先発の再整備は必須
「この3年間80勝を目標にしてやってきたが、今年はもっと高くしてそれ(優勝)を実現しなければならない。90勝を目標にしたいと思う」。
DeNAのラミレス監督は8日に行われた新人合同自主トレ後の囲み会見で、このように決意した。
2017年は2年連続でAクラス入りを果たし、クライマックスシリーズで阪神、広島を撃破し19年ぶりに日本シリーズに進出。20年ぶりのリーグ優勝へ機運が高まった昨季だが、67勝74敗2分の4位に終わり、クライマックスシリーズ進出を逃した。
投手陣では先発のローテーションの一角として期待された今永昇太、浜口遥大、ウィーランド、石田健大が故障や不振で本来の力を発揮できず、打線もリーグトップの181本塁打を記録したが、得点数はリーグワーストの572得点だった。
ラミレス監督が掲げた“90勝”を達成するためにも、重要になってくるのが先発陣の再整備がそのひとつだろう。日本シリーズに出場した17年は先発陣が充実していたが、昨季は規定投球回に到達した投手は新人の東克樹(154回)のみ。100イニング以上投げた投手も東のみと、先発の台所事情に苦しんだ。
“90勝”を目指すうえで、今永、浜口、石田の復調がカギを握るだろう。特に今永は1年目の16年が8勝、2年目が11勝と順調ステップアップしているように見えた。ソフトバンクとの日本シリーズでは、第2戦で10奪三振、第6戦でも11奪三振と、07年のダルビッシュ有(当時日本ハム)以来となる2試合連続で2桁奪三振をマーク。シーズン終了後に行われた『第1回 アジア プロ野球チャンピオンシップ』の日本代表に選出され、台湾戦で6回を無失点に抑える好投を披露。18年はDeNAのエースとして、17年以上の成績を残すのではないかと期待した。
現実は上手くはいかなかった。開幕前に左肩の違和感で離脱すると、開幕一軍には間に合わず、シーズン最初の登板は4月24日の広島戦までずれ込んだ。出遅れを取り戻したいところだったが、4勝11敗、防御率6.80と最後まで歯車が噛み合わなかった。
悔しいシーズンに終わったが、シーズン終了後に参加したオーストラリアのウインターリーグでは6試合に登板して、4勝0敗、防御率0.51と圧倒的な成績を残した。今季への巻き返しに期待が膨らむ。
若手投手陣が台頭
昨季、今永、浜口、石田らが不調だったことで、若い投手に多くのチャンスが与えられた。ルーキーの東は冒頭にも述べたように、チームで唯一ローテーションを守り抜き、チームトップの11勝、新人王に輝いた。
プロ2年目の昨季、京山将弥は3・4月に3勝を挙げるなど6勝をマーク、平良拳太郎も5勝を挙げた。今永、浜口、石田の不調が、必ずしもマイナスなことばかりではなかった。
今永、浜口、石田、東、京山、平良、ベテランの井納、さらにはルーキーの上茶谷大河などもおり、先発ローテーションを巡る競争は、以前に増してレベルの高い争いになっていきそうだ。ゲームを作れる投手が増えれば、ラミレス監督が掲げた“90勝”、さらには21年ぶりのリーグ優勝も見えてくる。
(ニッポン放送ショウアップナイター)