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投手に関するトレンド~規定投球回から球数制限まで【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

無断転載禁止
オリックス・山本由伸 =共同

パ・リーグの規定到達投手が…


 今週は、今年の投手の記録についてお話したいと思います。

 投手の投球回数というのは、昨今、アメリカでも日本でも話題になり、問題にもなっています。特に、投球回数というのは、試合の数、日本の場合143試合ですが、143回というのが、規定投球回数になっていて、この投球回数に達しないと、先発完投投手は記録に入らない。投手成績のベスト10の中に入らないという。そんなキツイ数字じゃないんですけど、最近、この規定投球数が遠いものになってしまいました。

 例えば今年、パ・リーグで規定投球数に達したのは、わずか6人だけ。オリックスの山本投手が143回で8勝6敗。日本ハムの有原投手が164回1/3で15勝8敗。ソフトバンクの千賀投手が180回1/3で13勝8敗。ソフトバンクの高橋礼投手が143回で12勝6敗。オリックスの山岡投手が170回で13勝4敗。楽天の美馬投手が143回2/3で8勝5敗でした。

 特にオリックスの山本投手は、シーズン最終戦となったソフトバンク戦で、松田選手から三振を奪って、これでちょうど143回に到達。これがあったから、防御率のランキングで第1位となり、「1.95」という防御率でタイトルを獲得しました。


昔のエース像と現状


 上を言い始めるとキリがないんですけど、かつて国鉄にいた金田正一さんは、何十年も投球回数が200回を超えていた。大体、昔のエースと言われる投手は、みんな投球回数が200回を簡単に超えていました。いま200回なんて言うと、とてもとても。辞めろ!って、ドクターストップが出るくらいの数字です。

 今の投手の分業制というのが、良いか悪いかという事になってしまいますけれど、なかなか本物の投手が育ってこない、出てこない。それで良いのだろうかと言うと、古い人に言わせれば、それじゃダメだっていう事に決まっていますけれど。今の野球の流行が、アメリカもそうですし、そうなっています。今は、タイトルを争うどころか、規定投球数に達するかどうか、という状態ですね。

 特にパリーグの方は、完投が19試合。で、セ・リーグの方は、規定投球数に到達した投手が9人と、むしろセ・リーグの方が多かった、セ・リーグの方は指名打者制がありませんから、投手がすぐ変わるというのは、パ・リーグより頻度はあると思うのですが、逆に指名打者制で変える心配がないパ・リーグの投手が、なかなか規定投球数にいかないで、指名打者制がないセ・リーグの投手が、9人も入っている。

 やっぱり投手が、先発・中継ぎ・抑えの分業制になったこと。肘の問題で、できるだけひとりの投手に100球以上投げさせないこと、というのが、ルールではないけれど、そういうことをみんなが考えている。そこに引っかからないという事になると、こういう結果になってくる。

 とはいえ、いい投手になると、例えばソフトバンクの千賀投手は、180回1/3で、奪三振率は「11.35」という数字。巨人の山口投手も、奪三振率で「9.95」という数字を出している。ですから力がない訳ではない。私は、投球回数が143回に達した投手が少ないことに寂しさを感じますけど、これはしょうがない。投手というものに対する考え方ですから。どうしてもケガが問題という事で、投手の記録は、どんどん短くなっていくような気がします。


高校野球では球数の問題が…


 新潟の高野連から出た《投手の投球数を制限したらどうか》という話。議題として討議したようですが、ここで出てきたのが、先発投手を100球以内で収めて、2人目に必ず替えると。ですから投手1人で、高校野球を戦うというのはないようにしようというのが出ています。

 この間、それが新聞に大きく出ていて、巨人・堀内元監督がこう言っていました。「もし高野連が、投手は100球か80球以内という様なルールを作ったとしたら、もう高校野球で、公立高校が活躍する場面はなくなってしまう。公立高校は、たまに好投手がチームに2人いる事があるけれど、大体の高校は、私立高校のように選手が集まらない。だから、公立高校に2人の好投手がいるという事は、夢のような話だ。高校野球というのは、たまに公立高校に強いチームが出てくる、これも見どころの一つなので、そこまで潰すのはどうだろうか」と。これは、来年あたりも問題になるのではないでしょうか。


貴重な外国人投手の存在


 今日は投手の話をしましたけれど、優勝するチームというのは、10勝以上して、あまり負けない外国人投手がいる所なんです。1964年・南海は、スタンカ投手が11連勝。阪神はバッキー投手が9連勝。1988年・西武は郭泰源投手が10連勝、1991年には、西武の郭泰源投手が9連勝。94年にも、郭泰源投手が9連勝、全部、優勝をしています。

 2002年・近鉄のパウェル投手が9連勝して近鉄が優勝しています。巨人のゴンザレス投手もがんばって2009年優勝をしています。そして2015年・ソフトバンクのバンデンハーク投手が9連勝。すべて、こういった外国人投手が優勝に絡んでいます。今年も西武のニール投手が12勝1敗で、優勝に貢献しています。

 広島のジョンソン投手は今年、11勝8敗でした。こんなに考えながら、気を使いながら投げている投手は、そうそういないと思うんですが、今年は11勝しながら負けが多かった。負けない事が、大きな条件なんですが。

 そういった意味で、外国人投手に頼るというのはしょうがないのですが、一つまた、日本人のストーブリーグとは別に、外国人のストーブリーグも、今年楽しみです。


(ニッポン放送ショウアップナイター)
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