ニュース 2021.11.29. 07:15

第2の宗、紅林へ! オリックス・元謙太が2年目の飛躍に向けて外野に転向

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外野守備に取り組むオリックス・元謙太(右は来田涼斗)<写真=北野正樹>

新世代の台頭・突き上げなるか?!


 「SMBC 日本シリーズ2021」でヤクルトと熾烈な戦いを展開したものの、25年ぶりの日本一を逃したオリックス。しかし、来季に向けた新たな試みは既にスタートしている。
 
 10月11日から宮崎県内で開かれた、秋季教育リーグの「第18回みやざきフェニックス・リーグ」。チームの初戦となった12日の巨人戦(アイビースタジアム)で、ドラフト2位の新人・元謙太(中京高)が「1番・中堅」で先発出場した。

 1年目の今季、ウエスタン・リーグでは、チームでただひとり、全111試合に出場した元だが、ポジションは「遊撃」と「三塁」で、外野の経験はなかった。

 「小林(宏)監督と小谷野(栄一・打撃)コーチから『外野でいくぞ』と、宮崎入りしてから言われた」。プロ入り後、外野の練習はしていなかったが、高校3年で遊撃に転向するまでは外野手や投手も経験し、ドラフトも「外野手」で指名を受けており、大きな戸惑いはなく、その後の試合でも無難に守備をこなした。


チームのさらなる活性化へ


 首脳陣からの言葉にも、心を動かされた。「宗(佑磨)も外野を経験してから、動きや送球がよくなった」。今季、三塁で攻守に活躍著しい宗は、プロ入り後、遊撃から外野に移り、三塁にポジションを変えて、働き場所をつかんでいる。「自分の可能性も広がり、複数ポジションを守ることが出来れば、出場機会も増える」と前向きにとらえ、高知での秋季キャンプでは同期の来田涼斗と外野の特守に汗を流した。

 オリックスの内野陣は、一塁がT-岡田や助っ人のラベロら、三塁は宗、遊撃も2年目の紅林弘太郎が定着し、競争できるポジションは二塁くらい。その二塁も、即戦力の評価が高い今秋のドラフト2位、野口智哉(関大)がベテラン・安達了一や若手の太田椋、宜保翔らと競うことになる。その点、外野は慣れ親しんだ場所。しかも、2年夏の甲子園の準々決勝、作新学院戦で逆転満塁本塁打を放ち4強入りに貢献した打撃も生かせる可能性がある。

 福良淳一GMも、「うちの外野手は30歳前後が多く、下からの突き上げが絶対に必要。レギュラー陣を含め安心させたらダメなので、そういうところに期待している。将来は、来田、元にドラフト5位の池田(陵真=大阪桐蔭高)で外野を任せられれば」と期待する。

 2年連続首位打者の主砲・吉田正尚、11年目の後藤駿太が28歳。6年目で初の本塁打王を獲得した杉本裕太郎は30歳で、今季から中堅に転向した福田周平は29歳。クライマックス・ファイナルステージでサヨナラ打を放った小田裕也は32歳。25歳の佐野晧大、西村凌、23歳の佐野如一ら若手も控えるが、まだレギュラー陣を脅かす存在には至っていないのが現状。将来を見据え、外野陣に刺激を与えてチームの活性化を図る狙いが、そこにはある。


身近な目標と好敵手


 元は今季、一軍の公式戦出場はなく、二軍で111試合に出場し、334打数46安打、30打点、4本塁打、打率.138。持ち前の長打力と勝負強さは発揮したが、打率はウエスタン・リーグの規定打席以上の10人のうち、最も低く、失策はチーム最多の26(三塁で11、遊撃で15)。福良GMの「来田と元は、よほどのことがない限り、いくら三振をしようが、いくらエラーをしようが、使い続ける」という方針の下、成績に関係なく英才教育を受けて来た。

 これは、昨季の紅林と同じ。紅林もチームの全86試合に出場し、打率.202。失策も18(三塁1、遊撃17)を記録したが、この経験が2年目の飛躍につながった。「紅林さんからもよく話を聞かせてもらっているが、いい目標がいるのでそこを目指したい」と元。課題とされる打撃も、上向きだ。

 「体重が投手の方に流れやすく、変化球に手が出てしまっていた。コーチに指摘された膝の使い方を意識すると、ボールと距離が取れるようになり飛距離も伸び、選球眼もよくなった。秋季キャンプでそこだけを意識して練習して、フォームが固まりつつある」と、手応えを口にする。

 秋季キャンプでは、来田とノックを受け続けた。30分以上、コーチ2人が交互に前後、左右に打ち分けるボールを追うハードな練習。「同期の2人だから苦しい練習にも耐えられる。いつも一緒にいて一番、仲がよく切磋琢磨するいいライバル」と、初打席初球本塁打でド派手な一軍デビューを飾った来田の存在もいい刺激だ。

 「オフは、自分の課題を突き詰めたい」。2年目の飛躍が、連覇と日本一を目指すチームのレベルアップにつながる。


文・写真=北野正樹(きたの・まさき)
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