同率2位の阪神、横浜DeNAに10ゲーム差の独走状態。勝負は最後までわからないといわれますが、地元広島では、もうリーグV2が既定路線のようです。気の早いファンは、日本一を思い描いている。戦力の充実は当然ですが、3年目を迎えた緒方監督が、どっしり構え、今や名将のたたずまいです。
最近、
「1年目はバカだったよ」
とぽつりとつぶやいたことがあります。なぜ、バカだったのか。それは創設以来、連綿と続くカープ独自の根性論を選手へ押し付けたからでした。実際、緒方監督も現役時代、それを柱にしています。監督就任、1年目のオフ。広島は4位に終わっています。オーナー報告の際、進退伺をしのばせていました。ところが、そうしたことを見越したかのように、松田オーナーは、激励の言葉を次から次へと口にしたそうです。
一喜一憂しないことも、広島の伝統でしょう。監督はよほどのことがない限り、5年を一区切りにする。2019年までは緒方体制が既定路線です。その後は、前田智徳、佐々岡真司、黒田博樹とOBの候補者がひしめいている。指揮官の人材に恵まれています。
ところで、今シーズンのここまでを振り返ってみて、思い出すのは、4月19日のDeNA戦です。珍しく1塁の判定を巡って緒方監督が猛抗議。人生初の暴言退場に驚いた関係者も多い。
「2度目だぞ。どこを見ている」
とミスジャッジを指摘して、それが抗議を超える暴言だと退場を宣告されています。確かに、退場はほめられたことではありません。しかし、選手やコーチからすれば、自分たちが言いたいことをすべて監督が引き受けてくれた。勝つためには、ワンプレーたりともおろそかにしないという姿勢をチームへ浸透させることも含まれていました。
マツダスタジアムの監督室は、就任2年目からいつも開かれています。何かあれば遠慮なくどうぞ、というサイン。1年目はいわゆる説教部屋でした。選手に何かを伝える際、現在はどうしているのでしょうか。説教といっても、周囲にはわからないよう、試合前の練習で立ち話程度です。
「今の時代、スマートフォンなどで、すぐにいろいろなことが伝わるから…」
もっと話をしたくなれば、1対1で食事をとりながらする、といった具合。栗山監督とは違うスタンスです。
また、さい配でも、かつては広島の機動力野球の源といった、ヒットエンドラン、送りバントなど、細かいことにこだわらないことも特長のひとつ。前年に続き、試合でのサインなどは担当コーチが積極的に行っています。一方、今季、監督がこだわっているのがターンオーバー制。サッカーのビッグクラブで導入されている、試合の重要度によって、主力へ休養を与え、長いシーズンを戦う方法です。ベテランの新井やエルドレッドを休みながら使って、若手にもチャンスを与える。相乗効果で、逆転劇などが多いのはこのためです。
はたして、今シーズンもこのまま広島の独走、優勝となるのでしょうか。
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最近、
「1年目はバカだったよ」
とぽつりとつぶやいたことがあります。なぜ、バカだったのか。それは創設以来、連綿と続くカープ独自の根性論を選手へ押し付けたからでした。実際、緒方監督も現役時代、それを柱にしています。監督就任、1年目のオフ。広島は4位に終わっています。オーナー報告の際、進退伺をしのばせていました。ところが、そうしたことを見越したかのように、松田オーナーは、激励の言葉を次から次へと口にしたそうです。
一喜一憂しないことも、広島の伝統でしょう。監督はよほどのことがない限り、5年を一区切りにする。2019年までは緒方体制が既定路線です。その後は、前田智徳、佐々岡真司、黒田博樹とOBの候補者がひしめいている。指揮官の人材に恵まれています。
ところで、今シーズンのここまでを振り返ってみて、思い出すのは、4月19日のDeNA戦です。珍しく1塁の判定を巡って緒方監督が猛抗議。人生初の暴言退場に驚いた関係者も多い。
「2度目だぞ。どこを見ている」
とミスジャッジを指摘して、それが抗議を超える暴言だと退場を宣告されています。確かに、退場はほめられたことではありません。しかし、選手やコーチからすれば、自分たちが言いたいことをすべて監督が引き受けてくれた。勝つためには、ワンプレーたりともおろそかにしないという姿勢をチームへ浸透させることも含まれていました。
マツダスタジアムの監督室は、就任2年目からいつも開かれています。何かあれば遠慮なくどうぞ、というサイン。1年目はいわゆる説教部屋でした。選手に何かを伝える際、現在はどうしているのでしょうか。説教といっても、周囲にはわからないよう、試合前の練習で立ち話程度です。
「今の時代、スマートフォンなどで、すぐにいろいろなことが伝わるから…」
もっと話をしたくなれば、1対1で食事をとりながらする、といった具合。栗山監督とは違うスタンスです。
また、さい配でも、かつては広島の機動力野球の源といった、ヒットエンドラン、送りバントなど、細かいことにこだわらないことも特長のひとつ。前年に続き、試合でのサインなどは担当コーチが積極的に行っています。一方、今季、監督がこだわっているのがターンオーバー制。サッカーのビッグクラブで導入されている、試合の重要度によって、主力へ休養を与え、長いシーズンを戦う方法です。ベテランの新井やエルドレッドを休みながら使って、若手にもチャンスを与える。相乗効果で、逆転劇などが多いのはこのためです。
はたして、今シーズンもこのまま広島の独走、優勝となるのでしょうか。
7月26日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」
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