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セ・リーグ

ヤクルト・近藤、思考の変化で復活

ヤクルトの近藤一樹

◆ 近藤は開幕11試合連続無失点

 ヤクルトの近藤一樹が開幕からの連続無失点試合を11に伸ばした。23日の広島戦、1点ビハインドの6回から登板。先頭の松山竜平を空振り三振に仕留めると、続く石原慶幸を二ゴロ。代打のペーニャ、1番の田中広輔に連続ヒットを打たれたが、2番の菊池涼介を空振り三振に斬って取った。この日は2本のヒットを浴びながらも、1回を無失点に抑える好リリーフをみせた。

◆ 崖っぷちからの覚醒

 開幕から安定した投球をみせる近藤が、ブレイクしたのはオリックス時代の2008年。オリックスが2位に躍進したこの年に、二桁10勝を記録した。それまでの通算成績は21登板で1勝1敗。プロ7年目で初めて結果らしい結果を残した。この頃は150キロに迫るストレートと、緩いチェンジアップで緩急をつけた投球を披露している。

 しかし翌年9勝12敗と負け越すと、翌々年も5勝10敗とさらに成績を落としてしまう。その後は右肘の手術などもあり、球速も下がった。2016年7月にヤクルトへトレードされる前の成績は5試合で2勝2敗、防御率8.24。”崖っぷち”と呼べる状態だった。

 それが今季は中継ぎとして大事な場面を任され、結果を残している。近藤は「基本的に投げるスタイルは変わっていない」と話す。

◆ 中継ぎ転向による思考の変化

 配置転換によって変わったのは考え方だ。「1球1球が勝負球。先発だったら配分を考えながら投げていましたが、中継ぎでは1人のバッターを全力でどうしたら抑えられるかを考えています」

 石井弘寿投手コーチは「持っている能力は高いが、以前は大事な場面で『えいやー』と(力任せに)投げてしまうことがあった。なので、(打者を打ち取る際の)最後のボールはしっかりとした意図、意識を持って投げ切ろう、と話をしました」と、以前は投球に詰めの甘さがあったと指摘する。

 だが、今はその大事な場面でしっかりと投げられている。石井コーチは「現状、彼の役割は、一番ゲームの大事なところ。同点や1点ビハインド、流れを断ち切りたい場面をしっかりと投げること」と話す。

 鵜久森淳志、大松尚逸とパ・リーグに在籍した選手の”再生工場”となっているヤクルト。今度は打者だけでなく、投手の近藤も復活した。ヤクルトのリリーフ陣に、欠かせない存在となった近藤の今後の活躍に期待だ。

(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)

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