ニュース 2016.01.21. 18:00

強肩炸裂? 強打者が怯える「ライトゴロ」

2013年のWBCにも出場した巨人の長野久義
 それはプロ野球でなかなか見られない、珍しい光景だった。

 13年5月15日の巨人対ロッテ戦、2回表ロッテ二死満塁。打者・グライシンガーは投手・沢村拓一の投じた内角寄りのストレートを一二塁間へはじき返した。

 ヒットかと思われたが、ライトを守る長野久義が猛然とダッシュ。素早いハンドリングで一塁へワンバウンドで送球し、判定はアウト。ライトゴロとなり打ったグライシンガーはヘルメットを地面に叩きつけ、悔しさをあらわにした。

 長野はこの年、計3度のライトゴロを記録。この年は3年連続となるゴールデングラブ賞を受賞した。最近では昨年の5月22日の中日対巨人戦で巨人・橋本が打者・谷繁の時にライトゴロをマークしている。

 本来、ライトゴロは守備位置が浅い少年野球でよく見られる光景だ。また、長打があまり出ない女子プロ野球では頻繁に起こっている。逆に守備位置が深くなる高校野球やプロ野球では、ほとんど見られないのが現状だ。しかし、ライトというポジションの重要性の変化によって、プロ野球でもライトゴロが起こり得る可能性は以前よりも高くなっている。

 その昔、プロ野球でライトを守る選手と言えば、「長打力はあるけれど守備は…」という選手が多かった。それが90年代に入って中堅122メートル、両翼100メートルと広い球場が増えていくと、ライトに守備力の高い選手が守るようになっていく。

 その代表格がイチローであり高橋由伸だ。最近ではオリックスの糸井嘉男、前出の長野がライトの代表的な選手だろう。いつの試合かは定かではないが、こんなことがあった。

 流し打ちの名手・巨人の元木大介が無死走者なしの場面で痛烈なライト前ヒット。元木はライトの日本ハム・稲葉篤紀が当然のように二塁に返球するものと思い、なかばゆっくりと一塁へ向かう。だが、稲葉は一塁へ猛返球。あせった元木は慌てて一塁へ駆け込み、何とかセーフになったものの、そのプレーを境に、巨人選手たちはたとえライト前ヒットでも一塁まで全力疾走が合言葉になったという。

 長野の一件以来、走力の無い強打者たちは「ライトゴロ」におびえている。打球が一二塁間を抜ける、もしくはライト前で大きく弾む。「よし! ヒットだ」と油断して走るスピードを緩めると、ライトの餌食(えじき)になってしまう。逆にバッターの立場で考えれば「ライトゴロになってたまるか」と一塁までしっかり走る選手が増え、よりスピーディーなプロ野球が見られるのかもしれない。

 橋本はライトゴロを記録した試合後に「走り方を見て行けると思った」とコメントしている。ライトゴロを狙うライトと打者を巡る一塁上の攻防は、今後も目を離さずにはいられない。

「野球で一番スリリングなプレーはライトゴロ」。こんな会話がプロ野球ファンから聞こえてくると、新しい野球の楽しみ方が生まれてくるはずだ。

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