ニュース 2018.10.15. 11:30

広島を支えた“攻撃力”、そのスゴさを探る【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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広島・丸佳浩(C)KYODO NEWS IMAGES

巨人再建の道は…


 深澤弘です。今週は、広島カープについて振り返ってみたいと思います…が、その前に。巨人・高橋由伸監督が辞任しました。

 本当に残念ですね。彼も本当に悔しいと思うんですね。すべて彼のせいとは言わないんですけれど、しかし、ちょっと彼にとっては荷が重かったかな?と思うような3年間でしたね。

 特に今年はもう苦悩に満ちた顔をしておりまして、私たちから見ても「気の毒だなぁ」と。でも職業だし、でも嫌いなことではないんだから我慢出来るだろうけれど…という風に思わざるを得ない一年でした。

 ここからどのようにジャイアンツが立て直していくのか。オーナーたちの談話を読んでいると、監督だけではなく、GMも含めたすべてに問題があるということを言っておられました。まさにその通りだと思います。ひとつ本当に本腰を入れて再建して貰いたいと思います。


ホームで圧倒的な強さ


 さて、広島に話を戻しましょう。球団史上初のリーグ3連覇。それも開場10年目のマツダスタジアムでは初優勝ということで、本当に広島が沸きましたね。

 優勝が決まった夜の流川なんか凄かったそうですね。私の知り合いに広島でタクシー運転手をやっている人がいますが、丁度優勝が決まった夜に当番で出ていたら、ボートみたいになって車ボコボコにされたそうで、えらい迷惑だって怒ってましたけれど…(笑)


 これが通算9回目のリーグ優勝で、巨人以外のセ・リーグ3連覇は初めてのこと。今季は4月に2位にいたのが8日間あっただけで、以降はずっと首位を独占です。3位以下に落ちることなく、そのまま優勝したというのは球団史上初めてだそうです。

 今年はとにかくマツダスタジアムで強かったですね。ホームでは45勝25敗に2つの引き分け。20個も貯金をつくるっていうんですから、とんでもない数字です。

 「真っ赤に燃えたスタンドをバックに、360度の声援をバックに我々はバッティングが出来る」。これはシーズン中に丸佳浩選手が言った言葉です。あの大声援は選手にとって本当に心強かったでしょうね。

 そして、ホームゲームと同じくらい強かったのが第2位球団に対しての成績。これは優勝が決定した対戦時に2位につけていた球団、つまり首位攻防戦では24勝4敗1分と圧倒。勝率にして.857という驚異的な数字でした。追いかけてくる相手にチャンスを与えなかったのです。


OBが語った強さの秘密とは…?


 広島の強さといえば攻撃力。最終的に本塁打は175本を記録しましたが、そのうち試合を決めた殊勲の一発が優勝決定日の時点で67本もありました。加えて四球も599個とリーグで最も多く、チャンスを多く作ってここ一番の一発で大量点…。これが強さの源でした。

 また、一発だけでなく“速攻”も大きな魅力です。優勝を決めたヤクルト戦もそう。先頭の田中広輔が安打で出ると菊池涼介が送り、丸の適時打で1点。わずか10球のうちに先制点を叩き出しました。
 
 打線の中核を担ったのが、今年も丸と鈴木誠也の3・4番コンビです。2人とも3年連続で90打点以上を叩き出すなど申し分ない働きぶり。V9時のONに匹敵するのではないかというほどの安定感で、今年も打線を引っ張りました。


 そういえば先日、広島OBの小早川毅彦さんと話す機会がありました。「どうしてカープはこんなに強いんでしょう」と聞けば、「練習です」と。

 「練習なんていうのはさ、巨人もヤクルトもDeNAもみんなやっているよ?」と聞くと、「質が違います」と。

 小早川さんは続けます。「広島の場合は朝起きるとその瞬間から練習。気を抜くことなく練習。量も多いですし、質も違います」。球団OBがこれだけ太鼓判を押すんですから、きっとそういうことなんでしょう。文句のない結果もついてきています。


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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