ニュース 2020.05.15. 16:49

DeNA・石田、集中開催「一つのいい案だと思う」

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自主練習を行なったDeNA・石田健大[提供=横浜DeNAベイスターズ]

「いつ開幕してもいいという準備をするだけ」


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で自主練習が続く中、15日、横浜DeNAの石田健大投手がWEB会議アプリ「Zoom」で報道陣の取材に応じた。

 プロ野球は、11日の12球団代表者会議と12日の臨時オーナー会議で、6月中旬から下旬の開幕を目指すことが示された。

 石田は「およそだが発表された中で、今まで以上に気持ち的にも引き締まった部分ある。でも、まだ確定というか…明確にっていうか…。この日(ぐらい)というのを言われているだけなので、どうなるかという不安を持ちながらの練習にはなっている」と話した。

 それでも「僕たちはいつ開幕してもいいという準備をするだけ。ベストな状態を長く維持できるように調整をしている」とやるべきことに余念はない。順調にいけば、約1か月後には開幕となるが、それまでに「まず試合に投げる体力だったり、ボールの一球一球の質を求めていかないといけなくなってくる」と石田は話す。

 「今まではキャッチボールや遠投で、たまにちょっと立ち投げだったり球数少ないブルペンだったりという形だったが、先発で投げ切るということを考えると球数も必然と増えてくると思う。そういう部分をもっと今まで以上にやらないと。ユニフォームを着ていない練習だったというのもあるし、身体の感覚というのも変わってくると思う。みんなが集まることができた時に、怪我なく自分のベストな状態で取り組める準備として今、すごく大事な時間かなと思っている」と重要な時期であることを強調した。

 これまでのトレーニングについて石田は、「走り込みだったり、下半身の強化に重点を置いてずっとやってはきていた。まずまずいい状態で来ている。ウエイトトレーニングをする時間が多くあったので下半身・上半身ともにしっかり一回り大きい身体を意識してトレーニングすることもできた」という。

 「体重をちょっと落としたいという気持ちはあったが、なかなか落ちなくて。でも筋肉量は少しずつ上がっている。ランニングをしていても身体の使い方が少しずつ変わってきているというのを感じている。この自主トレはいい期間だったかな」と体力的なベースを作り上げる上でかなり充実していたようだ。

 今後については「投げないとつかない体力もある。その部分を重点的に。(開幕の目標まで)1か月ですけど強化できたら。付けてきた筋肉を今からは動いていく中で使える筋肉にしていかないといけない。そこのところを徐々に意識してやりたい」という。

英語の勉強を始める


 石田は4月に球団を通じて近況を語った際、野球以外の時間に携帯アプリで英語の勉強を始めたと明かしていた。

 「YouTubeを見る時間が多くなって海外の番組を見ることがあったので。何を言っているかわからないし、内容もつかめなかったので、聞くだけでも単語がわかるだけでもいいかな」というのが動機だったという。

 外国人選手とのコミュニケーションに関しても触れ、「野球につながるかどうかはわからないが、わかって損はない」と話した。

選手の動画を見て勉強


 自主練習期間で時間ができた中、各球団で自主練習中の選手の動画も数多く見ている石田。

 中でも「オリックスの山本君のボールや投げ方はすごく魅力的だな」と山本由伸投手の動画に目を奪われたようだ。「真似できるかどうかは別だが、身体の使い方、腕の振り方は、どのピッチャーのフォームを見ても勉強している」という。

中継ぎの経験


 昨季は左肘を痛めて開幕は出遅れ、前半戦では中継ぎ登板を重ねた。

 今季については「先発で1年間回りきるというのが、一番自分の中では理想としている形。昨年のようにチーム状況だったり、自分の状態だったりというところで、どのポジションで投げるかは正直わからないと思っている」という。

 ただ、昨季の経験から得たものもあった。「どこでも投げられる準備をしていく中で、先発として長いイニングを投げることがピッチャーとして一番必要なことだと思っている。

 中継ぎをした中でも感じたこと。自分が中で待機しているときに先発ピッチャーがどれだけ長いイニングを投げれば楽か、そういう先発ピッチャーの大事さを味わうことができたので。まずはしっかり投げ切ることが一番大事」と力強く語った。

高校球児にメッセージ


 新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く中、夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)は中止が検討されている、との一部報道もあった。

 高校球児たちにメッセージを求められ、石田は、「僕自身は甲子園に行けなかったけど、やはり目指しているのは全国どこの高校の野球をやっている人たちも同じだと思う。こういう状況でできないかもしれない、というのはすごく残念。でもマイナスに考えるんじゃなくてプラスに考えて、これから先まだまだ野球をやることができると思うし、どんな形でやるかというのは人それぞれだけど、野球の楽しさは忘れてほしくない、という気持ちが一番強い」と答えた。

全体練習に向けて


 前日14日、緊急事態宣言は全国のうち39県で解除された。横浜スタジアムとDOCK OF BAYSTARS YOKOSUKAを含む神奈川県は依然として継続されたままだが、いずれ沈静化すれば、開幕へ向けて全体練習を行なう可能性も出てくる。

 「全員で集まってやれることを楽しみにしている。みんながどういう取り組みをして、どういう身体つきで次、会うのかなというのも楽しみ」という石田。その一方で、「まずはコロナに感染しないということが一番だと思っている。全員で練習したい、という気持ちはあるが、練習は接触する時間を短くしたりだとか、まずはそういうところに意識を置いてやらないといけないのかな、と。チームで一人でも感染者が出てしまうと開幕どうこうという話ではなくなってくる。みんなに会いたいという気持ちは強いけど、しっかりとした自分自身の体調管理を心がけて」と警戒する。

 昨年から球団の選手会長として選手たちの意見の取りまとめも行なっているだけに、「会っていない選手など、いろんな人に自主トレ期間中に聞いたりしているが、早く開幕したいという選手もいれば、まだまだ不安だったり、という声を上げている選手もいる。気を付けていても罹ってしまうというリスクは大きいと思う」と石田は話す。

 「気を付けながらやりたいという思いはあるが…開幕するとなると移動せざるを得ない状況になる。今まで以上に予防だったり重点的に置かれてくるのかなと。ベイスターズだけでなく他の球団の選手たちも同じ条件でやる形になる。開幕したとなったらプロ野球界全員で気を引き締めてやらないといけないなという気持ちはある」と試合を開催した場合のチーム移動に懸念があることも語った。

 一部ではリスクを避けるために場所を集中して開催する案も浮上している。石田は「そういう形をとってもらえれば、自分で移動できるので少しはリスクが減ると思う。いろんな球場でやりたいという気持ちもある…。でも、リスクを少なくするという考えだったら、一つのいい案だと思う」と自らの意見を述べた。

(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)

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