ニュース 2020.05.13. 11:44

竜の守護神が打ち立てた、前人未踏の大記録「407」【フォーカス・レコードホルダー】

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通算1000試合登板を達成した中日・岩瀬仁紀 (C) Kyodo News

フォーカス・レコードホルダー ~セーブ(通算)~


 「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう……ということで始まったのがこの企画。

 その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろう、というのがテーマ。今回取り上げるのは「通算セーブ数」。早速だが、NPBの歴代トップ10を見てみよう。


▼ 歴代最高記録・セーブ(通算)
1位 407セーブ 岩瀬仁紀 [1999~2018]
2位 286セーブ 高津臣吾 [1991~2007]
3位 252セーブ 佐々木主浩 [1990~2005]
4位 241セーブ 藤川球児 [2000~]
5位 234セーブ デニス・サファテ [2011~]
6位 228セーブ 小林雅英 [1999~2011]
7位 193セーブ 江夏 豊 [1967~1984]
8位 182セーブ 馬原孝浩 [2004~2015]
9位 177セーブ マーク・クルーン [2005~2010]
10位 167セーブ 武田 久 [2003~2017]


前人未踏の「400」超え


 抑え投手が試合を締めくくった時に記録されるのが「セーブ」。歴代記録のランキングも投手の分業が進んだ近年の投手に偏っている。

 選手について見ていく前に、ここでセーブの条件について改めておさらいをしておきたい。セーブが記録されるには、満たしておかなければならない項目がいくつかあることをご存じだろうか。

① 勝利投手の権利を持っていない(優先順は勝利>セーブ)
② 勝利チームの最後の投手として登板
③ アウトをひとつ以上記録する
④ 同点や逆転を許すことなく、リードを守り切って試合を終了させる

 これらすべての条件を満たした状態で、「登板時のリードが3点以内の状況で1イニング投げる」「(3点以上のリードでも)登板時の状況から迎える2打者に本塁打を打たれたら同点または逆転される状況で投げる」「3イニング以上を投げる」のいずれかを達成した時に、セーブが記録される。


 この記録の日本記録保持者が、中日で長らくストッパーとして活躍した岩瀬仁紀。その数「407」は、2位に121個の差をつけて断トツだ。

 愛知の西尾東高から愛知大、社会人のNTT東海を経て、1998年のドラフト2位で中日に入団した左腕。1年目からリリーフとして65試合に登板して10勝(2敗)を挙げる大活躍。ブルペンに欠かせない存在感を発揮すると、なんとそこから2013年まで15年連続で50試合以上に登板。投げても投げても壊れない鉄腕ぶりでチームを支えた。

 転機となったのが2004年、この年から抑えを任されるようになると、翌2005年には当時の日本新記録であるシーズン46セーブをマーク。そこから3年連続で40セーブ以上を挙げるなど、30歳のシーズンから守護神として大きく飛躍。2011年に日本記録を更新する通算287セーブを達成すると、以降も記録を伸ばし続け、2014年7月に前人未踏の通算400セーブも達成した。


 しかし、その年は左肘の故障でプロ入りから初めて登板数が50試合を下回ると、翌2015年は初の一軍登板ゼロ。2016年に復帰を果たすも、この年も15試合で防御率6.10と苦しい姿を見せる。もう限界なのか…と思われた中、崖っぷちの状況で迎えた2017年に見事な復活。抑えではなくセットアッパーとしての起用がメインになったが、4年ぶりの50試合登板を果たすなど、カムバック賞を受賞した。

 2018年にはプロ野球史上初の1000試合登板も達成し、10月に現役引退を発表。「日本で最も登板した男」「最もセーブを挙げた男」という伝説を残して、ユニフォームを脱いでいる。


 通算400セーブという数字は、単純計算で年間30セーブでも13年から14年続けなければ到達しない大記録。

 現役選手では、DeNAの山﨑康晃がプロ入りから5年で163セーブを記録していて、これが年平均「32.6」。このペースで行けば、8年後には“岩瀬超え”というのが見えてくるが、その時には山﨑は35歳になる。

 大きな故障をせず、44歳になるシーズンまで現役を続けた岩瀬のように長く現役を続けることができれば「400」という領域も視界に入ってくるとはいえ、抑えというのは勝敗に直結するポジションであり、衰えが見えてきた時には待ったなしでその座から外される。息長く投げ続けるだけでなく、息長く“第一線で”走り続けることも求められるのだ。

 果たして、山﨑は伝説の守護神に追いつき、追い越していくことができるか。この先10年・15年のプロ野球を見ていくうえでの楽しみのひとつとなりそうだ。


▼ 岩瀬仁紀・年度別セーブ数
1999年:65試 1セーブ
2000年:58試 1セーブ
2001年:61試 0セーブ
2002年:52試 0セーブ
2003年:58試 4セーブ
2004年:60試 22セーブ
2005年:60試 46セーブ
2006年:56試 40セーブ
2007年:61試 43セーブ
2008年:51試 36セーブ
2009年:54試 41セーブ
2010年:54試 42セーブ
2011年:56試 37セーブ
2012年:54試 33セーブ
2013年:55試 36セーブ
2014年:34試 20セーブ
2015年:一軍登板なし
2016年:15試 0セーブ
2017年:50試 2セーブ
2018年:48試 3セーブ
───
[通算] 1002試(985.0回) 407セーブ

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