ブルペンを支えたマシソン
巨人は72勝68敗3分と勝ち越しながらも、11年ぶりにBクラスに沈んだ。救援陣を振り返ると、救援防御率はリーグ3位の3.42。
その中でも来日6年目のセットアッパー・マシソンは、昨季まで9年連続60試合登板を達成した山口鉄也、ソフトバンクからFAで加入した森福允彦が精彩を欠き、さらには昨季最多セーブのタイトルを獲得した沢村拓一が故障で離脱する中、巨人のブルペンを支えた。
不安定な時期もあったが、4月7日の阪神戦から6月1日の楽天戦にかけて18試合連続無失点を記録。今季は59試合に登板して4勝4敗、27ホールド、2セーブ、防御率2.24の成績を残した。
9月26日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-ヤクルト戦』で解説を務めた若松勉氏はマシソンについて「95点ぐらいあげたい」と採点し、「日本の野球も真っ直ぐ一辺倒では通用しないというのが分かってきたと思いますね」と進化について語った。
不安定な投球も29セーブを挙げたカミネロ
故障で離脱した沢村に代わり、開幕から守護神を務めたカミネロは、来日1年目となった今季、57試合に登板して3勝5敗29セーブ、防御率2.42を記録した。
数字だけ見るとまずまずの成績を残しているが、不安定な投球が目立った。8月10日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイタープレイボール』に出演した宮本和知氏は「160キロ近い高めのストレートもファウルじゃなくて、ダイヤモンドに飛ばされるんですよね。もともと(肘が)低いんですけど、そういった意味ではバッターからしてもそんなに怖さはないのかな」と不安要素を挙げていた。
7回の男を固定できず
8回・マシソン、9回・カミネロの“勝利の方程式”を確立したが、その前を投げる“7回の男”で苦しんだ。
森福、山口鉄、田原誠次らが“7回の男”として期待されたが、ポジションを奪う選手は現れず、マシソン、カミネロの負担が大きくなった。
6月20日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイタープレイボール』に出演した前田幸長氏も、「負けた試合でマシソンがイニング跨ぎでやられてしまったという試合もある。セットアッパーと抑えは1イニングずつ。イニング跨ぎは苦しくなる。7回の1イニングを投げる投手が絶対に必要なんですよ」と話すほどだった。
人材不足だった“7回の男”だったが、交流戦明けから元守護神・西村健太朗が任された。ビハインドゲームで登板することの多かった6月は11試合に登板して、防御率0.71と安定していたが、7月以降は34試合に登板して0勝2敗、防御率4.58だった。
9月5日の中日戦では、2点リードの7回からマウンドにあがるも、1イニングを投げて5安打5失点と悔しい投球内容となった。
シーズンを通して課題にした“7回の男”。Aクラスに入った広島、阪神、DeNAの3球団は“勝利の方程式”の投手が3人以上確立されていた。上位進出するためにも、勝ち試合のリリーフの固定は重要になってくる。
(ニッポン放送ショウアップナイター)