コラム 2015.10.26. 10:30

14年ぶりの優勝に貢献! 74試合登板のセットアッパー・秋吉の球歴とは?

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リーグ最多登板のヤクルト・秋吉亮[BASEBALLKING]
秋吉亮,

大躍進のヤクルトを支えた鉄腕リリーフ!


 24日に開幕した日本シリーズは、両リーグ優勝チーム同士の激突となった。

 昨年から強さを見せ続ける王者・ソフトバンクに対し、ヤクルトは最下位からの大躍進。川端慎吾、山田哲人、畠山和洋らを擁する強力打線とともに、チーム防御率最下位だった投手陣が奮起した。石川雅規、小川泰弘ら先発から、中継ぎを経て守護神・バーネットへ。少々、古い言い回しだが「勝利の方程式」が確立した。

 多彩な中継ぎ陣の一角を占めたのが、社会人から入団して2年目の秋吉亮だ。変則的な右サイドスローから、140キロ後半のストレートと変化球で緩急をつける。

 秋吉は1989年3月生まれ、現在26歳。田中将大(ヤンキース)、前田健太(広島)、坂本勇人(巨人)らと同じ「88世代」である。東京都足立区出身で、小学校1年生で「足立ジュニアヤンガース」に入団。6年生のとき、関東大会優勝を果たしている。

 足立区立江北中学校では、同校の軟式野球部と軟式クラブ「足立ヤンガース」に所属。内野手、外野手をこなしつつ、2年生のとき捕手に指名されたという。ちなみに、平日は中学校の野球部、休日はクラブチームで活動するというのは、軟式野球が盛んな東京東部地区では、特に珍しいことではない。

 中学卒業後は、都立足立新田高校へ。甲子園出場経験のない都立高校だが、試合に出ることを考えて選んだ。実際、1年夏の大会はファーストのスタメンとして出場。練習では打撃投手を積極的にやるなどアピールを続け、新チームから投手に。そこで、監督からサイドスローの指導を受けたのが運命を変えることになる。「いまよりも下から投げていて、球種はストレートとスライダーだけ」と振り返るが、1年秋の大会から登板。2年夏の大会はコールド負けも、秋の大会では強豪・早稲田実業と対戦。エース・斎藤佑樹(現・日本ハム)と投げ合い1対3で敗れたが、中盤まで早実打線をノーヒットに抑える好投。大きな自信を得たという。

 3年夏、球速は139キロまで達し、東東京大会ベスト4。チーム最高成績へと導いた力投で「都立の星」と騒がれた。しかし、上には上がいると実感。「憧れてきたプロに挑戦するのは、大学で力をつけてから」と、中央学院大学への進学を決めた。


大学、社会人と着実な歩みで、日本一を目指すマウンドへ――


 千葉県大学リーグに所属する中央学院大では、1年からエース格に。ここで、アンダースロー気味だったというフォームをサイドスローに修正。球威が増すとともに、球速は140キロを超えるようになった。全日本大学野球選手権には、1年、2年(ともに1回戦敗退)、4年(ベスト8)と出場。4年時は、初戦で自己最速の148キロをマークして九州共立大を完封。注目を集める存在となった。しかし、またしても「プロに行くには何かが足りない」と実感。卒業後は、社会人の強豪・パナソニックに入社することを決めた。

 1年目はレベルの違いに戸惑ったというが、2年目の2012年からエース格に。都市対抗ベスト8、日本選手権ベスト4。第26回アジア野球選手権では「JAPAN」のユニホームを着て3勝をあげ、優勝に貢献した。ついに、憧れてきたプロの世界が見えてきたが、会社の事情もあり残留を決意。そこから気持ちを切らさず、翌2013年も都市対抗、日本選手権出場。ともにベスト8という成績は、立派の一言だ。

 社会人での3年間を経て、2013年秋のドラフト3位でヤクルトが指名。「(昨年1年間)社会人に残ってよかったです。昨年よりレベルアップした状態でプロに行けます」と笑顔で語った。

 1年目の昨季は「死にものぐるいで勝負したい」とキャンプから飛ばし、先発ローテーションの一角に食い込んだ。しかし、2戦2敗と振るわず。中継ぎで結果を残せない八木亮祐と入れ替わる形で、中継ぎとなった。なお、配置転換を発表した高津臣吾コーチは、秋吉が「高校時代、神宮球場の外野スタンドから見ていました」という憧れのサイドスロー。秋吉が入団した2014年から、投手コーチに就任している。初めてとなるリリーフへの転向も、心強かったに違いない。

 5月13日の巨人戦でプロ初勝利。同点の8回裏に登板し、9回に味方が点を奪っての勝利だった。「先発で勝ち星をつけたかったですが……」という本音は出たが、「年間50試合を目標に頑張りたいです」とキッパリ。ロマンが故障離脱の際は抑えを任されるなど、リリーフ陣の柱としてチーム最多の61試合登板を果たした。

 2年目の今季は、リーグトップの74試合に登板。開幕戦では2点リードを追いつかれたが、そこから修正してみせた。「2年目のジンクス」とは無縁の大活躍。高校でも大学でも、「プロへの力が足りない」と痛感させられた聖地・神宮球場で優勝を味わい、日本シリーズ進出を決めた。

 スタミナ抜群で故障知らずの鉄腕サイドスロー。チーム14年ぶりの頂点に向けて、そして、これまでの野球人生で届かなかった「日本一」を勝ち取るため。ソフトバンクの強力打線に立ち向かう。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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