小林に吹いた風
「今年は凄く小林に風が吹きましたよね」。
こう話すのはニッポン放送ショウアップナイターで解説を務めている大矢明彦氏だ。
現役時代、強肩を武器にヤクルトの正捕手として活躍。引退後に横浜で監督を務め、日本歴代最多の通算3021試合に出場した谷繁元信氏を一人前の捕手に育てあげた大矢氏が、巨人の正捕手・小林誠司の成長に期待を寄せた。
「一人前になりなさいっていう風がWBCで吹いた。バッティングはどうでも良かったんですけど、色んな一流ピッチャーの球を受けることができた」と、WBCで正捕手を務め、日本を代表する投手陣の球を受けたことが大きなポイントになったと分析する。
そして大矢氏は、「1球1球の重みを知って、成長したら小林を認めます」とシーズン通して活躍したときに“捕手・小林”を支持する考えを示した。
一流選手が誰もが通る道
WBC大会前には“キャッチングの技術”や“打撃力”などを不安視する声も多かったが、大矢氏は「けちょんけちょんにけなされるのは、一流になる選手が誰もが通る道」と話す。
つづけて「リード、キャッチング、ワンバウンドが捕れないと言われていて、少しずつ良くなってきたなというところから一流の道が始まるんですよ。その道を開くかどうかですね」と、今季が小林の今後に大きな影響を与えるシーズンになると主張する。
「せっかくの風をどう活かすかが、今年の小林ですよね」。ここまで打率.111(18-2)とWBCでみせた打棒は鳴りを潜めているが、チームは5勝1敗と上々のスタートをきった。WBCで“ラッキーボーイ”と呼ばれた男がどのようなシーズンを過ごし、さらなる成長を見せるのか、小林の今後に注目だ。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)