コラム 2016.03.19. 08:30

プロ野球選手も続々輩出!改めて、BCリーグってどんなリーグ?

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BCリーグ・福島ホープスを率いる岩村明憲監督(左)

歴史の新しい独立リーグ


 日本には、BCリーグという野球リーグが存在していることを、みなさんご存じだろうか。

 近年はNPBに多くの選手を送り込んでいることや、反対に元NPB選手、助っ人が参戦することなどでも話題のBCリーグ。正式名称は、ベースボール・チャレンジ・リーグ。プロ野球の独立リーグのひとつで、8チームが参加している。

 東地区には福島ホープス(福島)、武蔵ヒートベアーズ(埼玉)、群馬ダイヤモンドペガサス(群馬)、新潟アルビレックスBC(新潟)の4チームが所属し、西地区には信濃グランセローズ(長野)、富山GRNサンダーバーズ(富山)、石川ミリオンスターズ(石川)、福井ミラクルエレファンツ(福井)の4チームが所属している。

 2007年から始まったこのリーグだが、2015年に福島と武蔵が新規参入し、8球団に増えたことから、日程が大幅に変更された。

 1シーズンを前期と後期に分け、それぞれ1チーム36試合。合計72試合で覇権を競う。

 リーグ戦のほかにも東西の交流戦や、プロ野球二軍との試合が組まれることもあり、全日程終了後には地区チャンピオンシップ、BCLチャンピオンシップが行われ、最終的には“独立リーグ日本一”が決まる。


昨年は巨人が育成ドラフトでBCリーガーを大量指名!


 BCリーグ所属の選手が、ドラフトで指名を受けてプロ野球に入団するというケースは近年とくに増えている。

 昨秋のドラフトでは、巨人が育成枠で5人(2位・小林大誠、4位・田島洸成、5位・大竹秀義、7位・矢島陽平、8位・長谷川潤=いずれも武蔵)指名し、大きな話題となった。

 巨人は2009年の育成ドラフトでも星野真澄投手(信濃)を1位で指名するなど、BCリーグ出身選手の獲得に積極的。星野は巨人入りした翌年には選手登録され、一軍登板も果たしている。

 この流れからすると、今後はますますBCリーグからプロ野球の門を叩く選手というのが増えるだろう。


「何苦楚魂」で突き進む岩村ホープス


 昨シーズンから参入した福島ホープスの監督は、あの岩村明憲。ヤクルトで主力選手になり、メジャーへ移籍。帰国後は楽天でプレーした、あの岩村だ。球団代表でもあり、選手も兼任。いわゆるプレーイングマネージャーを務める。

 新規加盟した昨年は、前期こそ4位も後期は1位。しかし、地区チャンピオンシップは1勝2敗で新潟に敗れた。岩村は規定打席不足ながら、打率.556(18-10)をマーク。さすがの存在感を発揮した。

 チームスローガンは「何苦楚魂」。岩村の座右の銘が、そのままチームスローガンになっている。

 その福島に、注目選手がいる。外野手の佐藤貴規だ。

 知っている人もいるだろうが、ヤクルトの由規(佐藤由規)の実弟であり、ヤクルトから育成ドラフト3位で指名を受け、2011年に入団。14年まで兄弟でヤクルトに在籍した。

14年限りで戦力外通告を受け、一時は現役を続行するかどうか迷ったというが、結局15年シーズンは新天地・BCリーグの福島でプレー。背番号は8で、登録名を「貴規」に変更した。

 NPB時代、イースタンリーグでも光る打撃センスを見せていた男は、チームトップの打率.326、二塁打30本を放ち、本塁打は4、打点は39、盗塁も23個マークした。

 ベストナインにも輝いた貴規は、もう一度プロ野球界へ戻るべく、15年11月に行われた12球団合同トライアウトに参加。残念ながら、NPBの球団から獲得のオファーは届かなかった。

 それでも諦めることはせず、今年もトライアウトへ参加する意向を示しており、福島でのプレーも続けるという。兄の由規も、現在は一軍復帰に向けて奮闘中。兄弟で切磋琢磨し、復活を期す。

 なお、プロ野球が3月末に開幕する一方で、BCリーグが4月9日に開幕する。派手さはなく、マスコミへの露出も少ないリーグだが、プロ野球選手になる夢を胸に、ひたむきにプレーする選手にはただただ頭が下がる。
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