ニュース 2019.12.03. 17:00

高校球児がコンシェルジュ!? 野球の底辺拡大のためのイベント「北信野球の日」

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長野県屈指の素晴らしい野球場、長野オリンピックスタジアム(長野市)を会場に、今年も12月1日、子ども向けの野球体験イベントが開かれた。野球の底辺拡大を狙って始まり、今回で3回目。中身も進化させ、野球チームに所属していない子どもたちが、野球の楽しさに存分に触れられる機会になっている。




「北信野球の日」と銘打ったイベントでは、長野オリンピックスタジアム(以下オリスタ)のフィールドを開放してトラックアウトやホームラン競争(ティーバッティング)、ティーボールミニゲーム、スピードガン測定などさまざまな体験型の野球遊びのブースが設けられている。
北信とは長野県を4つに分けた北のエリア。県庁所在地の長野市も含まれる。長野県内の小中高校の野球人口はここ10年で3割ほど減少しているが、北信地区も同様の状況に置かれている。これに危機感を持った同地区の中学、高校の20~30代の若手指導者が中心となり、「野球をやったことのない子どもたちが野球に触れる機会になれば」と、2017年にイベントを立ち上げた。



発起人の一人で第1回の実行委員長を務めた大槻寛・長野西高校監督は「野球を始めるきっかけをつくりたかった。野球界の中でもこれまで互いに接点の少なかった年代も含め、地域が一体となって取り組むことにも意味があった」と振り返る。

特に中学、高校の野球部員たちが「コンシェルジュ」と呼ばれる案内役となって小学生や小さな子をもてなす趣向が、来場者たちに好評を博した。1、2回目とも親子連れなど3000人前後の来場者があり、県外からの視察もあるほど注目を集める一大イベントとなった。

主催の県青少年野球協議会北信地区協議会の地区長で、昨年から実行委員長を務める斎藤貴弘・篠ノ井西中教諭は「当初は野球人口を増やしたい思いで始めた」と振り返るが、「やっていくうちに純粋に子どもたちの笑顔をつくれることが幸せだと思うようになってきた」と話す。「野球経験のない子と接することでこちらもどうしたらいいか考える。また野球界の中でも世代間の交流が広がり、勉強する部分が多い」とイベント開催の意義を感じる。



過去2回は小学生選手と未経験の子がアトラクションに参加し、中高生が運営に回った。ただ、それだとアトラクションが混み合い、未経験の子の順番がなかなか回ってこなかったり、安全面からの配慮もあったりしたため、今回はオリスタでのアトラクションの対象を未経験者にしぼった。

その分、小学5、6年の選手は周辺の中学校6校に集まり、中学生の運営の下、混成チームで交流試合を行った。小学3、4年の選手は、別の2会場でBCリーグ・信濃グランセローズと社会人・信越硬式野球クラブの選手による野球教室に参加した。

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