江本さんがカンカン!?
今週は日米の野球観について。
春先に(解説者の)江本孟紀さんが、アメリカのアリゾナへ行っていて、土産話を色々と聞きましたので、今回はそのお話をしていきたいと思います。
江本さんはアリゾナが好きで、夏はとんでもなく暑くて、こんなところによく住めるなと思うような、凄い灼熱の太陽が照りつけるような場所なんですが、そのアリゾナが凄く好きなんです。
キャンプでは、多くのチームがアリゾナへ集まってきて、アリゾナにいるとMLBの球団の半分以上のキャンプが見られるということで、江本さんは大体10日くらいいたそうです。
そこで存分にアメリカ野球を観て帰って来まして、まず第一声は「アメリカのバッターはみんなアッパースイングになっちゃって、一体どうなっているんだ。ドジャースはとくに酷い」とカンカン。彼はピッチャー出身なんですけど、打ち方が変わってしまったと言って、非常に怒っていました。
「とにかく遠くへ飛ばそう、強い打球を確実に低く打とうなんて感じがまったくない」
その後も、「ヒットを打つことより、アメリカのバッターは遠くへ打球を飛ばそうということが頭にあって必死になっている。だからどいつもこいつもみんなアッパースイング。落ちるボールが全盛のいま、一体あのストーンと落ちるボールを、彼らはどうやってすくい上げるのか。不確実なバッティングをしていていいのか」というようなことを言って、盛んに怒っていました。
理論と統計
アメリカはですね、理論ではなくて結果。理論ではなくて結果から、こういう打球を飛ばせばヒットになるということが流行っています。理論というのは、こういう形で、きちんと基本を守って振っていくと、こういう打球がいくというもの。
そうではなく、ピッチャーの頭上を、大体28度くらいの角度でボールが飛んで行って、速さが180キロくらいの打球。角度が28度、速さが180キロ、これが1番ヒットになっている、というのが統計によって出ている。
だからそういう打球を打てばヒットになる確率が高い。ということで、バッターはゴロを狙うとか、1・2塁間を狙うとか、反対方向へ打つとか、日本で言っているような地味な考え方ではなくて、ガンガン振り回しているのです。
それを見ると、非常に脆さというのが見えきて、それは江本さんが1番気になったところだと思うのです。結果から見てモノを言っていると。打撃論はまったく関係ないんだというところで、そんなことでいいのかと怒っていたんです。
確かに色んな雑誌などを見ていても、記録ばかり注目されています。ピッチャーのボールも、投球の回転数がだいぶ減ってきたから、ピッチャーをそろそろ交代させようとか、カーブとスライダーの角度がちょっと甘くなっているからピッチャー交代させようなど、全てを統計で判断しているように思います。
何が良いのか悪いのか!?
機械が測った数字。いわゆるデータ計測ですね、これによって決めていくというのがアメリカの最近の流行。日本では広島が積極的ではない印象ですが、巨人、楽天などは、いち早くそういう考えを取り入れてやっています。果たしてそういうのが良いか悪いか、どうなんでしょう。
アメリカがやるとすぐに日本がやるという流れがあるので、日本もすぐに取り入れていると思うのですが、今シーズンだけでは分からない大きなテーマだと思います。
今度、ドジャースの中継があったらご覧になってもらいたいんですが、どのバッターもバットを立てて、本当にアッパースイングです。それで角度が28度、速度が180キロ、というか相当速い打球を打とうと躍起になっているんです。
果たしてアメリカの、数字的に裏付けがあるけれど理論的には裏付けがない打ち方が、落ちるボールなどを打てるのか。同じような問題が日本の球団にも出てくるかもしれません。色んなテーマを持ちながら、今年もプロ野球が開幕しておりますけれど、日米など、色んな観点から野球を見ると面白いものですね。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
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