ニュース 2018.06.04. 11:30

長嶋茂雄「82歳」が抱く大志【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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スポーツ報道写真展 観覧する長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督 [提供:産経新聞]
 今週は久しぶりに、長嶋茂雄さんのお話をしていきたいと思います。

 月刊『文芸春秋』の鷲田康さんが書いた、長嶋さんの、闘病というかリハビリの記事がなかなか面白いんです。

 長嶋さんは2004年の3月4日、脳梗塞で倒れました。その後、意識は戻ったんですけど、ご存知のように右半身があまり思うようにいかないのと、言語障害が残ってしまいました。

 立て板に水のあの人が、今や言語障害でいるってことは、本当にストレスになるんじゃないかってくらい辛いことだと思いますけれど、そういったことにも大分慣れてはきました。

 あの3月4日のことを思い出して、この間も長嶋一茂さんが「あの親父が倒れた姿を見たら、とても治らないと。凄い光景だった。駄目だと思った」という風に、話しておりました。


リハビリからトレーニングへ


 では、そういった状態から、どうして今の長嶋さんのように戻ったのか。すでに言われている通り、非常に過酷なリハビリをやり遂げ回復した。これが大きいと思うんです。

 もうリハビリの段階は通り越していて、今やもう彼がやっている健康のための体操。体操なんていう言葉じゃないですね、健康のための色々なトレーニングになり、よくお医者さんが言うそうです。

 リハビリとしてはもう完璧に終わっていると。「これ以上こういうことをやると、身体の他の部分を壊すかもしれないから、いい加減にしてくれ」って言うんですが、ミスターにとっては82歳の身体に鞭打つという感じはないんですね。

「今はもう身体を鍛えるスポーツ感覚で俺はやっているから、リハビリなんて言わないでくれ」ということで、82歳の長嶋さん、さらに意気軒昂というとこなんです。

 毎週3回、火曜・木曜・土曜を、その非常に激しいリハビリの時間に当てていて、ベルトの上を歩く機械がありますね。あの上で歩行訓練。スピードを変えたり、上り坂にしたり下り坂にしたりして、歩く訓練をやる。それからさらにスピードを上げ、坂を上る訓練をする。それから両足でベルトを漕ぐ。そのベルトを漕ぐ時にとんでもないウエイトの負荷をかける。ということをやったり、あるいはベルトを肩にかけてウエイトを持ち上げるそうです。

 これはスポーツ選手が、オリンピック選手が行っているトレーニングと同じですが、ああいったことを、82歳でしかも脳梗塞という大きな病気を患った長嶋さんが平気でやっているという、とても我々常人には考えられない。


長嶋さんのスケジュール


 毎日の生活を見ますと、朝5時半に起きます。長嶋さんは起きてから3時間というのは、あまり身体が思うように働かないから過激な運動はしない方が良いという主義の人なんです。

 朝起きてから、2時間あるいは3時間は髭を剃ったり、それから新聞を読んだり顔を洗ったり、いろんなことをして時間を潰して、2時間あるいは3時間が過ぎたところから、動き出すんです。

 今のところ朝5時頃に起きてですね、7時頃公園に行って、公園を開ける前に歩かせてもらって、大体1時間くらい、毎朝自分の家の近くの公園を歩き回ります。その時はもう歩くスピードが、いわゆるリハビリで歩くスピードではなく、普通のスピードで1時間ほど公園の中でも色々と起伏があるとこを歩きまわる。

 それから家に帰って食事をして、その後リハビリに行ったり、あるいは自分の仕事……彼は色んな仕事を頼まれていて忙しいんですね。それをこなして大体1日が終わる。

 1週間のうち比較的暇なのは、リハビリが入っていない金曜日辺りだそうですけれど、あとはもうびっしり入っている。よくまぁ82歳の彼がこんなスケジュールをこなすもんだと。我々も同じ年ですが、とてもとてもあんなスケジュールをこなしたら死んじゃうかと思う。それを平気でやっているんですね。


目標の先に見据える大志


 長嶋さんの目標は、最初はしっかり歩くことが目標だと。しかし今は、しっかり走ること。かなりのスピードで走ることが目標なんだと。だからリハビリではなくて、もうそれを超えて走ることになる。歩けではない。だから、そこのところをよく分かって欲しいと。

 歩くくらいだったら、もうリハビリはとっくに終わっている。今の目標は「走るということ」。で、更に言葉を続けてですね、今の目標は「2年後の東京オリンピック」だって言うんです。

 そういえばですね、読売新聞に長嶋さんの結構長いインタビューが出ていたんです。その中で「今の目標は東京オリンピックだ」ということを言っているんですね。

 東京オリンピックで何をするのかと思ったら、「何か俺に出来ることはないかと思って、色々考えて準備をしている。出来ることがある」と。「オリンピックの時、俺は84歳になるけれど、大して肉体的には今と変わっていないと思う」と。

 で、読売新聞のインタビューでははっきりとは言っていないけれど、聖火ランナーをやりたいらしいんですね。聖火ランナーの最後のランナーをやって、オリンピックのあの赤々とした火を、新国立競技場で灯したいと。それが長嶋さんの、本当に今の夢らしいんです。凄いですね。


2020年7月24日、新国立競技場で


 そういえば1996年のアトランタの大会で、世界ヘビー級チャンピオンだったモハメド・アリが、パーキンソン病を患いながら、震える手で聖火台に火を灯し、全米の感動を誘いました。あぁいうことがあると思います。

 モハメド・アリに匹敵する日本人といったら、長嶋さんしかいない。長嶋さんが果たして、2020年の7月24日、新国立競技場の聖火台で堂々と火を灯すことが出来るかという、そんなこというと怒られますね。

 彼は、それを目標にやっているんですが、目標にやっていると言っても、俺はやりたいから、じゃあやってくれというものではないので、色々これから聖火ランナー、最後のランナーなんて非常に大事な人選ですから、どうするのかという意見が出てくると思います。長嶋さんも恐らく、有力な候補になるでしょう。

 是非、あの長嶋さんが聖火台に火を灯す姿を見たいと思うんですが、皆さんはいかがでしょうか?


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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