第48回明治神宮野球大会
第4日 第1試合高校の部・準決勝
● 大阪桐蔭(大阪) 4 - 7 創成館(長崎) ○
明治神宮大会・高校の部もいよいよベスト4。“最強世代”の呼び声高い大阪桐蔭と初出場の創成館による戦いは、創成館が打ち合いを制して決勝進出を決めた。
大阪桐蔭は右の柿木(2年・中央中)、創成館は左の七俵(2年・城南中)という両先発ではじまったこのゲーム。2回裏、大阪桐蔭は4番・根尾(2年・古川中)の四球を足掛かりに二死二塁とすると、7番・青地(2年・喜志中)の左線に落とす適時打で先制に成功する。
しかし、創成館も直後に反撃。3回表、一死二塁のチャンスで1番・野口(2年・千々石中)が中前打。この打球を大阪桐蔭の中堅・藤原(2年・豊中第五中)が弾く間に二塁走者が生還。これで同点に追いつくと、さらに一死一・三塁から3番・峯(2年・筑紫野南中)の中前適時打、一死満塁からは5番・松浪(2年・上之島中)の遊ゴロを遊撃手・根尾が二塁へ悪送球する間に加点。その後、内野ゴロの間にも追加点を挙げるなど、この回一挙4点を挙げて4-1と試合をひっくり返した。
大阪桐蔭は3回裏、創成館の遊撃手・徳吉(2年・花畑中)の一塁悪送球と二塁手・藤(2年・熊西中)の後逸で一死一・三塁とすると、3番・中川(2年・長吉中)がライナーで運ぶ右前適時打。さらに二死一・二塁から5番・山田健太(2年・千代田中)の三遊間を破る左前打を放ち、たちまち1点差。互いにミスにつけこむ内容で接戦となる。
すると4回、両チームとも先発から2番手へとスイッチ。大阪桐蔭は左の横川(2年・大東中)、創成館は左のエース川原(2年・三川中)がマウンドに登る。
そんな中、打撃に勢いがあったのは創成館。5回表、3番・峯の左線二塁打から一死一・三塁とすると、5番・松浪の中前適時打でまず1点。なおも二死一・二塁から平松(2年・春日北中)も低めの球を逆方向へと打ち返し、これが右前適時打。5回を終えて6-3と創成館がリードを広げた。
大阪桐蔭は6回から3番手・根尾をマウンドへ。9番・川原を外角146キロの直球で空振り三振に斬ると、その後は四死球が絡んで二死満塁までピンチを拡げたが、最後も三振でこの回を無失点でしのぐ。
しかし、創成館の川原も8回途中まで90球、4回2/3を3安打無失点と好投。3番手には上手投げと横手投げを織りまぜる右の伊藤(2年・吉井中)を投入し、大阪桐蔭の強力打線に反撃のチャンスを与えない。
すると9回表、創成館は連打で無死一・三塁とすると、5番・松浪が右犠飛を打ち上げて7点目。根尾からついに1点をゲット。その裏、大阪桐蔭は一死二塁から3番・中川の右前適時打で1点を返し、根尾の安打などで二死満塁と一発サヨナラのチャンスを迎えたが、7番・青地はニゴロに倒れて試合終了。初出場の創成館が初の決勝進出を果たした。
一方、怪物揃う“最強世代”の大阪桐蔭は準決勝で敗退。公式戦の連勝は「12」でストップとなり、夏の甲子園に続いて決勝の舞台に立つことなく、姿を消した。
創成館・峯主将
「全国制覇まであと一歩のところまできているので嬉しい。前の試合も聖光学院(福島)という強豪で、今回も大阪桐蔭という全国制覇の経験がある高校だったので、絶対に勝ちたいと思って挑みました。速い球に負けないようにノーステップで臨んだ。前の試合まで打てていなかったので、この試合は絶対に打ってやると思って打席に入った。ここまで来たら全国制覇を成し遂げたいと思うので、しっかり創成館らしい試合をして、必ず全国制覇します」大阪桐蔭・根尾選手
「自分たちの力不足で負けてしまって、もっともっとやらないといけないことがたくさん見つかった。自分たちのミスを重ねてしまって、それをチームとしてカバーしきれなかった。チャンスで一本出なかったのも自分たちの弱さ。(個人的には)最後に安打が出たが、もっと打たないといけない。(投球では)悪くはなかったんですが、犠飛を打たれてはいけない場面で高めに投げてしまったり、甘いコースに入って痛打というシーンがあったので、そこは改善しないといけない。春の日本一を目標に、個人としてもチームとしてもレベルアップして春の大会に臨めるようにしたい」(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)