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スポーツする子どもの「体がだるい」「やる気がでない」「集中力がない」は副腎が疲れている危険サインかも!?

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毎日のようにスポーツに汗を流す子どもたち。疲労が溜まっていたり、朝起きられなかったり、なかなか宿題に手がつかなかったりと、思い当たることはないでしょうか。肉体的な疲労に加えて、昨今は感染症の流行などで、精神面の疲れが溜まっている子どもも多いのではないかと思います。

そこでサカイクでは「疲労回復」「免疫力アップ」など、お子さんと保護者の方に向けて、正しい知識を身につけてもらうため、栄養学ジャーナリストとして世界最先端の米国栄養学を日本に伝えてきた丸元康生先生に特別授業をしてもらいました。(※2020年9月2日サカイク掲載記事転載)

栄養も睡眠も十分なのに疲れが取れない...


サカイク読者のみなさん、はじめまして。栄養学ジャーナリストの丸元康生と申します。お子さんの成長サポートに向けて、役に立つ話ができればと思っていますので、宜しくお願いします。
さて、最初のテーマは「疲労回復」についてです。スポーツをするお子さん達は、毎日激しい練習をしています。普段の学校生活とトレーニングで、肉体的な疲労を感じているお子さんも多いのではないでしょうか。

本来、肉体的な疲労は、しっかりと食事(栄養)を摂り、一晩眠ることで回復します。しかし、栄養も睡眠も十分に摂れているのに、疲れが取れない。朝、起きられないことがあります。その原因として考えられるのが「精神的なストレス」です。

保護者のみなさんも、このような経験はありませんか? ハードな仕事をしたわけでも、体を動かしたわけでもないのに、どうにも体がだるい。気力がわかない、やる気が出ない、動けない――。
こうした疲れの原因は肉体的なものではなく、精神的なストレスがかかわっているのかもしれません。

疲れの原因は「副腎の疲れ」?


ストレスが元となり、疲労を感じる原因のひとつが「副腎の疲れ」です。副腎は、「体の中のストレス担当臓器」で、肉体的、精神的なストレスがかかると、副腎が「自分の出番だ」とばかりに動き出します。
そこで副腎は「ストレス対応ホルモン」を盛んに分泌します。そうして体の機能を調整し、ストレスに対応しようとするのです。

そう聞くと「副腎ががんばってくれるから安心!」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。日々、多くのストレスを抱えていると、常に副腎が動いている状態になります。その結果、副腎がオーバーワークになって疲れてしまい、体が回復できなくなってしまうのです。それが、異常なだるさや、やる気が出ないといったかたちで現れてきます。

大人からすると、「子どもにストレスなんて、ないでしょう」とお思いになるかもしれませんが、子どもには子どもなりのストレスがあります。勉強、学校での人間関係、チームでレギュラーになれるかな、試合で活躍できるかな。試合でミスするの嫌だな、コーチに怒られないかな・・・。

強烈なストレスを受ける出来事があったり、ストレスが毎日のようにかかると、副腎は常に動いてホルモンを分泌します。その状態が続くと、副腎が疲れ果ててしまい、必要な時にホルモンを分泌することができなくなってしまうのです。

ですから保護者のみなさんは、まず「子どもにもストレスはあるんだな」と認識してあげてください。過保護はいけませんが、配慮をしてあげることも大切だと思います。



副腎が疲れると、エネルギーが切れてしまう


スポーツをしたことがある人は「試合中にアドレナリンが出る」という経験をしたことがあるのではないでしょうか? アドレナリンもまさに「ストレス対応ホルモン」のひとつで、副腎から分泌されます。
アドレナリンには、体の中に蓄えられているエネルギー源を血液中に放出させて、全身の組織がエネルギーをふんだんに使うことのできる体制を作る働きがあります。スポーツのときは、日常生活以上のエネルギーを使うので、アドレナリンがドバっと出ます。

しかし、ストレスがかかり続けていると、体の中に溜まっているエネルギーを常に放出している状態なので、ここぞというときに出てこないばかりか、日常生活を送るときに足りなくなってしまい、エネルギー切れ。疲労を感じてしまうわけです。

ストレスは心理的なものだけでなく、運動による肉体的なストレスも含まれます。ハードな練習をすれば、当然ですが心身ともに疲労します。それがトレーニングよる疲れだけなのか、精神的な疲れがたまっていないか、保護者の方は注意して観察してあげてください。しっかり休息をとっても、朝起きられない、体がだるいというのは危険サインです。

【副腎が疲れている危険サイン】
●朝起きられない
●いつでも体がだるい
●集中力が低下
●アレルギー症状の悪化
●風邪をひきやすい、長引く


副腎が過剰に働きすぎて、ホルモンの分泌がうまくいっていない時に現れやすいサインが、集中力の低下です。仕事や勉強に長時間集中するのが難しくなる。考えがまとまらなくなるといったことが挙げられます。ほかにはアトピーやアレルギー、花粉症がひどくなりやすく、風邪をひきやすい。風邪がひいた場合に長引くことがあります。
このように、ストレスやオーバーワークによる副腎疲労は、体に様々な不調をもたらします。大切なのは、副腎を疲れさせないように、コンディションを良好に保つことです。



副腎の働きを助ける「ビタミンC」


その助けになってくれる栄養素があります。それがビタミンCです。副腎は人体の中で、特にビタミンCをたくさん含んでいる臓器です。副腎のビタミンC濃度は、血中の約150倍。体は、副腎にビタミンCを優先的に送り届けようとします。
ビタミンCは人間や動物がストレスを受けたときに、一番消耗する栄養素です。ほとんどの動物は、体内でビタミンCを作ることができるのですが、人間はできません。そのため食事などを通じて、普段からビタミンCを補給し、体内に十分な量を確保しておく必要があるのです。

食事で十分な補給ができない場合は、サプリメントを摂取するのも良いでしょう。とくにビタミンCだけでなく、ビタミンB群、パントテン酸、マグネシウムなども含まれたマルチビタミン・ミネラルがおすすめです。ビタミンはCだけ、Bだけと個別に摂るのではなく、バランスよくセットで摂取することで効率的に働いてくれます。

疲労は毎日の栄養の摂り方によって、和らげることができます。逆に、必要な栄養素が不足していると、ストレス担当の組織(副腎)が疲れ果ててしまいます。「体内の栄養が足りていないと、精神的に打たれ弱くなって、いろいろな不調が出やすくなるんだな」と覚えておいてください。

スポーツをするお子さんを持つ保護者の方は、お子さんの様子を観察し、食事を始め、不調にならない体作りをサポートしてあげてみてはいかがでしょうか。きっとお子さんのプレーの後押しになるはずです。

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丸元康生
1958年生まれ。青山学院大学文学部日本文学科卒業。米国ワシントン州、イースタン・ワシントン大学卒業。栄養学、生化学を専攻。ホリスティックカレッジ・オブ・ジャパン講師。平田ホリスティック教育財団理事。著書に『スンナリ分かる栄養学ベーシック』、『ビタミンがスンナリわかる本』、『スンナリわかる脂肪の本』(主婦と生活社)、『豊かさの栄養学』シリーズ、訳書に『ジョナサン・ライト博士の新・栄養療法』(廣済堂出版)など。栄養学ジャーナリストとして世界最先端の米国栄養学を日本に伝えてきた先駆的存在。
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