コラム 2014.10.07. 12:44

ダルと田中はどっちが上? 数字から紐解く、ヤンキース田中将大のメジャー1年目

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20試合に登板し13勝5敗、防御率2.77の好成績でメジャー1年目を終えたヤンキース田中将大投手 [Getty Images]

ダルビッシュと田中の1年目比較 田中が上回った部分とは?


 日本のみならず、アメリカの野球ファンの注目も集めた田中将大(ヤンキース)のメジャー1年目が終わった。20試合に登板し13勝5敗、防御率2.77。右ヒジ内側側副靱帯断裂のため、約2ヵ月に渡って戦列を離れるトラブルこそあったが、期待通りの成績を残したと言えるのではないだろうか。

 まず、ひとつの目安として、ダルビッシュ有のメジャー1年目と比較してみたい。

 ダルビッシュのメジャー1年目(2012年)は29試合に登板し16勝9敗、防御率3.90。勝利数では田中を上回っているが、防御率では田中のほうが断然いい成績を残した。一方で、奪三振率はダルビッシュが10.40、田中が9.31。被打率はダルビッシュが.218で、田中が.238と、ともにダルビッシュのほうが優れた数値を残している。

 それ以外の数値は田中に軍配があがった。与四球率はダルビッシュが4.19に対し、田中は1.39。まさに圧倒的な制球力である。奪三振数を与四球数で割るK/BBという指標を見ると、ダルビッシュが2.48で田中が6.71。K/BBは、コントロールがよく、バットに当てさせないボールを投げられる、投手としての純粋な能力を表す数値だ。田中は規定投球回に達しなかったが、もし達していたらK/BB6.71はメジャー5位に相当する数値だった。


メジャー1年目であがったK/BB 唯一の課題は、ゴロを打たせることにあり


 K/BBの数値で興味深いのは、田中のK/BBが日本でプレーしていた時よりも上がっている点だ。田中は、2011年に8.93、2012年に8.89と非常に高い数値を残したが、この2シーズンは統一球によって長打のリスクが減り、ストライクゾーン内でどんどん攻めることが出来た恩恵もあっただろう。日本での7年間通算のK/BBは4.50。メジャー1年目で、日本より2.00以上も数値をあげた。

 近年、メジャーに移籍した主な日本人先発投手の日本での通算とメジャー1年目のK/BBは、以下の通りだ。

黒田博樹   日本通算2.82→メジャー1年目2.76
ダルビッシュ 日本通算3.75→メジャー1年目2.48
松坂大輔   日本通算2.70→メジャー1年目2.51
岩隈久志   日本通算3.44→メジャー1年目2.35

 4人ともメジャー1年目で数値を下げている。日本人投手がメジャーへ移籍する際、ボールやマウンドのちがいによりコントロールに苦労すると言われるが、K/BBの数値を見る限り田中には当てはまらなかったと言える。

 唯一、田中の成績で少し気になるのがゴロアウト率の数値。一歩間違えばホームランになる可能性があるフライアウトよりもゴロアウトを打たせるほうが安心で、メジャーではゴロを打たせる投手が、より評価される傾向にある。

 田中の今季のゴロアウトとフライアウトの比率(GO/AO)は1.24。フライアウトよりゴロアウトのほうが約1.2倍多かった。この数値は決して低いものではないが、昨季日本でのGO/AOは1.62。日本での通算も1.42とメジャー1年目より高い。数字から見ると、メジャーに行ってからフライを打たれやすくなったのである。ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアムは、メジャーの中でも本塁打が出やすい球場だ。来季は、これまで以上に球を低めに集め、ゴロを打たせる必要があるだろう。   

 課題もあげたが、それほど大きな問題ではない。それどころか、堂々たる数字を残した田中将大。まずは右ヒジをしっかり治し、来季はシーズンを通しての快投を期待したい。

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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