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アキレス腱断裂から捕手で復活のオリックス・伏見「見返してやろうという思いが自分を支えた」

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契約更改交渉後の会見に臨んだオリックス・伏見

復活劇を支えた反発心


 オリックスの契約更改が14日に行われ、左アキレス腱断裂から復活した伏見寅威選手が1000万円増の2650万円で更改した。

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 難しいと思われた捕手で戻った伏見は「捕手で復活できないと言った人たちを見返してやろうという思いが自分を支えた。来季は正捕手として100試合出場を目指したい」と力強く誓った。また、東海大時代にバッテリーを組んだ巨人・菅野智之投手のメジャー挑戦には「目標は、より高いレベルのところでやりたいというのは昔からわかっていた。決断を応援している」と語った。

 約1時間半に渡る交渉だったが、「金額の話は最初にちょろっと出ただけで、あとは僕もフロントも『2年連続最下位なので来年は絶対に勝とう』と、意見交換をした」という。


 悲劇は突然やってきた。プロ7年目の2019年6月18日、巨人戦(東京ドーム)。1点を追う9回二死二塁という場面で空振り三振に倒れた瞬間、本塁上に倒れ込んだ。左アキレス腱の断裂だった。

 門田博光(南海)ら多くの選手が、再起はしてもポジションを変更するなどプレースタイルを変えざるを得なかった大きなケガ。重いプロテクターやレガースをつけてしゃがんだり立ったりし、一塁ベースカバーにも走らなくてはならず、特に足首への負担が大きい捕手での復帰の道は厳しいものと予想された。それでも、伏見は捕手での復帰にこだわった。

 「けがをしたとき、『もうキャッチャーは出来ないな』と、会う人会う人に言われ、すごく嫌な思いをした。何をわかって(この人たちは)言っているのかと。絶対に見返してやろうというのが、モチベーションになった。僕は捕手で入団したが、捕手として何ひとつ誇れるものはなく、捕手として復活するんだという気持ちが強かった」と、多くの人が予想した捕手失格への反発が心の支えになったことを明かした。

 復活は20年7月9日の本拠地での日本ハム戦。19年6月9日のヤクルト戦以来の先発マスクをかぶり、3打数2安打、1本塁打と自らの復帰を祝った。

 試合数が少なかったものの、18年(76試合)に次ぐ72試合に出場。189打数49安打23打点、打率.259。本塁打は昨年までの通算3本を一気に上回る、6本塁打を放った。それでも「まだ納得がいくところはない。今年、本塁打は増えたが、チームからはいいところでの1本を期待されており、打点や、長打力を磨きたい」と打撃向上を掲げた。


西浦への力強いエールも


 今季、中嶋聡二軍監督の途中昇格後、先発捕手での起用が増え、喜びを何度も味わった。特に印象に残るのが、山﨑福也と田嶋大樹の登板した試合だという。「サチヤ(山﨑)と組み始め、緩急を使った投球をリードするにはどうすればいいかと勉強になった。一番は田嶋の初完封。僕も完封でマスクを被った経験がなく、彼は完投も初めて。お互いに探り探りというか、事前準備もしながら出来たことがすごく印象に残る」と振り返った。

 捕手としての成長も感じ取っている。「今までなら、僕がマスクを被ると、勝てないという評価がされていたと思う。しかし、多くの試合で先発マスクを被り試合に勝つことができて自信になった」と胸を張った。

 来季の目標は100試合出場。2018年には76試合に出場したものの、「一塁やDHでの出場が多かった。(捕手として)100試合以上を目指す」と、さらなる飛躍を誓った。

 菅野に関しては、「大学時代からプロ野球やメジャーの試合を一緒に多く見てきた。菅野さんの目標はより高いところでやりたいというのは、昔からわかっていた。今回、そういう決断をしていることを応援している」と言葉を選びながら語った。


 会見の最後で、伏見は両側突発性大腿骨頭壊死症と診断され今月21日に京都市内の病院で手術予定の後輩、西浦颯大に思いをはせた。

 「僕の場合は確実に復帰できると言われた。それでも捕手での復帰は無理だと言う人が多かった。周りが無理だと言っても、僕は絶対にそれは言いたくない。西浦なら何とか復活してくれる。どんな形でも彼をサポートしていきたい」と結んだ伏見。難しいと思われた捕手での復帰を果たした先輩の力強いエールは、西浦にはきっと大きな力になるはずだ。

 また、西野真弘内野手は650万円ダウンの2150万円で更改。6年目の今季、出場23試合で69打数17安打3打点1本塁打、打率.246に終わり、「数字から見ても仕方がない」と言葉少な。巧打で勝負強い打撃に定評のある30歳は「サードの定位置獲りに挑む、若い選手には負けない」と巻き返しを誓った。


文=北野正樹(きたの・まさき)
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