最初の打てる捕手はノムさん
21日に放送されたニッポン放送ショウアップナイター巨人-阪神戦で解説を務めた野村克也氏が、捕手について語った。
この日の放送でリスナーから『WBCで活躍だった巨人の小林誠司選手。ペナントレースが始まってから打撃不振が続いています。いったいどうしちゃったのでしょうか?』という質問が届いた。
野村氏は「捕手にバッティングを期待してはいけない。昔、我々がプロに入ったときは8番バッター。8番が定位置」とプロ入りした約60年前は守備が優先されるポジションだったと話す。
「僕が変えちゃったんですよ。打てる捕手というのは、私が土台を作ったと思うんですよ」と野村氏が最初の“強打の捕手”だったと明かす。確かに野村氏は1965年に戦後初となる三冠王、9度の本塁打王、7度の打点王、日本通算成績でも、試合数(3017)、安打数(2901)、本塁打(657)、打点(1988)など歴代2位と歴代最強の“打てる捕手”だった。
つづけて野村氏は「その後に田淵が阪神で4番を打っていましたけど、打てるに越したことはない」と話した。
捕手が打てない原因とは…
野村氏、田淵幸一氏の後も、古田敦也氏、城島健司氏、阿部慎之助など打てる捕手が次々に登場した。しかし、近年は近藤健介(日本ハム)、森友哉(西武)といった打撃が魅力な捕手もいるが、捕手以外のポジションで出場するケースが増えている。
“捕手にバッティングを期待してはいけない”と話した野村氏だが近年、打てる捕手が減少した理由について「キャッチャーボックスに座るとキャッチャーをやっている。バッターボックスに入っているとバッターになっている」と分析する。
さらに、「バッターボックスでもキャッチャーをやれ。お前なら何を考えるのか。読んで打つのはキャッチャーが一番いいんですよ。全然読まない。来た球を打っている。天才的なバッティングばかりやっている」と続け、捕手目線を打撃にも生かすべきとの考えを示した。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)