クライマックスの裏で...
クライマックスシリーズも1stステージの戦いが終わり、パ・リーグはソフトバンクが、セ・リーグはDeNAが勝ち抜け。日本シリーズをかけて首位チームと戦うファイナルステージへの挑戦権を手にした。
頂点を目指す戦いが盛り上がりを見せる中、宮崎では早くも来シーズンへ向けた戦いがはじまっている。
若手に混じって復活に賭ける男
主にチームの将来を担う若手たちが汗を流す舞台となるが、今年は若手に混じって来季の復活を目指すベテランの姿に目が行く。
10月6日に行われたソフトバンク-ヤクルトの一戦。ヤクルトの2番手として登板したのは、かつてのエース・館山昌平であった。5回を投げて被安打2の1失点で、勝利投手となっている。
フェニックス・リーグといえば、参加選手はほとんどが若手。主力級の選手というと、クライマックスシリーズへ向けた調整で出ることがあるくらい。
そんな中に混じって35歳右腕が戦うことの意味とは...。ふがいないまま終わった今季を経て、復活にかける来季へ向けた意気込みの他にない。
もう一度あの勇姿を...
毎年のように故障と手術を繰り返し、トミー・ジョン手術は3度も経験。それでも昨年は6勝をマークし、優勝したチームに貢献した。
もう一度、主戦投手として...。開幕からローテーションを守り、4年ぶりの2ケタ勝利を目指して始まった今シーズン。ところが、フタを開けてみれば10試合の登板でわずか1勝止まり。防御率7.24はキャリアワーストの数字に終わってしまう。
開幕2連敗で二軍降格となると、そのタイミングで違和感を抱えていた肘の手術を決断。7月の復帰以降もなかなか思うような投球を取り戻すことができなかった。
傷だらけの身体で戦う35歳に対し、周囲からは限界説も噴出した。それでも、思い返してみればこれまでも幾度とない苦境にぶち当たり、そこから這い上がってきた男。そういった声をかき消すように、宮崎へと飛び立っていった。
優勝から一転、Bクラスに沈んだチームをもう一度勝てるチームへ。こういった“生き様”も含め、館山がチームにもたらす影響は大きい。
来年こそ、開幕からローテーションを守って投げ続ける背番号「25」に期待したい。