ニュース 2021.09.10. 17:25

坂本勇人・菊池涼介を超える? 大学時代の恩師が語る巨人・吉川尚輝の潜在能力

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【プロ野球巨人対ヤクルト】試合に勝ち「わっしょいタオル」を掲げる巨人・吉川尚輝=2021年8月31日 岐阜県長良川球場 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、リーグ3連覇を目指す巨人の後半戦のキーマン・吉川尚輝選手にまつわるエピソードを取り上げる。

「ポスト坂本勇人」問題……ここ数年来、巨人ファンの命題となっているのが「坂本の後継者として、誰をショートに据えるべきか?」です。

9月5日、この「ポスト坂本問題」がSNS上で賑わいを見せました。この日、甲子園球場で行われた阪神戦は、5回までに巨人が6対0と大量リード。そこで原辰徳監督は、休養のためか、若手に経験を積ませるためか、6回の打席が終わると坂本をベンチに下げ、ショートに若林晃弘を起用しました。

しかし、その若林のエラーもきっかけとなって、巨人は6回裏に4失点。さらに7回には、若林に代わってショートに入った廣岡大志も悪送球でピンチを広げ、ついには同点に追い付かれてしまいます。6点リードの試合が、まさかの引き分けとなり、阪神との甲子園3連戦は1分け2敗で終了。巨人は1勝も挙げられず、阪神に首位を奪回されてしまいました。

だからこそ、改めて噴出した「ポスト坂本勇人」問題。さまざまな意見が飛び交うなかで多かった声の1つが「吉川尚輝がいるじゃないか」でした。後半戦における吉川の好調ぶりも材料になっています。

シーズン開幕時こそスタメンの座を若林に譲り、交流戦では死球骨折と苦しい状況もありながら、骨折までの交流戦ではチームトップの打率.373を記録。後半戦はスタメン定着だけでなく、気がつけば3番に固定。8月31日、地元・岐阜で行われたヤクルト戦ではホームランを含む3安打4打点と大爆発。一時、首位に立った原動力と言っても過言ではありません。

もともと、ドラフト1位で巨人に入団したときから「ポスト坂本」の有力候補として注目されて来た吉川。大学時代は同じ年に中日に入った京田陽太を抑えて「世代ナンバーワンのショート」と評価されたほどの逸材でした。

しかし、京田が早々と中日でショートのレギュラーに定着したのとは対象的に、吉川は度重なるケガの影響もあって、「ポスト坂本勇人」よりもまず「1軍定着」「セカンド定着」が第一目標になっていました。

ルーキーイヤー(2017年)は上半身のコンディション不良で3軍スタート。2018年は一塁にヘッドスライディングした際に左手支柱骨を骨折。2019年は持病の腰痛悪化で出場はわずか11試合にとどまりました。セカンドのレギュラーとなり、ようやく規定打席に到達したのが2020年のこと。

ただ、こうしたケガや挫折を繰り返して来たことで、いまの頼もしい姿が形成されたとも言えます。ここ数年のオフは従来以上にウエートトレーニングに励むことで、持病と言える腰痛克服・故障防止に努め、1年間戦える体づくりを徹底。また、打撃面でも岡本和真との合同自主トレを通じて、より強い打球が飛ばせるようパワーアップに励んで来たのです。

そんな吉川を誰よりも「ショート」として推す人物がいます。現役時代、中日で名ショートとして鳴らし、吉川の新人時代に巨人でコーチを務めた、ショウアップナイター解説者・井端弘和氏です。井端氏は2019年、「球界の未来を担うショート」というテーマで雑誌のインタビューに答え、この年注目のルーキーだった広島・小園海斗や中日・根尾昂と比較して、吉川をこう評しました。
『一番の魅力はスピードです。先ほど話した小園、根尾には申し訳ないのですが、次元が違いますね。しかし巨人に入団してから昨年までの2年間は、とくに守備において、持っている能力を3割程度しか出せていなかったように感じます。今はチーム事情でセカンドを守ることが多いですが、彼の持ち味がより生かせるのはショートだと思っています』

~『web Sportiva』2019年4月12日配信記事 より(井端氏コメント)

こうした「ショート待望論」がある一方で、「吉川にはセカンドを極めて欲しい」という声もあります。一部野球ファンの間では、球界ナンバーワン二塁手・菊池涼介(広島)が8年連続で獲得し続ける「ゴールデングラブ賞」を阻止できるのは吉川しかいない、という声も。

「守備範囲は、むしろ吉川の方が広いんじゃないか?」という意見もあるほどで、そもそも菊池と吉川は、同じ中京学院大学野球部の先輩・後輩という浅からぬ縁があります。もっとも2人は年が5歳離れているため、入れ違いで一緒にプレーしていませんが、吉川の大学時代に菊池が広島で大ブレイク。吉川はいつしか「菊池2世」と呼ばれるようになりました。そして、先輩の活躍に刺激された吉川も、折にふれて「菊池さんを目標に」と語るようになって行ったのです。

2人の大学時代の恩師、中京学院大・近藤正監督は、大学4年時の菊池と吉川を比べると、どちらが上だったか、という問いにこう答えています。
『「両者でタイプが違うし、甲乙つけがたいですが」と前置きしたうえで「吉川のほうがちょっと上かも」との答えが。「肉体的な強さは菊池のほうが上でしたが、打撃の確実性や守備などプレーそのものは吉川が勝っています」』

~『野球太郎No.020』(2016年9月発売)より

指導者にここまで言わせるポテンシャルを持っているのが、吉川尚輝という選手なのです。考えてみれば、東京五輪で金メダルを獲得した二遊間、坂本・菊池をしのぐ存在になるかも、と評価されているだけでもすごいこと。その潜在能力に原監督も大きな期待を寄せています。

8日のDeNA戦では、4回と5回に失点につながる手痛いミスを犯した吉川。まだまだ課題は残りますが、6回にタイムリーを放って意地を見せました。阪神、ヤクルトとの三つ巴の戦いが続くなか、日々急速に進化を遂げている吉川がいったいどんな働きを見せてくれるのか、ますます目が離せません。

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