広島の横山竜士投手が9月21日、現役引退を発表した。チーム最年長投手は、若手時代にルーズショルダーなど故障に泣かされたが、リリーフとして一時代を築いた。

　横山は福井商高校から1994年ドラフト5位で広島に入団。3年目の1997年にリリーフで10勝を挙げるなど大ブレイクし、更なる飛躍が期待された。しかし1999年、右肩のルーズショルダーに見舞われる。この故障をきっかけに、2005年までの7年間は満足に一軍で投げることができなかった。

　転機が訪れたのは2006年。ブラウン監督が就任すると、1997年に次ぐ48試合に登板し、勝ちパターンを任されるようになる。翌2007年は自己最多の60試合に登板し、その2年後には自己記録を更新する69試合に登板。広島リリーフ陣には欠かせない存在となった。

　しかし、近年は今村猛らの台頭もあり登板機会が減少。それでも2013年は夏場以降、不調の今村に代わって勝ちパターンの一角を担い16年ぶりのAクラス入りに貢献。さらに500試合登板を達成するなど、長年に渡りカープのブルペンを支えてきた。

　20年目の今季は、前半戦から好調だったチームとは対照的に、自身は中田廉の台頭や一岡竜司の加入もあり、6試合の登板で防御率8.10と結果を残せず。そして、カープ一筋で駆け抜けたプロ野球人生に別れを告げることを決意した。

●横山竜士投手プロフィール
1976年6月11日生まれ、福井県出身。福井商高から1994年ドラフト5位で広島に入団。1997年4月13日の横浜戦でプロ初登板。1999年には12試合に先発し2010年には11セーブを挙げるなど、中継ぎだけでなく幅広い活躍でブルペンを支えた。通算成績は507試合46勝44敗17セーブ、防御率3.42。