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野球の国際化を考える【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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侍ジャパン・稲葉篤紀監督(C)KYODO NEWS IMAGES

野球とオリンピック


 今週は、野球とオリンピックについて。過去最多の33競技339種目が行われる東京オリンピックが迫って参りますけれども、オリンピックの野球は今のところ東京大会限りでがなくなるという非常に寂しい事実があります。従ってここで、野球の面白さというのを全世界に知らしめる必要があると思うんです。

 IOCでは、野球をオリンピックから外す事に関して、野球をもっと近代的なスポーツにしなければオリンピックでやる事は難しいと。ルールも非常に複雑だし、球場を作ったり、設備も大変。ですから野球をやらない国でオリンピックをやった場合、野球をやるなら野球場をつくらないといけない。で、オリンピックの後はどうするんだと。いわゆる無駄な投資になるかもしれない。準備が非常に大変で、競技そのものも本当に難しい。

 サッカーはオフサイドとハンドくらいで、そんなに難しいルールはないけれど、野球の場合は、これだけ長いこと野球を見ていてもまだ時々ルール的にどうだったかな? と思うような事がありますからね。そういった事もあり、IOC的にはもっと近代的なスポーツにしてくれなければオリンピックでやる種目には採用できないと言っています。

 アテネオリンピックの時は、野球文化があるところではないけれど、あの時は野球をやったんですよね。で、野球をやっているグラウンドに地元のアテネの人たちが来る。それで、日本から行ったある新聞記者がアテネの人に聞いてみたんですね。野球は面白いかと。

 大方の意見をまとめると、野球は面白いと。見ていて面白いけれども、非常に難しいと。ルールなんてわからないと。ルールの問題は慣れれば分かると思うんだけれど、一番厄介なのは、このゲームが何時に終わるのかわからない事だと。

 これを言われるとどうしようもない。そこで国際野球連盟、これはアマチュアも統括した国際野球連盟では、今度のアマチュアの大会なんかでは7イニングまででいいんじゃないかという案も出てきました。これはそう簡単に決める問題ではなくて、もしこういったことがマイナスになっているのだったら、今後オリンピックで野球というのはしばらくないと思うので、その間じっくり野球について考えなければならないですね。


気になるメジャーの動き


 もうひとつは、大リーグがあまりオリンピックに乗り気ではない。「オリンピック? そんなのやらしておけばいいじゃない。俺たちは大リーグだ!」というのがあって、オリンピックのために野球をもっと近代化して簡素化したゲームにしようなんて事は、アメリカは思っていない。

 日本や韓国がいくら頑張っても、アメリカ大リーグがその気にならなければ野球が全世界的にというのはありえない。アメリカ大リーグがこれからどう考えていくのか。ロンドンでの公式戦がどれだけ話題になるのか、これもひとつの試金石になると思う。アメリカが野球を近代化するといっても、野球そのものはなかなか近代化できないと思うんです。

 大リーグというのは選手会が労働組合のように強くて何かひとつ変更するにも、選手会の了承がなければいけない。そこで、仕方がないので大リーグ参加のアトランティクリーグという独立リーグがあるのですが、そこでとりあえず今年は色んな事をテストする事になったんですね。

 まず1つはボールストライクの判定を機械でやってみる。それから後半戦のマウンドを61センチ後ろへ下げる。センターの方へ下げる。今は大リーグはとにかく投手の時代だと言っている。とにかくピッチャーがあれだけ多彩な変化球を投げてボールも150キロ以上が当たり前になり、どんどんバッター打ちにくくなるので、そこでマウンドを少しセンターの方へ下げてみると、ピッチャーはどのくらい苦労するだろうというのをやってみようと。

 それから時間が長い長いと言われるので、その時間短縮のために監督・コーチがマウンドへ行く回数を、これまでの6回から5回にしようと。非常に些細な事ですね。あとは、打った打球がその通り評価されるように、打者によって内野のシフトを変えることを規制しようと。

 その他にも、ピッチャーは最低1イニングは投げると。1人だけ投げて引っ込んじゃうようなワンポイントは時間がかかるから、出てきたら3人は投げると。3人投げる事によって、そのピッチャーが悪かったら余計時間がかかると思うんですけどね。いずれにしても、そういう風な事をやっても、根本的に野球を近代化する策になるかどうか。という事がこれは非常に問題ですね。


様々な改革の先に……


 大リーグも今年はどうでしょうね、来シーズンからピッチャーは打者3人に絶対投げると。またはイニング終了までピッチャーは投げると。それから選手は25人から26人にして9月1日以降40人いていいというのを28人に制限する。来シーズンから監督・コーチのマウンドへいける上限を6回から5回に。それから投手交代2分間で行う。トレードは7月31日まで。それ以後のトレードは認めない。

 そしてオールスターゲームのホームラン競争をもっと派手にして、優勝賞金を100万ドル、約1億1000万円にする。これはショウアップですよね。

 野手の登板に関しても、延長戦、または6点差以上のゲームだけで、それ以外は許さない。という事を、これは来年以降色々計画中だそうですが、いずれにしても、いま私が申し上げたようなプランを全てやったとしても、野球の根本的な改革、近代化にはならない。非常に難しいですよね。

 色んな外部の意見に刺激されたり、あるいは自分たちで考えたりして大リーグは変わろうとしていますけれども、根本的に大リーグがオリンピックに関心を持たなければ、なかなか野球の国際化というのは難しいかと思います。


(ニッポン放送ショウアップナイター)
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