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阪神タイガース復活への道筋【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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阪神・中谷将大(C)KYODO NEWS IMAGES

ミスタータイガースが語った昨今のタイガース


 今週は阪神タイガースについてお話していきたいと思います。

 ジャイアンツファンもタイガースの今季の戦いぶりというのは、非常に気になるのではないでしょうか。阪神は本当に困ったもんですね。金本監督の下、一向にチーム力が上がってこないということ、毎年優勝争いを期待されながら絡めないということ。

 これはなぜか。先日、東京ドームでジャイアンツとのゲームを見ていた時に、阪神タイガースの大OBの田淵幸一さんがいたので、田淵さんと色々雑談をしながら試合を見ていたのですが、田淵さんは、『僕はね、今でも大阪に行くと、阪神の田淵と言われて人気があるんですよ。

 大阪に行くと阪神タイガースの田淵に戻ってしまうんですよね。東京へ来ると、西武の田淵みたいな顔していますけど。それだけに昨今の阪神タイガースの不振には堪らない気持ちでいっぱいなんです。何しろ2005年にリーグ優勝して以来優勝なし。ましてその日本一というのは、1985年の吉田監督以来1度もない。

 おまけに今年は開幕から低空飛行。ただ打てない、守れないだけではなく、もっとチームの危機感を感じなければ、僕はいけないと思うんです。根底からどうしたら良いのかということを考えるべきです』。

 田淵幸一さんは本当に真剣にタイガースの話をしてくれました。


タイガースの問題点


 まず第1に問題なのは、甲子園球場で弱い。タイガースが甲子園に弱いというのは、本当に考えられない。あれだけ盛り上がる本拠地はタイガースしかないのに、そこで勝てないというのは一体どういうものだろう。金本監督もそのことは随分気にしているようですが、なかなかそれが勝ち星に回ってこない。

 それからもう1つ、広島・巨人という当面のライバルに非常に弱い。対戦成績をご覧になればよく分かる通り、これでは優勝争いなんてとても出来ない。甲子園で勝てない。当面のライバルに勝てない。この2つは何か共通しているように思うのですが、なぜかをよく考えなければいけないと思います。

 この2つを考える時にまず問題になるのは、選手、首脳陣の精神面の弱さ。ON、山本浩二だって、大選手はみんな、舞台が大きくなればなるほど強かった。ここぞという時の力が半端ではなかった。そういうものが阪神タイガースのチームにも、あるいは選手個人にも誰にもない。

 これはどうしたら良いか。これは簡単に出来る問題ではないけれど、毎年こういうことを考えます。そういう意味では、福留、糸井にしてもガンガンチームを引っ張っていけるような、大物ではない。柱がいないのは非常に弱いと言いますね。


若手の育成が急務


 田淵さんの話ですが、ピンチにもチャンスにも開き直れる肝っ玉の太い奴を選手の中心にする。これもある意味チーム作りでは大事だと思います。これも昔から色んな指導者たちがやって来たことですね。

 入団に際しては常に物に動じない、心が良い意味で震えるような闘志がある。心理的に非常に強い誰かがいても良いと思うんだけれど、そういう話を聞いたことがない。そうでないと、あの甲子園のような雰囲気の中で冷静に相手を見て、自分の力を発揮出来るような選手はなかなか出て来ないと思います。

 僕は自分があそこでホームランを打ったからと言って、偉そうに言うわけではないけれど、あの舞台で結果を出すというのは容易なことではない。その辺やっぱりチーム作りに考えないといけないと思います。

 さらに田淵さんは昔のスカウトについても語っています。昔はどんな舞台で経験して来たかということをファクターとして採っていました。今はそういうことを考えるかどうか。目の前でホームランを打つ選手を、将来の4番として採ったけどなかなかそうはいかない。

 例えばジャイアンツの高橋由伸監督、高校時代は桐蔭高校の主力で甲子園にも出ている。大学時代は早慶戦で慶応の4番バッターで、文字通りこれ以上にない大舞台を経験している。だからちょっとしたことでは彼は物に動じない。それは選手時代の話ですから。

 さて、今の阪神でそういう選手がいるかというと、誰もいない。それなのに、例えば原口は打つ方では日本一だとか、大山悠輔は日本人の4番バッターとして将来を期待している。陽川尚将は、過去に二軍でホームラン王、打点を獲得しており打球が違う。高山俊は、明治大学、日大三高であれだけ華々しい舞台を経験し、プロ1年目の2016年に球団新人安打記録を作った。それが、夏場にはファームにいる。

 伊藤隼も、2011年のドラフト1位だけれど、決して活躍しているとは言えない。中谷将大は、チーム期待の和製大砲と言われているが、何が大砲なんだ。島田海吏は、中学時代に桐生に勝った男と言われるくらい宣伝が凄いんだけれど、塁にも出ない、というかゲームにも出てこない。

 その他にも在庫商品の中には素質の優れた選手がいっぱいいるんだけれど、素質が優れただけではチームは勝てない。こんなのは当たり前のことで、誰1人一人前に作ることが出来ない。これが阪神の大きな欠点だと思うんです。

 田淵さんが話していたのは、極めつけは6年目の藤浪晋太郎。高校時代、大谷とどうだと言われた男が、5年間で114試合45勝37敗、防御率が3.06。今シーズンなんかは殆どファームで、一軍に来るとストライクが入らない。色々言われているように、精神面の不安が、いわゆるイップスの後遺症が治らないということ。

 それだけではなくて、コーチが彼をもっともっと堂々とピッチング出来るような状態に置くことが出来ない。技術的なこととか、精神的なこととか、そういうことがいっぱいあると思うんです。本来藤浪は強い阪神のシンボルになっていて良い選手なんですが、なのに阪神はその藤浪を作れない。阪神の最も弱いところがそういうところではないかと思います。


低迷でも人気のタイガース


 ただ良いか悪いか、甲子園球場の観客動員は凄いんです。とにかくどのゲームだってほとんどチケットがないんです。金本監督の人気が凄過ぎて、スタンドはもう満員ばかり。営業的には何ら心配することはない。

 金本監督は1人で危機感をもっていますが、フロントはそれほどでもないんじゃないかと、私は思うんです。これは田淵さんの話。

 これだけチームが低迷すれば指導者の問題という話が当然テーマに上がるけど、それも観客が金本監督を目当てに来るので、監督を切れない。監督を変えることが出来ない。選手もなかなか変えられない。ということは、どうしたら良いんだ、ということを考えると、阪神の前途は決して明るいものではないと思うのです。

 とにかく田淵さんは言うのです。プロ野球でも、まぁ競馬でも東西で両方の馬が対抗するような時が競馬界は1番面白い。それと同じように、野球でも東西のチームが本当に王者、例えば巨人と阪神が強いチームが、強いシーズンが1番盛り上がるんだけれど、このままではなかなかどちらとも来そうにない。何とかしないといけないと思うと、田淵さん本当最後は喋り疲れてグッタリしているような感じでした。


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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