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プロ野球も全球団が開幕前にPCR検査へ 専門家チームから提言

 プロ野球もJリーグと同様、開幕前に全球団を対象にPCR検査を実施するべく動くことになった。

 プロ野球・NPB(日本野球機構)とサッカー・Jリーグが新型コロナウイルスの感染拡大に対応するために合同で設置した「新型コロナウイルス対策連絡会議」は8日、第9回の会合をオンラインで開き、感染症の専門家チームからの提言を受けた。

 会合でNPBとJリーグは、専門家チームから公式戦の開幕・再開前のチーム関係者全員のPCR検査、公式戦中の定期的なPCR検査等について提言を受けた。

 NPBでは、引き続き、12球団代表者会議を開き、全球団を対象に開幕前に監督、選手、コーチらチーム関係者全員のPCR検査の実施、公式戦中の定期的なPCR検査の体制整備についても協議する。

 会合後のオンライン会見で、専門家チームの一人、愛知医科大学の三鴨廣重教授は、プロ野球とJリーグに示した骨子案について「すでにJリーグは事前検査を実施していくことになっているが、プロ野球も実施していくことでほぼ合意を得ている。これについては『定期検査』と『緊急対応検査』の2種類に分けることで考えている。『定期検査』は、監督、コーチ、選手、スタッフ全員の検査を定期的に行うことが必要と提言している。最初の検査は開幕前に行う。それ以降は定期的に行う。Jリーグはすでに発表されているように2週間に1回、隔週。プロ野球はサッカーほどボディコンタクトがないということから、だいたい毎月、月に1回程度が妥当だろうという提言をしている。定期検査については、選手の受検期間を考慮して、最近いろんな研究で唾液と鼻腔での検査はほぼ同等だと分かっているので、唾液によるPCR検査で行うことを提言している」と話した。

 「選手等に発熱等、体調に異常があった場合に直ちに『緊急対応検査』を受けよう、ということを提言している。当然、検査だけでなく、医師の検査も受けようと。医師が検査をするので、これは唾液でも鼻腔からの拭い液でもどちらでもいいだろう、と。

 『緊急対応検査』を受けた選手・スタッフは検査結果が出るまでの間は、チームから離れて待機をするということが感染対策上重要だと提言している。また、遠征先で起こるということもあり得る。ホームグラウンドの球場に近い医療施設、具体的に言うとPCR検査等が比較的スムーズに速やかに行える機関、大学病院等の医療施設を選択しておいて事前にホームグラウンドを持つ球団に交渉しておいていただくことが重要になると思う。

 陽性者が出た場合は当然隔離するが、濃厚接触者も検査対象になる。保健所が主体となって行われると思うが、濃厚接触者の検査も『緊急対応検査』によって行った方が良いだろう、と。速やかに結果が出るだろうということを勘案して提言している。

 陽性判定者並びに濃厚接触者への対応だが、陽性と判定された場合は直ちにチームから離脱させる。特に『緊急対応検査』では検査に行った時点で離脱させることになると思う。予め定められた基準に従って濃厚接触者を選別してそれらの者に緊急対応検査を行い、陽性と判定された者はチームを離脱する。

 濃厚接触者に関しては症状がなくても一定の健康観察期間が必要と。今は『14日間』と行政で定められているが、ここは今後、行政もこれを短縮していきたいと考えている。具体的にいうと1週間を過ぎると実際にウイルス産出も少なくなるとも言われている。

 現時点では行政の判断に従うしかないが、一定期間の十分な健康観察を行って、さらに陰性と判断された者が復帰できる、としている。一番議論になったのは復帰の基準。症状のあった者に関しては発症日から14日間経過してかつ症状軽快から72時間経過した時点で復帰が可能になる。これは一般の方々と同様。しかしながら、一般の方々は職場復帰する際にPCR検査は不要であるが、プロ野球Jリーグでは復帰前のPCR検査を行っていただくことを原則としようということで話が進んでいる。

 また、症状のあった者のうち、発症日から10日経過以前にすでに症状が軽快した者に関しては、症状軽快してから24時間経過した後に、24時間間隔で2回のPCR検査で連続陰性が確認できれば退院して復帰できる。ただ、『退院してから2週間、様子を見なければいけない』ということが今、行政指導にあるので、これは今後行政にも早期復帰については医学的見地から働きかけていきたい」と説明した。

 提言を受けてNPBの斉藤惇コミッショナーは「第1回の検査は開幕前に全球団でやるように仕組みを作りたい」と話し、引き続き開かれる12球団代表者会議、NPBの理事会・実行委員会で協議する意向を示した。

 なお、引き続き開かれた臨時の12球団代表者会議後、オンライン会見でNPBの斉藤惇コミッショナーは、開幕前の検査・月1回の定期検査について「(12球団で)やるということは全員アグリー。合意している」と明かし、全チームの監督、選手、コーチ、スタッフのPCR検査の実施へ踏み切ることになった。

(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)

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