ニュース 2019.06.13. 17:30

【石岡一】川井監督「どう言えば子どものモチベーションが上がるかを考える」



――川井監督は高校野球の指導者としてわりと珍しい国語教科担当の先生です。言葉を大事にし、選手とコミュニケーションを図っていると聞いていますが。

個人個人の性格によってアプローチの仕方は変えていますね。例えばプライドが高い選手に、大勢の前で厳しい声をかけてしまうとプライドを傷つけてしまい却って逆効果になってしまうケースがあります。そういう選手には2人きりで会話し、おだてて気持ちを乗らせると良い効果が表れます。厳しいことを言われてモチベーションが上がる選手にははっぱをかけるような口調にしたり、核心に迫らないと変えられない選手には僕が思ったことを素直に口に出すこともあります。

――個々によって性格が違うからこそ、声のかけ方も千差万別ということですね。

「なんできないんだ!」と「お前ならもうちょっとできると思ったのに、う~ん……おかしいな」では大きく違うでしょう? 16~18歳の子どもが大人にどう言われたらモチベーションが上がるか考えるのが重要です。

――子どもは大人が思っている以上にナイーブな部分があり、声のかけ方一つにしてもしっかり意図をもってかけないといけないんですね。

指導者が育てる過程で「なんで思うように成長してくれないんだよ」というストレスをぶつけているケースも多いかと思います。目的が「ボールを捕る」であれば「なんで捕れないんだよ」ではなく「こういうボールを捕ってくれるとピッチャーは助かるんだよな」や「こんな難しいボール捕ったらお前どんだけカッコいいか知らないだろ」と声をかけると練習に対するモチベーションが変わる場合もあります。指導者の思いを、どう選手に伝えるかが肝心。「伝えた」と「伝わった」は大きく違います。選手をつぶさに観察し、個々に合ったコミュニケーションをこれからも取っていきたいと思います。

石岡市に生まれ、石岡市の高校を創部初の甲子園に導いた川井監督。お忙しい中貴重なご意見ありがとうございました!(取材・写真:細川良介)

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