だった。田中も倉本と同様に9月の月間打率が.205と苦戦。それでも、CSでは打率.833をマークしてCSMVPに輝くなど、高い打撃力を披露した。遊撃手という過酷なポジションではあるが、1年通して安定した打撃を見せることができれば、パンチ力を兼ね備える田中は、3割20本塁打も夢ではない。

 またあと一歩のところで打率3割を逃した倉本も、その1人といえそうだ。昨季は7月終了時点で打率.328を記録し、7月は月間打率.379をマークした。ただ、レギュラー定着1年目だった昨季、夏場以降疲れがあったのか8月は.218、9月が.213と月間打率は2割をわずかに超えたのみとなり、シーズン打率3割を逃した。夏場を乗り切ることができれば、シーズン打率3割を記録することが十分に可能だろう。

 その他、ロッテの鈴木、楽天の茂木、レギュラーを奪うことができれば阪神の北條史也も打てる遊撃手として期待がもてる。12球団の遊撃手を見渡すと、20代のレギュラー選手が多い。1年間戦う体力がつけば、3割・20本塁を記録する選手が近い将来必ず現れるだろう。

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