コラム 2015.11.23. 17:30

日の丸を背負った鉄腕・増井の球歴とは?

増井浩俊,

日本代表投手陣の最年長はドラフト5位入団!


 「世界野球WBSCプレミア12」が21日に終了した。予選リーグを首位で通過した日本代表は、準々決勝でプエルトリコに快勝するも、準決勝で韓国に逆転負け。3位決定戦では、メキシコに勝利し3位で終えた。

 今回の日本代表の最年長は、1983年生まれの松田宣浩(ソフトバンク)と中村剛也(西武)。投手陣の最年長は、1984年生まれの増井浩俊(日本ハム)と牧田和久(西武)。同い年の増井と牧田は静岡県焼津市出身で、野球を始めた小学生の頃から互いを知っていたというから驚きだ。

 いまや日本を代表するリリーバーである増井は、社会人を経由してプロ6年目の31歳。小学4年のとき、地元の少年団に入って本格的に野球を始めたという。焼津市立和田中学校では、軟式野球部に所属。ノーヒットノーランを達成したことで、夢だったプロ野球選手になることを強く意識したそうだ。中学卒業後は、県立静岡高校に進学。県内でも指折りの名門校だが、最高成績は3年春の東海大会出場。最後の夏は県大会ベスト8で、高校野球生活を終えた。

 2002年秋のドラフトを湧かせたのは「松坂世代」と呼ばれる、1980年生まれの大学4年生たち。和田毅(早稲田大→ソフトバンク/メジャー移籍を経て来季より復帰)、村田修一(日本大→横浜/現・巨人)らが自由獲得枠で希望の球団へ。高校生で1位指名を受けたのは、東北高の151キロ左腕・高井雄平(ヤクルト)、逸材遊撃手・西岡剛(大阪桐蔭高→ロッテ/現・阪神)など。

 ただ、この年、ドラフト指名された高校生選手のなかに、現在の日本代表は誰もいない。投手として成功せず打者として花開いた高井を含め、野球人生とはつくづく、何がどうなるかわからないものだ。

 高校卒業後は、東都大学野球連盟に所属する駒沢大学へ。リーグを代表する名門校だが、増井の在学中は低迷期。4年生でエースとなり、春のリーグ戦で4勝、秋に3勝をあげるも、一度も優勝することなく4年間を終えた。なお、駒沢大の同級生には野本圭(日本通運を経て中日)、同じリーグには、現在の日本代表捕手・嶋基宏(国学院大→楽天)、長野久義(日本大→Honda→巨人)らがいた。

 2006年秋のドラフトの目玉は、PL学園高のエースだった前田健太、坂本勇人(光星学院高→巨人)、田中将大(駒大苫小牧高→楽天/現・ヤンキース)など「88世代」の高校生。大学生投手では、岸孝之(東北学院大→西武)、大隣憲司(近畿大→ソフトバンク)らが高い評価を得て、プロの世界へと進んでいった。
 
 増井は社会人の強豪・東芝に入社。チームは2007年に都市対抗優勝を果たすが、登板機会なし。ブレークは3年目の2009年だった。都市対抗初戦で先発を任されるなど、投手陣の柱に成長。第38回IBAFワールドカップ日本代表にも選出された。それでも圧倒的な実力を見せつけたわけではなく、2009年秋のドラフトでは日本ハムが5位指名。かなり低い順位だが、増井は「夢がかなった」と感激したという。

増井浩俊,

先発からリリーフへ――野球人生を変えた2年目の配置転換


 プロ1年目の2010年は、13試合すべて先発としての起用。初登板は4月9日のソフトバンク戦で、負け投手となった。プロ初勝利は4月27日のオリックス戦。6月中旬まではローテーションを守ったが、その後、右肩故障や成績不振などを理由に、9月5日のロッテ戦を最後に二軍降格。3勝4敗で1年目のシーズンを終えた。

 運命が変わり始めたのは2年目の2011年。開幕当初から中継ぎとして起用され、56試合に登板。リーグ2位の34ホールドをあげたのだ。プロ入り前から「リリーフの適性あり」とする意見もあったが、まさにピタリとはまった。3年目の2012年は、73試合のリーグ最多登板。45ホールド、50HPはリーグ新記録で1位。最優秀中継ぎ投手、パ・リーグ特別表彰を受けた。4年目の2013年8月20日、史上最速で100ホールド到達。「毎日の準備の積み重ねの結果だと思っています」と振り返った。

 2014年は、途中から抑えを任され23セーブ(リーグ5位)、今年は39セーブ(同2位)と役割は変化しているが、2013年=66試合、2014年=56試合、2015年=56試合と、2011年から5年連続50試合以上登板を達成。ブルペンに欠かせない存在であることに変わりはない。初年度900万円だった年俸は、昨年、10倍増の9000万円に(金額は推定)。高校、大学と目立った結果を残すことができず、社会人3年を経てのドラフト5位入団。数多の挫折を乗り越えての、見事な大躍進である。

文=平田美穂(ひらた・みほ)
【平田美穂・プロフィール】 1970年、埼玉県生まれ。出版社勤務時代は、辞典編集、野球雑誌編集に携わる。趣味はスポーツ観戦(プロレスを除く)。

ランキング

順位表

  • セ・リーグ
  • パ・リーグ
順位チーム
1 広島 27 21 1 -
2 巨人 22 21 3 2.5
3 阪神 23 23 3 0.5
3 中日 23 23 3 0
5 DeNA 22 24 3 1
6 ヤクルト 22 27 1 1.5
順位チーム
1 ソフトバンク 27 13 4 -
2 ロッテ 27 19 1 3
3 日本ハム 24 21 1 2.5
4 西武 20 25 2 4
5 オリックス 18 26 0 1.5
6 楽天 15 27 2 2

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