コラム 2016.01.12. 16:30

若き守護神、松井裕樹と山崎康晃のそれぞれにある特徴

プレミア12では侍ジャパンの一員として戦った楽天の松井裕樹(左)、DeNAの山崎康晃(右)
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球団記録を樹立した松井、新人最多セーブ記録の山崎


 楽天の高卒2年目だった松井裕樹と、DeNAの大卒ルーキーだった山崎康晃。昨季はふたりの若きクローザーがプロ野球を沸かせた。

 松井は、球団記録の33セーブを記録。10代で30セーブ以上を挙げたのは史上初のことだった。防御率は1点台を切る0.87。奪三振率はクローザーのなかではサファテ(ソフトバンク)に次ぐ驚異の12.82だ。被打率.150もサファテに次ぐ低さで、セーブ機会での失敗は、たったの1度しかなかった。

 山崎は、37セーブを挙げ新人最多セーブ記録を樹立。登場曲に乗って、スタンドのファン送るコール、「や! す! あ! き!」は、横浜スタジアムの新名物となった。山崎の防御率は1.92と松井より高かったが、1イニングあたりに許した走者の数を示すWHIPは松井の0.90より低い0.87。奪三振率は10.54で、被打率は.190だった。

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与四球が少なかった山崎、打たれた長打が少なかった松井


 クローザーとして絶対的な存在感を示した両投手。被打率こそ松井のほうが低かったが、WHIPは山崎のほうが低かった理由は、与四球率にある。松井の与四球率が3.48だったのに対し、山崎は1.76と約半分だ。

 与四球率では山崎に劣ったものの、松井のほうが優れた点もある。打たれた長打の少なさだ。松井は247打数で37安打を許したが、そのうち長打は本塁打が3本、三塁打が1本で二塁打は1本も打たれなかった。長打の合計は4本だ。

 一方、山崎は三塁打を1本も打たれなかったが、二塁打を7本、本塁打2本打たれた。失点につながりやすい長打を打たれないことはクローザーに欠かせない条件だが、松井の被長打の少なさは特筆すべきものだろう。

 松井の優れている点をもうひとつ挙げるなら粘り強さだ。得点圏に走者を置いたときの被打率は山崎が.273に対し、松井は.102。走者を出したが得点を許さなかった確率を示すLOB%(※)で、松井は95.5%、山崎は78.4%。被打率が低く、与四球で余計な走者を許さない反面、走者を出した後や得点圏では若干のもろさを見せた山崎。被打率は低いものの、与四球で余計な走者が多かった一方で、走者を出した後で粘り強く抑え失点を許さなかった松井という見方をすることができる。

 山崎は2年目、松井もクローザーとして2年目を迎える今季。他球団からのマークはきつくなる上に、昨季の疲れがどれだけ抜けているかも気になる。そんな不安をよそに、今季も大活躍してくれることを願う。

(※)LOB%の計算式
(安打+四球+死球-失点)/(安打+四球+死球-(1.4×本塁打))

文=京都純典(みやこ・すみのり)
【京都純典・プロフィール】 1977年、愛知県出身。出版社を経て独立。主に野球のデータに関する取材・執筆を進めている。『アマチュア野球』(日刊スポーツ出版社)、『野球太郎』(廣済堂)などに寄稿。

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