ニュース 2019.03.25. 11:30

ルール変更の裏側と2019年の新ルール【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

 ルール変更の事情


 いよいよプロ野球が開幕。これから11月まで本当に楽しみな日々が続くことになります。今年もいい新人が入って、プロ野球が盛り上がりそうですね。

 今週は、大リーグの話題をちょっとお話ししたいと思います。大リーグもオープン戦からいよいよ開幕へと近付いて、アメリカは日本以上の盛り上がりを見せる事でしょう。その大リーグで、毎年問題になっているのが試合時間なんです。

 日本の場合は、だいたい18時からはじまって、21時半、22時くらいには終わります。アメリカの場合は、ゲーム開始が18時と発表されても18時ピッタリとは限らない。条件が揃わないと始まらない。雨が降るといくらでも待ってます。雨じゃなくても20時にプレイボールなんて、しょっちゅうあります。3時間ゲームでも23時、3時間を超えると日付が変わってしまうという事で、アメリカは日本以上に試合時間が問題になっています。

 私たちが若い頃の大リーグは、時間がかからなかった。ヒッティングベースボールでガンガン打ってきた。とにかくアウトになるのが早い。今は大リーグのピッチャーも昔のピッチャーほど思うようにコントロールが出来ない。バッターの技術も上がっているという事で、時間が長くなっていることが、本当に悩みの種なんです。

 そこで色んな事をコミッショナー事務局は工夫する訳です。まず投球の間隔を20秒に制限し、これを厳しく守るようにしよう。投球の間隔1球20秒。シーズンに入っていきなりやると、ピッチャーのそれぞれのペースがあるので、このオープン戦から色々テストをやりながら、上手くできたら来年から、この20秒ルールを厳守しよう。といった事を言っています。

 それから、アメリカンリーグとナショナルリーグは、日本のセ・リーグとパ・リーグのように、少しずつ実力差が開いてきてます。それは、DH制の有無に理由があると言われていますね。一頃は、来年からというか、今年から実施するというような話もあったんですけど、DH制に野球が変わるという事になると、色んな事が変わってきます。


伝統!? 時短!? 魅力!?


 アメリカは、MLBと選手会の力関係が五分五分、フィフティーフィフティーで対峙しています。1つのことを決めるのに。両方が完全な意見の一致を見ないとなかなか決まらない。

 従ってDH制にするかという大問題は、選手会がどう言うかで変わってくるので、1年や2年では結論が出ない。要するに、今年はナショナルリーグはDH制を使わずに今まで通り9番ピッチャーあるいは8番ピッチャーでいくそうですけれど、どうでしょうね。1年やってみて。来年あたり両リーグ共にDH制という話が出てくるかもしれません。

 そうすると、日本の野球界はアメリカを見ながら様子を見ながらやっているので、日本でもセントラルリーグが指名打者制を採用する。という事が起きるかもしれません。

 今まで巨人や阪神など、比較的伝統のある球団が「ピッチャーが打つのは野球のルールじゃないか。ルール通り野球をやろう」という事でDH制に反対していたわけですけれど、セ・リーグとパ・リーグの成績がこれだけ毎年違うと、セ・リーグもこだわっていられない。もしかしたら近いうちにセ・リーグもDH制になるかもしれませんね。

 そうすると、またヒットの数なんかも増えるわけで、時間がかかるわけです。野球を面白く、ヒッティングベースボールを堪能できるという点では、セ・リーグのDH制に賛成する人は多いかもしれませんね。


MLBの動向


 大リーグは「投高打低」です。去年、ヤンキースは200何本もの本塁打を打ったんですが、それでも「投高打低」だと言われている。そのため、この傾向をもう少し打者に有利な流れにしようと、具体的に考えられているのが、ピッチャーとキャッチャーの間の距離をちょっと伸ばすということ。

 18.44メートルから少し伸ばすという事と、もう1つはマウンドの高さがおよそ25センチなるんですが、それを15センチにする。つまり投げ下ろされている感覚がバッターからなくなるというわけですね。もちろんピッチャーは大変です。

 この問題も、本当は今シーズンに間に合わせたかったみたいですが、ゲームをしながら継続審議という事になりました。さらに、ピッチャーはマウンドに出てきたら1試合で最低3人に投げるというもの。

 ワンポイントでどんどんピッチャーを変えるチームがありますが、これは最低3人に投げる。これもテストするみたいですが、すぐにはルール化するのは難しいでしょう。

 投球間隔20秒、これはオープン戦で早速やったみたいですね。大リーグの場合は選手会が強いので、ちょっとした事を変えるのも両者がじっくり話し合い、お互いが分かったという合点がいかない限り色んな事が変わらないようになっています。

 1つの事を決めるのに非常に時間がかかるんですが、日本の野球界は先人である大リーグを、じっと待っている感じですね。


NPBのルール改正


 日本は今シーズンから、ベンチ入りの選手が今までよりも1人増えます。これはリリーフ投手が豊富なチームにとってはありがたいですよね。それからベンチ前での投手のキャッチボールが禁止になります。

 お客さんの目障りになるから辞めようという事ですが、あれに慣れているピッチャーたちは、どこでウォーミングアップをするのか気になります。

 そういった事が変わりますけれど、去年から始まったリクエストが、連盟によると大好評だったそうなんです。何故かというと、大きなビジョンでビデオ再生するという事は、スタンドにいるファンも参加できて、みんなで盛り上がれるからみたいです。

 ということで今年は、ベンチ入りの選手が1人増え、ベンチ前のウォーミングアップが禁止になります。セ・リーグのDH制というのも、そろそろ動きがあるかもしれません。


(ニッポン放送ショウアップナイター)
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