石川の今季の意気込みは?
31日に行われる開幕戦を目前に控えた30日、石川雅規(ヤクルト)が今季にかける意気込みを口にした。
石川は「昨年は『投手で負けた』と色々なところで言われたので、今年は『投手で勝った』と言われるようにピッチャー陣を引っ張っていきたいと思います」と、チーム投手陣最年長にふさわしい目標を話す。
2016年はチーム防御率が4.73と12球団で最下位だったヤクルト。本拠地が本塁打の出やすい神宮球場というハンデはあったものの、奪三振率が6.23で12球団中11位、与四球率が3.40で12球団中10位と、球場の大きさに関係がない部分でも課題を見せた。
こうした現状は、投手陣が一番よくわかっているはず。石川がキャプテンシーを発揮することで、少しでも課題が解消されれば順位も必然的に上がってくる。
ドラ2ルーキーの抜擢
もちろん投手力の改善には現有戦力の底上げだけでなく、新入団選手の活躍も不可欠になる。特に今年はドラフトで獲得した6人の選手のうち5人が投手。さらに外国人投手を3人獲得と、弱点を補強する編成が見られた。彼らにかかる期待は大きい。
このなかで開幕一軍を掴んだのはドラフト2位の星知弥、新外国人のギルメットとオーレンドルフの3人。もう一人の外国人、ブキャナンは外国人枠の関係で二軍スタートとなったが、他の外国人選手と交代で開幕ローテーションに入ってくる可能性はある。
星は150キロに迫るストレートを武器にするリリーフ候補で、オープン戦では7試合9回を投げて防御率1.00、奪三振10と結果を残した。
一方で与四球8と制球面に課題を抱えている。ここを改善できればチームに欠かせない戦力となるはずだ。
新外国人も負けてない
ギルメットもリリーフとして期待される投手。真上から投げ下ろすフォームが特徴で、フォークと小さく曲がるカットボールを投げる。オープン戦では8試合8回を投げて防御率1.13、奪三振8と好調で、ルーキと共にセットアッパーとして活躍できそう。
あえて不安要素を挙げるとすれば、オープン戦で1度ボークを取られていること。しかし、既に日本の投球ルールに適応できていれば問題はない。
ギルメットと同じく開幕一軍を掴んだオーレンドルフは先発候補。2016年はレッズでリリーフとして64試合に登板しており、実力は折り紙付き。大きく振りかぶって投げるモーションが特徴的だが、たまにクイックで投げたり、ゆっくり投げたりと変化をつけることもある。
変化球は大きく曲がるスライダーが目立つ。16年に65回2/3を投げて68三振を奪ったのは、この球種のおかげと言ってもいい。リリーフから先発に上手く転向できるか少し心配だが、かつては先発投手だったので、そこまで大きな問題ではないだろう。
先発ローテーションに加わる可能性があるブキャナンは、シンカーと小さく変化するカットボールでゴロを打たせて取るタイプ。三振を奪うよりも球数を少なくできるため、先発に向いていると言える。今後は昇格に備えて準備をしていきたい。
投手陣を引っ張りたいと語る石川と、これからが楽しみな新戦力組。彼らの頑張りがヤクルトを盛り立てていければ、弱点が軽減されて優勝が近づくはずだ。2015年の輝きをもう一度取り戻し、チャンピオンフラッグを飾りたい。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)