コラム 2016.02.04. 18:00

盟友たちが信じた「絶対にやってない」の言葉【清原和博・逮捕の衝撃③】

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名球会ベースボールフェスティバルの試合で、佐々木主浩氏(左)から安打を放ちガッツポーズする清原和博氏(C)KYODO NEWS IMAGES

仲間を、後輩を、そして恩師をも裏切る結果に…


 逮捕のおよそ20日前。ヤフオクドームで行われた名球会ベースボールフェスティバルに出場していた清原容疑者は、親友でもありライバルでもあった佐々木主浩氏と野球で対戦し、フォークボールを見事に打ち返してヒットを放った。

 その佐々木氏に対しても、「俺は絶対に薬なんかやっていない」と話していた。嘘だった。

 「ぶん殴りたい」――。佐々木氏はTV局のインタビューにこう答えた。


 清原逮捕の報は、野球界に大きな波紋を呼んでいる。マスコミ各社は、清原容疑者と縁の深い選手を対象に次々と取材を行った。

 “KKコンビ”としてPL学園時代に大旋風を起こした桑田真澄氏は、「嘘であってほしい」とコメント。巨人でともにプレーをした松井秀喜氏は「ただ驚いている」と言葉少なだった。

 一方で、コメントを出すこともできないほどショックを受けている人間も多くいる。

 清原がオリックス時代、同じマンションに住んでおり、公私ともに仲が良かった阪神・金本新監督がその一人だ。3日、報道陣にコメントを求められるも、「その話はなしで」とノーコメント。新監督の門出という大事な時期に、兄のように慕っていた清原の逮捕。心中穏やかではないはずだ。

 「PL学園派閥」も困惑している。立浪和義や橋本清、さらにドジャースに入団した前田健太らは、コメントの出しようがない。なぜなら、彼らにとって清原は「神」のような存在だからだ。各方面から取材要請が来ているが、すべて断っているという。

 そんな中、もっとも悲しんでいるのは恩師・故仰木彬監督、そして長嶋茂雄巨人名誉監督だろう。

 2005年、巨人を戦力外になった清原を「お前の花道は俺がつくってやる。大阪に帰ってこい」と救った仰木監督。1996年、西武をFAになった清原を「俺の胸に飛び込んで来い」と巨人入りを決断させた長嶋監督。

 くしくも長嶋監督は名球会ベースボールフェスティバルで清原に「君はまだまだ若い。頑張るんだぞ」と激励したばかり。この言葉に清原は「はい、ありがとうございます」と返す。そして、その数日後…。清原は恩師をも裏切ることになった。

 天国の仰木監督は、きっと悲しみにくれているだろう。

(4)「またやってるらしい…」昨秋から再燃した噂  につづく...)
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