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MLBでホームランが増えた理由【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

史上最多のペース!?


 今週は再び大リーグの話題からお話していきたいと思います。大谷くんがいることで大リーグも結構面白いし、見るようになりましたね。

 その大リーグで、いま非常に話題になっているのが、ホームランのペース。史上最多の本塁打になりそうだということで、ホームランが続出しているそうです。

 実はステロイド時代、筋肉増強剤を使った2000年の時に「5693本」というホームランを記録したのですが、そのホームランを大幅に上回ったのが実は去年なんです。去年は「6105本」。随分打ったものですが、今のホームランのペースでいくと今年は、去年の数字を更新しそうだということがMLBから発表になりました。

 では、MLBは一体どうしてこんなにホームランがたくさん出るのだろう?ということについて新聞には「打球の空気抵抗が非常に少なくなっている」ということが出ていました。

 ボールを変えたり、新しいボールを使ったり、ボールの規格を変えたわけではない。だから、ボールの芯の部分が、より中心部に位置するようになったのが原因ではないかということなんですね。

 この理由が何とも本当にそうかな?と思うような理由なんですが、要するに他に理由がない。バットが変わったわけでもないし。それからボールを飛ぶようにしたわけでもない。この理由ははっきりしないけれど、ボールの芯の部分がより中心部に位置するような、つまり正しい形になって来たという意味ですかね。

 大リーグの公式球はコスタリカで作っているそうです。日本のように、すべての重さを量ったり、糸のギザギザの高さを測ったりとか正確ではないので、結構いい加減だと。だから、ボールの芯が中心から少し偏っているのもあるし、中心のど真ん中にあるのもあるということなので、芯の位置がより正確になったから、ボールが非常にスムーズに飛んでいって、空気抵抗が少なくてホームランになるのではないかというのが、MLBの説明なんです。


フライボール革命


 再三お話していると思いますが、トラックマンの導入によって、バッターの打ち方が変わってきています。打球を分析すると、打球のスピード、1番理想的なスピードというのは「時速180キロ」になると。角度は、今まで45度の角度で月に向かって打つとホームランになるというような言い方でしたが、そうではなく、20度から30度くらいの間の角度で飛んで行って、180キロの時速で飛ぶと、この打球が1番ヒットになると言うんです。これは全部、結果論で出したものなんですね。

 この条件の打球が1番飛ぶ、しかも1番ヒットになっているというので、今はそういう打ち方をしているMLBのバッターが非常に多い。ヤンキースのホームランバッターのジャッジも、そういった打ち方ですね。

 今までバッターというのは、右であれば、状況に応じてライトの方に流せて、それからレフトの方はあまりフライばっか打ち上げないで、ボールを転がせば何かが起きるから、転がすようにしろと教えられてきました。

 しかし今は、何でゴロなんか打つんだ。ゴロを打つんだったら、20度から30度で、180キロの打球を打てということで、大リーガーはホームランを打つために、要するに振り上げている。これはもう典型的なダウンスイングの反対です。この打ち方が良いかどうかというのはわからないですけど、ヤンキースのジャッジなんかを見ていると、ドジャースのバッターなんかもみんなそうですよね。これが流行のようになっています。


禁断のホームラン競争!?


 ちょっと話は変わりますが、アメリカのオールスターゲームの前日には、各チームのホームランバッターが集まるホームラン競争というお祭りがあります。

 今年は大谷君が出るかな?なんて言われていましたが、実はこのホームラン競争の辞退が相次いでいて、ホームラン競争に出る選手を揃えるのに腐心していると。ヤンキースのジャッジなんかもホームラン競争に出たくないと言って、早くも辞退の表明をしているといいます。

 なぜかと言うと、去年もホームラン競争に出たバッターが、その後のペナントレースでスランプに陥って、打撃不振に陥ってしまうから。そういった状況を見てきているので、今年は辞退する選手が非常に多いということです。

 私の勘ぐりで全然当たっていないかも知れませんけれど、つまりホームランを打とうとすると、やはりボールを高く遠くへ飛ばそうとする、アッパースイングになる。ダウンスイングじゃスタンドいかないですから。で、アッパースイングと落ちる、あるいは動く球との出会いはなかなか難しいと思うんです。果たしてこれが、もっともっとこれから解明されると思うんですけれど、どうなっていきますか。


日本とアメリカのバット


 それからもう1つ。大谷君はよくバットを折りますね。皆さんも見たことあるかと思いますが、あれだけ速いボールとか、あれだけ落ちるボールだと、芯を外すことも相当あるので、バットが折れるのは仕方ないと思うんです。

 実は、大谷君は日本で作ったバットを持って行って、今ストックを何本か持って行って使っています。つまり、日本製のアオダモの木のバットを使っているんです。ところがアメリカはもうメイプルとか、あるいはハーバーアッシュとかホワイトアッシュとか、いわゆるカナダとかアメリカで採れる木を使っておりまして、アメリカではアオダモでバットを作っている会社はほとんどないそうなんです。

 何が違うかと言うと、アオダモというのは、比較的弾力性があるんです。だから力のない日本の選手なんかは、パーンとバネのように飛ばすにはアオダモが良いんだそうですね。極端に言うと、打球が当たると少ししなるような感じになるのがアオダモです。

 一方のメイプルとかアッシュというのは非常に反発力が強い。やたら堅い木なので、反発力が強い。だから力があるアメリカのバッターは、こっちの方で飛ばした方が良く弾む。ですから、大谷君の素材でバットを作っているっていうのは、アメリカでは非常に少ないので、どうしているかちょっとそこまでは取材しておりませんけれど、日本で大谷君のバットをずっと手がけていた業者がですね、必死に作ってどんどんどんどん向こうへ送っているのではないか、と思います。

 いずれにしてもあの、最初の頃はバットがあまりにも折れるんで、彼も少し神経質になって、こんなんじゃバットがなくなっちゃうって言っていたそうですけれど。色々あれですね、悩みってのはあるものですねぇ。

 バットをシーズンの途中で変えるっていうのは、非常に難しいし、だからアッシュとかメイプルのバットを大谷君が使うっていうことはないと思うので、なんとかこちらから間に合うようにたくさん送ってあげてほしいですね。

 同じアオダモを、中日の平田という外野手も使っているんですが、その話を彼が聞いて「じゃあ俺のとこ回って来なくなっちゃうな(笑)」なんて心配しておりましたけれど。まぁ色々とそんな話も出てきますね。


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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