ニュース 2019.10.07. 11:30

春先に感じたカープへの“違和感”は“予兆”だった!?

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広島・緒方監督=マツダ(C)Kyodo News

開幕早々の違和感


 今週は、広島東洋カープについて、ちょっと話したいと思います。広島の下馬評は悪くはなかったんです。連覇がまだ続くのではないかと。

 むしろ去年なんかより、若手が少しづつ力を付けているので、さらに打線が厚くなっているのではないか。丸選手がいなくなったものの、打線は3連覇の時と見劣りはしない。むしろ若手の成長分がブラスになる。というような期待があったと思いますし、投手陣にしても、ジョンソン、大瀬良、九里、野村、リリーフの今村、中崎、こういった役目を果たす投手が、それぞれポストにいる。

 外国人の力も、バティスタを中心に、フランスア、メヒアなど、プラスアルファのある選手がいる。補強をしなくても十分ではないかと。そして、ドラフトでは小園を獲り、FAの人的補償で長野も獲った。これだけの選手層で、広島の連覇はまだまだ続くだろうと言われていましたが、結果はご存じのとおり。

 まずスタートが悪かった。4月の早い時期で、広島発の色々な情報の中に、松田オーナーが「ちょっとチームはスタートが悪かったけれど、緒方監督を変えるという事はないよ」という話があった。少し躓いたとはいえ、まだまだ監督をうんぬんするような時期ではない頃に、そんな話題が出てきたんです。

 こんな話は普通、出る訳がない。緒方監督は、長期政権で良い結果を出していますし、今年のスタートの悪さくらいで、その評価が変わるとは我々も思っていませんでした。だから、逆に松田オーナーのこの発言に、我々は《違和感》を感じたんです。


うわさが噂を呼ぶ


 その時に、色々想像をしました。我々も巨人-広島戦を、何十年も中継をして、出張もしてきて、そのたびに広島の皆さんと、野球の話や、その他世間の話をするのですが、だいたい広島という土地は、OBがそのまま広島に住んでいるわけです。そのOB、古いOBも新しいOBも結構うるさい人が多い。《俺が、俺が・・・》というOBが多いんです。

 ですから、ちょっと負けると、そういった声が、すぐに街に出ていってしまう。そしてそういう街の声が、オーナーの耳にも入る。そうすると、オーナーはそんなこと考えていなくても、その街の声を打ち消すために、「そんなことはないよ」という談話を出して打ち消すんです。という事で、春先からなんとなく広島に嫌な感じ、違和感を感じたのは、そういう所に理由がありました。

 例えば、オーナーが、そんな話を耳にしても、知らんぷりをしていればよかったんです。オーナーが、そんな事をを口にすれば、「あれ?そんな事になってるの?」という目で、みんな見るようになる。だからその頃から、「広島おかしいな?」というのがあったのは事実ですが、チームの調子が悪いだけなんだろうと思っていたわけです。ところがシーズンが過ぎても、広島が上手く上昇気流に乗らない。

 そのうちに、緒方監督が、野間選手をぶん殴ったというニュースが入ってくる。でも、野間選手をぶん殴って、暴力沙汰になった割には、球団の緒方監督への処分が甘かった。結局、これもマイナス材料ですよね。


悩ましい事態


 さらに、バティスタ選手の薬物問題も発覚した。これは、わかっていて使った薬ではないにしても、大きなペナルティがある。こういう事が出てくると、私たちも、チーム全体として「おかしいな」と見るようになります。

 そうすると、選手・監督・コーチたちも、「マイナス要因となる嫌な材料があるな」と思い出して、これまでのように《ただ勝利を目指してやってきたチーム》とは、ぜんぜん違ったムードになってくるんです。

 これは非常に怖い事になる。こういう事でダメになった球団というのが、沢山あるんです。本当の所はどうだったのか、と見ると、まず丸選手の退団による打線の穴。これは大きかった。巨人における丸の存在が、あれだけデカイという事は、あの存在分がないと考えると大変なこと。丸の退団による穴は、誰もカバーする事ができなかった。丸は打つだけではなく、居るだけで、みんなが頼りにするし、丸が打てば喜ぶし、勢いに乗る。これは巨人で証明されている。

 それから、丸選手がいなくなっても、安部選手・西川選手・野間選手・松山選手がいるし、彼らがいれば絶対大丈夫だと、緒方監督は思っていたと思いますが、まあ、誰が伸びても、丸選手を超す選手は出てきませんでしたね。


課題の投手事情


 それから、もう1つは投手。頼りになったのはジョンソンだけ。彼が頑張って、期待通りの投球をしてくれたので、彼については問題はないのですが、大瀬良投手が、尻つぼみで砕けてしまって、九里投手も先発完投というタイプではない、野村投手も崩れてしまった。本当にジョンソン投手だけですね。広島の投手には、ジョンソン投手を見習ってもらいたい。

 ジョンソンの球威はそこまででもない。148キロが精いっぱい。でも絶妙なコントロールと、次に何を投げたら、このバッターが困るか、という計算ができる投手なので、彼のインローへの速球は、普通のボールなのですが、あれだけのコンビネーションの中で投げられると、巨人の打者は手も足も出ない。

 ジョンソンみたいな投手が、あとひとり、ふたりいれば、問題はなかったと思う。それと、岡田投手、薮田投手、あとは若い投手ですね。去年、彼らを見ていて、これだけのボールを投げて、これだけ勝利に貢献して、来年はもっと大丈夫だよ。という、ざっくりとした計算だけで、しっかりとテコ入れをしなかったのかもしれない。

リリーフの中崎投手、今村投手。今村投手なんて、ストッパーに使いたいくらい良い投手だと思いますが、彼も使われる場所がはっきりせずに、活躍できなかった。この投手陣の立て直しというのは、広島にとって、早急な課題だと思います。

 調子さえ戻ってくれば、来年も十分、優勝できる力はあると思います。こんな事、我々が感じているんですから、当然、チーム全員わかっていると思います。どういう風に立て直してくるのか、今年は非常に悔しいでしょうから、何をやるか、見ものだと思いますね。
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