ヤクルトの未来を背負う“希望の星”
ヤクルトの浦添キャンプも終盤戦。来週に迫ったオープン戦開幕、そして開幕スタメンを目指して、汗を流し続ける男がいる。プロ2年目の19歳・広岡大志だ。
智弁学園高からヤクルトに入団すると、1年目の昨季はファームでいきなり113試合に出場。9月29日には一軍デビュー戦でDeNA・三浦大輔からプロ初打席初本塁打も放った。
オフにはU-23のW杯で侍ジャパン入りを果たし、帰ってきた後も台湾で行われたウインターリーグに参戦。まさに野球漬けの一年を無事に終え、この春を迎えた。
誰もが期待を寄せる“逸材”。序盤は三木肇コーチと共に遊撃守備と走塁をみっちり鍛えた後、終盤からは山田哲人を育てたことでも知られる名伯楽・杉村繁コーチ指導の下で打撃練習。まさに英才教育でじっくりと育成中だ。
名伯楽が語る広岡大志
18日も、居残り練習を付きっきりで見守った杉村コーチ。話を聞くと、「山田(哲人)とはタイプが違う」という。
そのフォームを含めた見た目から『山田2世』と呼ばれることも多い広岡。しかし、杉村コーチによれば、「山田は回転とキレで打つタイプ。対して広岡はリーチがあって、スイングの弧が大きい。どちらかと言えば池山(隆寛)に似ている」と教えてくれた。
また、古くは若松勉をはじめ、青木宣親や山田哲人といった小柄な好打者が多かったヤクルトであるが、「でかい選手を教えるのは魅力的」と杉村コーチ。
「大きい選手は動きが華麗に見えるし、教えていてワクワク感がある。(横浜時代の教え子)吉村(裕基)を教えた時に似ている」とその感覚を説明する。
加えて、「山田も履正社で、この広岡も智弁学園の出身。やっぱり名門高出身者は野球力が高い。土台がしっかりできているので、教えていても吸収が早いんだ」ということも付け加えた。
かつて山田を指導した時には『7色のティー打撃』が話題になったが、広岡がここまで取り組んでいるのは“4種類”のもの。
「この練習を何のためにやっているのか、まだ分かっていない段階」としたものの、「練習はどう取り組むかという、“質”の部分が大きいということを教え込んでいきたい」とねらいを語る。
最後に「秋よりも全然良くなっている。身体も強いので鍛え甲斐があります」と笑った名伯楽。3月の開幕、そして秋になる頃には誰がヤクルトのショートのポジションを張っているのか。今から楽しみだ。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)