シンカーに挑戦も…
巨人のエース・菅野智之が、13日の広島戦で今季初勝利を挙げた。
昨季17勝5敗、防御率1.59と圧倒的な成績を残した菅野だが、今季は開幕から2試合連続で5失点を喫するなど“らしく”ない投球が続いていた。不振のひとつの原因に今季習得を目指した“シンカー”が挙げられる。
13日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-広島戦』で解説を務めた野村弘樹氏も「ピッチャーという生き物はシンカーを覚えて打ち取れたりすると、もっと落としたい、もっと曲げたいと思うのが心理なんですね。シンカーというのは少し腕を遅らせて開くと、よく曲がってよく落ちる球種。逆に反対のボールですよね、外のストレート、スライダーの制球力が悪くなっているような気がしますよね」と菅野が登板した2試合の印象を語っていた。
シンカーを封印!?
この日は初回に田中広輔に四球、続く菊池涼介に送られると、3番・丸佳浩に適時打を浴び、いきなり失点した。菅野の立ち上がりに野村氏は「丁寧に投げているのはいいんですけど、大胆さが全くないので窮屈に感じます。背負っているものが多いので、なんとかしなきゃというのが伝わるのですが、それが窮屈に見えますね」と解説した。
2回以降は立ち直り、スコアボードに0を並べていく。6回に無死一、三塁のピンチを招いたが、松山竜平、安部友裕、西川龍馬を三者連続三振で仕留めた。野村氏は「バットに当てさせない気迫を感じましたね」と昨季までの菅野に近い闘争心を感じたようだ。
“シンカー”を封印した菅野は、広島打線を8回6安打10奪三振1失点に抑え今季初勝利を手にした。
野村氏は「昨年菅野に物足りないものがあったかと言われると、そうではないんですね。菅野の向上心によって、シンカーを覚えようとした。マイナス要素が出たのであれば、切り捨てて問題ないと思うんですよね」。
「自分の姿を菅野本人がどう感じているかですよね。今後も封印するのか、ところどころ試しながら投げていくのか…。本来の形に戻った。彼は球種が豊富なピッチャーで、ストレートが力強い。現状ではシンカーは封印しておいていいのではと僕は思います」と同番組の中継中に自身の見解を述べた。
本来の出来に近い形を見せた菅野。次回の登板以降も、13日の広島戦のような投球スタイルを見せるのか注目だ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)