ニュース 2014.09.12. 13:11

東京でも、名古屋でもなく…投手王国は横浜にあった “先発力”でCS滑り込みへ

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8月以降は“投手王国”を築いているDeNA中畑清監督 [©横浜DeNAベイスターズ]
ペナントも佳境に入り、セ・リーグを面白くしているのがDeNAの驚異的な粘りだ。CSは絶望的と言われながら、3位・阪神の秋の風物詩的な失速も相まって、ついにゲーム差は3.5。自力でのCS進出を復活させた。

阪神が巨人に痛すぎる3連敗を喫している裏で、DeNAは9日に久保康友がリーグ単独トップとなる12勝目を完封で飾り、10日にも今季途中から先発に転向した山口俊がプロ初完封。リーグ最強のヤクルト打線を相手に、2試合連続完封勝利を収めている。

チームの2試合連続完封は2012年4月の山本省吾、三浦大輔以来となるが、この時の山本は6回降雨コールドでの完封勝利。9回での2試合連続完封となると、2000年5月の斎藤隆、小宮山悟以来なんと14年ぶりとなる。さらに、久保と山口は無四球での完封。2試合連続無四球完封となると、1970年9月の池田重喜、平松政次以来、実に44年ぶりの快挙である。

現在のDeNA快進撃を支えているのは間違いなく充実した先発陣である。2006年から8年連続Bクラスに沈むチームにおいて、最も課題とされてきたのが投手陣。Bクラスの8年間で実に7度もリーグワーストの防御率を叩き出し、先発投手も6年連続でリーグ最低の防御率を残している。

快進撃の足がかりとなった8月。DeNAはその先発陣が躍動し、24試合のうち16試合でクオリティ・スタート(先発投手が6イニング以上、3自責点以下)を成功させている。これは12球団トップの数字で、夏場に屋外球場を本拠地としているチームであることを考えると、十分に評価ができる内容だ。実際に、8月以降の先発防御率(3.21)、完投数(4)はともにセ・リーグトップの成績を残し、課題であった投手陣が、逆に強みとなっている。

ここまでリーグトップの12勝を挙げる久保と11勝の井納翔一、リーグで唯一2ケタ勝利投手を2人抱え、8勝のモスコーソ、現在4連勝中の山口が7勝で続くという先発投手陣。先発の勝利数は首位・巨人の47にあと3つと迫る44まで伸ばしてきており、チームでは1997年の三浦大輔(10勝3敗)、川村丈夫(10勝7敗)、野村弘樹(10勝8敗)、戸叶尚(10勝7敗)以来となる10勝カルテット結成も見えてきた。

球団初のCS進出へ。DeNAにとって最大の試練となるのが今月23日から始まる14連戦である。14連戦のスタート3試合が3位・阪神との直接対決であり、それを含めて阪神との対戦を5試合も残している。今季は阪神に対して5勝14敗と大きく負け越しているが、悲願達成へ負けるわけにはいかない。

絶好調の先発投手王国を武器に、DeNAが最後までセ界をかき回す。

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