ニュース 2016.11.24. 07:45

岸、糸井がFA移籍 人的補償で移籍後に活躍した選手は?

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広島の一岡竜司

岸と糸井は補償が必要な選手


 今季は6人の選手がFA宣言したが、岸孝之が楽天、糸井嘉男が阪神へ移籍した。

 岸は旧チーム(西武)内の年俸順位が1位から3位までにあたるAランク、糸井嘉男は旧チーム(オリックス)内の4位から10位にあたるBランクの選手とみられている。Aランクの岸を獲得した楽天は、補償に年俸の80%にあたる金銭、もしくは50%の金銭プラス人的補償、同様にBランクの糸井を獲得した阪神も、オリックスに60%の金銭、もしくは40%の金銭プラス人的補償を支払わなければならない。


福地、一岡が新天地で活躍


 毎年、FA以上に盛り上がりを見せる人的補償の問題。これまで、人的補償で花を咲かせた選手がいれば、復活した選手もいる。07年オフヤクルトから西武へFA移籍した石井一久の補償選手として、ヤクルトに移籍した福地寿樹は花を咲かせた選手のひとりだ。

 福地は西武時代の07年に117試合に出場するなど、代走・守備固めでの出場が多かった広島時代に比べ、西武では出場機会を増やしつつあった。その後、08年にヤクルトへ移籍すると、プロ入り後初めて規定打席に到達し、打率.320、9本塁打、61打点と自己最高の成績を残す。広島時代から武器にしていた足でも存在感をみせ、08年と09年に盗塁王を獲得。人的補償による移籍でチャンスを生かし、レギュラーの座を手にした。

 13年オフに巨人へFA移籍した大竹寛の人的補償で、広島へ移籍した一岡竜司は、一軍での登板数を増やした。巨人時代は二軍で結果を残すも、一軍のリリーフには山口鉄也、西村健太朗などがいたため、2年間で一軍登板はわずか13試合のみ。

 広島へ移籍すると、故障でシーズン途中に離脱する期間もあったが、14年は31試合に登板して、防御率0.58、15年は成績を落としたが自己最多の38試合に登板した。今季は故障で出遅れたものの、シーズン途中から一軍に昇格。27試合に登板して、防御率1.82と安定した成績を残した。来年の1月で26歳とまだ若く、将来は広島のリリーフ陣を支える存在として活躍が期待される。


馬原は14年に32ホールドを記録


 また、復活したケースでは馬原孝浩が代表的だ。馬原はソフトバンク時代の07年に最多セーブのタイトルを獲得するなど、クローザーとして活躍。しかし、12年に右肩を手術し1年間を棒に振と、同年オフに寺原隼人のFA移籍に伴う人的補償でオリックスへ移籍した。

 オリックスの1年目は守護神候補として期待されながらも、故障によりわずか3試合の登板にとどまる。それでも翌14年は開幕からセットアッパーの佐藤達也、守護神の平野佳寿に繋ぐ、勝ち試合の7回を任され、55試合に登板して33ホールドをマーク。チームを6年ぶりにAクラスに押し上げる働きを見せた。

 今オフは阪神と楽天が人的補償を必要とする糸井、岸を獲得している。オリックスや西武は人的補償をとるのか、金銭をとるのか、補償問題からも目が離せない。


人的補償で移籍後活躍した主な選手


【FA移籍選手】野口茂樹(中日 → 巨人)
【補償選手】小田幸平(巨人 → 中日)

【FA移籍選手】石井一久(ヤクルト → 西武)
【補償選手】福地寿樹(西武 → ヤクルト)

【FA移籍選手】新井貴浩(広島 → 阪神)
【補償選手】赤松真人(阪神 → 広島)

【FA移籍選手】和田一浩(西武 → 中日)
【補償選手】岡本真也(中日 → 西武)

【FA移籍選手】寺原隼人(オリックス → ソフトバンク)
【補償選手】馬原孝浩(ソフトバンク → オリックス)

【FA移籍選手】大竹寛(広島 → 巨人)
【補償選手】一岡竜司(巨人 → 広島)

【FA移籍選手】片岡治大(西武 → 巨人)
【補償選手】脇谷亮太(巨人 → 西武)
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