ニュース 2018.09.28. 17:50

【東京城南ボーイズ】「高校で選手が伸びること」に主眼を置いた指導(前編)

――これまでも大会で結果を残しながら、プロで活躍するような選手も輩出されていますが、どのようなことを心がけて指導されていらっしゃいますか?
「まず選手にも保護者の方にも言っているのは中学野球は通過点ということです。中学でいくら勝てても高校で活躍できなければ意味がないですし、選手も保護者もそれを望んでいますから。そういう意味でまず全員にチャンスを与えるようにしていますし、部員数も多くなってきているのでチームを二つに分けて交互に大会に出ています。実力的にどうしても差は出ますが、あくまでどちらも代表です。そうした方が選手たちも東京城南ボーイズの代表として堂々とプレーするようになります。また単純に実力順で二つに分けてはいません。現段階で多少力の劣る選手でも、力のある選手と一緒にプレーすることで上達することも往々にしてありますから」

 
――具体的なプレー、技術指導の点ではどのようなことを重視されていますか?
「一つ目は型にはめないことですね。小学校時代にも野球をやってきて、得意なこと、苦手なことはあるんですよね。うちはそれについて『欠点を残して利点を伸ばす』ということを方針としています。欠点、できないことばかり指摘するとどうなると思いますか? 多くの選手の場合は悩んでしまうんですよ。そしてスランプ、イップスに繋がる。逆にその選手の利点、得意なプレーにフォーカスすると楽しくなってどんどん自分から取り組むようになるんですね。
あとは結果論から話すようにしています。例えばバッティングの目的は遠くへ飛ばすことですから、フォームのことを細かく言わずに打球について話します。中学生の段階では完成されたフォームで遠くへ打球が飛ばないよりも、変な打ち方でも当たれば飛ぶ方がいいと思うんですね。だからうちはフライアウトはOKです。ちゃんとミートして前にフライが飛ぶような打球を打てということを言っています。だからランナーが三塁にいるときはスクイズはせずに、外野フライを打つ。そして外野が下がるような打球を打たなければいけません。外野が前に来て捕球した打球はタッチアップ禁止にしています」


――(取材時に行っていた)練習試合を見ていても確かに転がすようなスイングをしている選手はいないですね。一方で守備の面では何か方針はありますか?
「守備もバッティングと同じで結果論から話します。捕り方、投げ方の形よりもまずはアウトにすること。よく言うんですけど、ファインプレーの時ってよく基本と言って教えるような捕り方や投げ方をしていないじゃないですか。だから逆シングルでもランニングスローでもグラブトスでもアウトにできるやり方で良いと伝えています。あとはシートノックをやらずにフリーバッティングの打球を受けるようにしています。実際のバッターの打球の方が実戦に近いですからね」
 

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