コラム 2015.10.19. 17:30

巨人の新たな核弾頭・立岡宗一郎の球歴とは?

「秋山幸二2世」と呼ばれた九州の怪童!


 2015年、リーグ4連覇をめざした巨人の戦いは、ヤクルトと1.5ゲーム差の2位で終了。日本一奪還へ向けたクライマックス・シリーズでも敗退した。

 年間を通して打線で苦しみ、得点力不足に泣いた巨人であったが、その中で希望となった選手もいる。「1番・センター」としての地位を築いた立岡宗一郎だ。

 2012年のシーズン途中、ソフトバンクから移籍してきたプロ7年目の25歳。巨人に加わって4年目の今季は5月下旬に一軍昇格すると、7月からスタメンに定着。外野のレギュラーとして、1番打者として、はつらつとしたプレーで勝利に貢献していった。

 立岡は1990年5月生まれ、熊本県芦北町出身。幼い頃は野球と柔道をやっていたという。地元球団・ダイエー(現・ソフトバンク)の大ファンで、幼稚園の頃から球場に連れられ、チームジャンパーを着て喜んでいたそうだ。

 大好きな野球に専念したのは、小学校3年生から。芦北町立田浦中学校では軟式野球部に所属し、投手として活躍。軟球で130キロ台後半のボールを投げ、熊本県大会優勝、九州大会準優勝。前年、九州の中学軟式球界を湧かせた逸材・高濱卓也(佐賀市立城南中→横浜高→阪神→ロッテ)の後釜として、その進路が大いに注目された。

 県の内外から約50校が声をかけてきたというなか、選んだのは「野手として育てたい」と明言した熊本の名門・鎮西高校。入学後すぐに外野手としてメンバー入りし、春の九州大会に出場。緊張するはずの第1打席、満塁の場面でライトフェンス直撃、走者一掃の三塁打を放ってみせた。

 50メートル走で5秒9の俊足、相手走者が進塁を躊躇するほどの強肩(そのため、刺殺数は少なかったという)で、マウンドに立てば147キロ。さらに、高校通算28本塁打。同じ熊本出身のスターを重ねて「秋山幸二2世」と呼ばれるようになった。

 ちなみに甲子園出場はかなわなかったが、主将を務めた3年夏の県大会には日米11球団のスカウトが集結。あふれ出る才能に高評価をつけたという。

 2006年秋のドラフトでは、ソフトバンクが2位指名。大学生、社会人も含めてのドラフトで最高に近い評価だった。さらに、鎮西高の捕手・猪本健太郎もソフトバンクが育成4位で指名。二人同時に同チームへの入団となった。ちなみに、現在の所属先である巨人では、大田泰示(東海大相模高)、橋本到(仙台育英高)らがドラフト同期生・同級生にあたる。

トレード直後の大ケガが野球人生を変えた!


 外野手として活躍してきた立岡だが、入団会見では「一番目立つショートで頑張りたいです」と、堂々のコンバート志願。周囲を驚かせた。

 プロ1年目の2009年は一軍出場なし。2年目の2010年8月15日、代走としてプロ初出場を果たすも、あくまで「体験学習」に過ぎず、即登録抹消。以降、一軍での出場がないまま、2012年の6月に2対2の交換トレード要員として巨人に移籍する。プロ入りと同時にめざした「ソフトバンクのショート」は、2011年まで川崎宗則(現・ブルージェイズ)が守り、2012年から今宮健太がレギュラー定着。1学年下に天才遊撃手がいたことが、立岡にとって不運だったともいえるだろう。

 当時22歳、心機一転やり直すには十分な年齢である。それが、移籍直後に出場した二軍の試合中、交錯プレーにより左ヒジじん帯断裂。しかし、これが大きな転機となった。

 右では思いきりバットを振れなくなった立岡は、左打ちへの転向を決意したのだ。秋のフェニックスリーグでは打率3割超をマークし、才能の片鱗を披露。ところが、秋季練習で左足首じん帯を損傷し、松葉杖をつく生活に。「もう、野球ができなくなるんじゃないかと思った」という絶望を味わった。

 「本当に長かった」と振り返る日々を乗り越え、移籍2年目の2013年5月、ついにプロ初安打。直後にサヨナラのホームを踏み、「ここまで来られて夢のようです」と喜びを語った。

 翌2014年は出場機会に恵まれず、秋から荒井幸雄2軍打撃コーチ(当時)とともにフォーム改造することを決意。今年は春のキャンプから内田二軍打撃コーチに指導を受け、確実性を増すスタイルへ。「最初の打席は塁に出られるよう考えています。1試合2回は塁に出るのが目標です」と話す。

 「今年一番緊張しました」というCSファーストステージは、3試合で打率.417。こだわりの第1打席は、左前安打、右中間三塁打、右中間三塁打と全てヒットで出塁。短期決戦に必要なチームに勢いを与えるプレーに、原辰徳監督は「ファーストステージのMVPです」と最大級の賛辞を送った。ファイナルステージの第2戦では、初回の先頭打者として初球を左前安打。けん制で刺されてアウトになったが、勢いを示した。

 もし日本シリーズまで勝ち上がっていたら、古巣・ソフトバンクとの対戦が実現することになっていたが、今年はお預け。若くして受けたトレード放出という衝撃から這い上がった男…巨人の新・切り込み隊長の来季に注目だ。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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