49歳0か月で史上最年長勝利を記録した中日・山本昌投手が、ファンを元気づけたベストプレーをファン投票によって決める「ジョージア魂賞」の特別賞を受賞した。来季50歳を迎える“大ベテラン”がジョージア魂賞表彰式後、ベースボールキングの独占インタビューに応じてくれた。
―― 今シーズンを振り返って。
「新球の挑戦とかして、フォームを崩してしまった。故障はなかったんですけど、あれだけ調子を崩してしまったのは、ちょっと残念でした。最後に出て行って勝てて、とりあえず日本記録(※勝利を含む8つの最年長記録を更新)を更新させていただいて、球団の名前を球史に残せたことは本当に良かったと思います」
―― 新球というのは、春に挑戦していたカットボール?
「カットボールです。肘が下がってしまい、それを修正するのに3ヵ月くらいかかりました。絶対大丈夫だと思いましたが、なかなかうまくいきませんでした」
―― それでも、49歳で勝利投手になること自体がすごいことです
「もっとやれたはずと思いますし、もっともっと自分のボールが投げられていないという思いがあるので。(調子を崩す前の)春先のボールが投げられればなという思いで投げちゃってましたよね。来年は失敗しないように、今は一生懸命調整しています」
―― (表彰式で一緒だった)DeNAの三浦大輔投手も山本昌投手は別格だと話していました。
「そんなことないと思います。いつも会うたびに『頑張れよ』、『200勝だけは絶対にやってくれ!』と言っています。僕が今のところ200勝投手の最後なので、国内だけの記録でチャンスがあるのは、彼(三浦投手)か西口君(西武)くらいで当分出ないでしょうから、『俺を最後にするな!』と言っているんですよ。今年の三浦投手の防御率を見ても3.04でしたし、まだまだ勝てるピッチングができますので、後はどれだけ長く使ってもらえるかですから、しっかり調整して頑張ってもらいたいなと思います」
―― 来年を見据え、オフの期間はどのように過ごされますか?
「毎年、ほぼ休みなしで鳥取で練習しています。今年は事情があって、行けてなかったのですが、それでも3日前までビッシリ練習してきましたので、今は一番体調がいいですね」
―― 年齢とともにオフの体の動かし方は変わってくる?
「45歳くらいから、逆に休むと春先のケガが怖いですね。休まずに入った方がスムーズに入れる。5、6年前からオフもシーズンが終了して3日くらい休んだらナゴヤ球場で走ったり、キャッチボールしたり、定期的に続けるのは定番になっている。すぐに油ぎれするんですよ、投げてないと。例えば試合に投げた次の日に休んでしまうと、その次の日のキャッチボールができないくらい落ちちゃうので、常に動かし続けてないと、というのはあります。そういう面では、今は若い頃よりも野球を一生懸命やっているので、自分の中では引退した時に、最後の何年かが一番、一生懸命やったなと思えると思います。そのように思える野球人生は、幸せだと思いますね」
―― 先程の表彰式で、山田久志さんが「最近の野球選手は俺たちの時代とは違う」と話されていましたが、山本昌さん自身もそう感じるところはありますか?
「僕も古いスタイルの野球から新しい野球までの過渡期を過ごしてきましたけども、今の子の方が練習しますよ。今の子の方がしっかりしています。大谷君(日本ハム)と一緒にインタビューを受けましたけど、20歳であれだけの受け答えができるのは、僕らの頃からしたら考えられないです。今の子の方が情報とか入ってきますし、パソコン、携帯電話など色んなものから情報が見れるので、野球のレベル自体も上がっています。今の時代に僕が18歳でいたら、プロに入れないでしょうね。野球のレベルは僕らの頃よりも上がっていますね」
―― 具体的にレベルが上がった部分というのは。
「僕らの頃は“贅肉だらけ”の練習というか、『そんなのやっても…』と思うようなことも、『こういうのも練習だ』と言われて練習していました。最近の練習というのは、小中学生の頃から理にかなった練習、伸びる練習を色んな人が色んな情報を仕入れて、色々練ってそれが世に出ているので、凄く進歩していると思います。もちろん子供たちの体が大きくなってますしね。その中で野球のレベルが上がってるんじゃないかなと思います」
―― 野球界全体のレベルが上がっているということ?
「それは嬉しいことで、サッカーも当然そうでしょうし、他のスポーツもどんどんレベルが上がってるんじゃないかと思います」
―― 話は変わりますが、今年はともにチームを支えた谷繁選手が兼任監督になりました。お二人の関係で何か変わったことはありましたか?
「それまでは普通に話していましたが、監督になってから敬語で話すようになりました。谷繁監督も敬語で話してくれるので、なんだか面白い感じです。彼がやってきたこととか、野球に対する知識を考えると監督をするにふさわしい選手だと思います。本当に僕の方も(優勝の)チャンスは限られているので、できれば優勝して辞めたいと思っています。優勝するということは、谷繁監督を胴上げするということなので、何とかそれを達成してから引退したいと考えています」
―― ジョージア魂賞はファンが元気づけられたプレーの表彰でした。逆に、山本昌投手が今年、元気づけられたことはありますか?
「ファンの皆さんの声援であったり、僕が投げる試合たくさんの方が応援に来てくれて、当日券もたくさん買っていただき、そういう期待に応えたいというのがモチベーションになります。『先発・山本昌』と呼ばれた時の大歓声が自分の支えになっていますし、5イニング投げ終えたときの大歓声。普段はジーンとくる人間ではないですが、ファンの皆さんの声援が結構ジーンとくることが多いです。それを味わいたくて、選手をやっているというのは過言ではないので、本当にもっともっと期待に応えられるように頑張っていきたいと思います」
―― 今年から新たに始めたことはありますか?
「今年からダイエットを始めました。シーズン中は軽めにしとこう思って、ダイエットをちょっとしていました」
―― 体重をこれまで、あまりコントロールしていなかった?
「体重はコントロールしていましたけど、今年は減らしていました。後は淡々と同じ道を30年やってきた感じなので、特に新しいこともなく、ただ49歳という年齢が誰も挙げたことのない領域なので、それでも淡々と頑張っているという感じなので、特別という感じがないから、逆に平常心で出来るのかなと思います」
―― 来季1勝を挙げれば、メジャーのモイヤー投手が記録した49歳5ヵ月の記録を塗り替えます。
「それを目標ではなく、ローテーションに入ってチームが優勝する。1つ勝つことを目標にしていたら、2つ3つ勝てませんので、1つ勝ちたければ5勝を目標。10勝ちたければ15くらい目標にしないと、人間というのは目標を中々達成できない。1つを目標にしたくはないので、そこは通過して当然と今は言っておきたいです」
―― それでは、ファンの方々に向けて来季の抱負をお願いします。
「ファンの皆さんが喜んでいただけるようなピッチングをたくさんできるようにしたいと思います。また今年はファームにいる時間が長かったので、ちゃんと一軍で投げられるように頑張っていきたいと思います。ただ、体調をしっかり整えてしっかりと調整ができればまだまだ投げることができる。誰もまだやったことのない50歳の挑戦になりますけど、平々凡々とやっていきたいと思います」
最年長記録更新も納得のいかなかった今シーズン
―― 今シーズンを振り返って。
「新球の挑戦とかして、フォームを崩してしまった。故障はなかったんですけど、あれだけ調子を崩してしまったのは、ちょっと残念でした。最後に出て行って勝てて、とりあえず日本記録(※勝利を含む8つの最年長記録を更新)を更新させていただいて、球団の名前を球史に残せたことは本当に良かったと思います」
―― 新球というのは、春に挑戦していたカットボール?
「カットボールです。肘が下がってしまい、それを修正するのに3ヵ月くらいかかりました。絶対大丈夫だと思いましたが、なかなかうまくいきませんでした」
―― それでも、49歳で勝利投手になること自体がすごいことです
「もっとやれたはずと思いますし、もっともっと自分のボールが投げられていないという思いがあるので。(調子を崩す前の)春先のボールが投げられればなという思いで投げちゃってましたよね。来年は失敗しないように、今は一生懸命調整しています」
―― (表彰式で一緒だった)DeNAの三浦大輔投手も山本昌投手は別格だと話していました。
「そんなことないと思います。いつも会うたびに『頑張れよ』、『200勝だけは絶対にやってくれ!』と言っています。僕が今のところ200勝投手の最後なので、国内だけの記録でチャンスがあるのは、彼(三浦投手)か西口君(西武)くらいで当分出ないでしょうから、『俺を最後にするな!』と言っているんですよ。今年の三浦投手の防御率を見ても3.04でしたし、まだまだ勝てるピッチングができますので、後はどれだけ長く使ってもらえるかですから、しっかり調整して頑張ってもらいたいなと思います」
―― 来年を見据え、オフの期間はどのように過ごされますか?
「毎年、ほぼ休みなしで鳥取で練習しています。今年は事情があって、行けてなかったのですが、それでも3日前までビッシリ練習してきましたので、今は一番体調がいいですね」
―― 年齢とともにオフの体の動かし方は変わってくる?
「45歳くらいから、逆に休むと春先のケガが怖いですね。休まずに入った方がスムーズに入れる。5、6年前からオフもシーズンが終了して3日くらい休んだらナゴヤ球場で走ったり、キャッチボールしたり、定期的に続けるのは定番になっている。すぐに油ぎれするんですよ、投げてないと。例えば試合に投げた次の日に休んでしまうと、その次の日のキャッチボールができないくらい落ちちゃうので、常に動かし続けてないと、というのはあります。そういう面では、今は若い頃よりも野球を一生懸命やっているので、自分の中では引退した時に、最後の何年かが一番、一生懸命やったなと思えると思います。そのように思える野球人生は、幸せだと思いますね」
谷繁監督を胴上げして引退したい!
―― 先程の表彰式で、山田久志さんが「最近の野球選手は俺たちの時代とは違う」と話されていましたが、山本昌さん自身もそう感じるところはありますか?
「僕も古いスタイルの野球から新しい野球までの過渡期を過ごしてきましたけども、今の子の方が練習しますよ。今の子の方がしっかりしています。大谷君(日本ハム)と一緒にインタビューを受けましたけど、20歳であれだけの受け答えができるのは、僕らの頃からしたら考えられないです。今の子の方が情報とか入ってきますし、パソコン、携帯電話など色んなものから情報が見れるので、野球のレベル自体も上がっています。今の時代に僕が18歳でいたら、プロに入れないでしょうね。野球のレベルは僕らの頃よりも上がっていますね」
―― 具体的にレベルが上がった部分というのは。
「僕らの頃は“贅肉だらけ”の練習というか、『そんなのやっても…』と思うようなことも、『こういうのも練習だ』と言われて練習していました。最近の練習というのは、小中学生の頃から理にかなった練習、伸びる練習を色んな人が色んな情報を仕入れて、色々練ってそれが世に出ているので、凄く進歩していると思います。もちろん子供たちの体が大きくなってますしね。その中で野球のレベルが上がってるんじゃないかなと思います」
―― 野球界全体のレベルが上がっているということ?
「それは嬉しいことで、サッカーも当然そうでしょうし、他のスポーツもどんどんレベルが上がってるんじゃないかと思います」
―― 話は変わりますが、今年はともにチームを支えた谷繁選手が兼任監督になりました。お二人の関係で何か変わったことはありましたか?
「それまでは普通に話していましたが、監督になってから敬語で話すようになりました。谷繁監督も敬語で話してくれるので、なんだか面白い感じです。彼がやってきたこととか、野球に対する知識を考えると監督をするにふさわしい選手だと思います。本当に僕の方も(優勝の)チャンスは限られているので、できれば優勝して辞めたいと思っています。優勝するということは、谷繁監督を胴上げするということなので、何とかそれを達成してから引退したいと考えています」
目標はローテーションに入ってチームが優勝すること
―― ジョージア魂賞はファンが元気づけられたプレーの表彰でした。逆に、山本昌投手が今年、元気づけられたことはありますか?
「ファンの皆さんの声援であったり、僕が投げる試合たくさんの方が応援に来てくれて、当日券もたくさん買っていただき、そういう期待に応えたいというのがモチベーションになります。『先発・山本昌』と呼ばれた時の大歓声が自分の支えになっていますし、5イニング投げ終えたときの大歓声。普段はジーンとくる人間ではないですが、ファンの皆さんの声援が結構ジーンとくることが多いです。それを味わいたくて、選手をやっているというのは過言ではないので、本当にもっともっと期待に応えられるように頑張っていきたいと思います」
―― 今年から新たに始めたことはありますか?
「今年からダイエットを始めました。シーズン中は軽めにしとこう思って、ダイエットをちょっとしていました」
―― 体重をこれまで、あまりコントロールしていなかった?
「体重はコントロールしていましたけど、今年は減らしていました。後は淡々と同じ道を30年やってきた感じなので、特に新しいこともなく、ただ49歳という年齢が誰も挙げたことのない領域なので、それでも淡々と頑張っているという感じなので、特別という感じがないから、逆に平常心で出来るのかなと思います」
―― 来季1勝を挙げれば、メジャーのモイヤー投手が記録した49歳5ヵ月の記録を塗り替えます。
「それを目標ではなく、ローテーションに入ってチームが優勝する。1つ勝つことを目標にしていたら、2つ3つ勝てませんので、1つ勝ちたければ5勝を目標。10勝ちたければ15くらい目標にしないと、人間というのは目標を中々達成できない。1つを目標にしたくはないので、そこは通過して当然と今は言っておきたいです」
―― それでは、ファンの方々に向けて来季の抱負をお願いします。
「ファンの皆さんが喜んでいただけるようなピッチングをたくさんできるようにしたいと思います。また今年はファームにいる時間が長かったので、ちゃんと一軍で投げられるように頑張っていきたいと思います。ただ、体調をしっかり整えてしっかりと調整ができればまだまだ投げることができる。誰もまだやったことのない50歳の挑戦になりますけど、平々凡々とやっていきたいと思います」