ニュース 2022.01.10. 19:04

オリックス・富山がクローザー志願「ベテランばかりに頼っていられない」

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「8、9回を任されたい」と意気込むオリックス・富山凌雅[写真=北野正樹]

チーム最多登板の左腕に芽生えた自覚


 オリックスの4年目左腕・富山凌雅が10日、大阪市内の球団施設で自主トレを公開し、「中継ぎでいくなら8、9回を本職にしたい。(抑えは)やりがいがある。やってやろうという気持ちになる」と、ベテラン守護神・平野佳寿につなぐセットアッパーや抑えの座につくことを志願した。

 気温15度前後、快晴無風の好コンディションもあり、グラウンドで始動した富山。高卒5年目の右腕・本田仁海を相手に、キャッチボールや遠投などで汗を流した。「年末は体を休め、3日から動き出したが、状態はいい」と笑顔。

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 昨季はチーム最多の51試合に登板し、2勝1敗、20ホールド、防御率2.72でチームの25年ぶりの優勝に貢献した。昨季は3連投を避けるチーム方針から、平野がベンチを外れるケースもあり「そんな時には抑えで使ってほしい」と首脳陣にアピールしていた富山。高山郁夫投手コーチも当時、「そのくらいの意気込みがなければ抑えは任せられない」と売り込みを歓迎していた。

 性格は抑え向きだ。「ピンチの方が、『やってやろう』という気持ちになる。ピンチの方が楽しめる。野球に関してはドMなんですかね」というほど。

 実力も備えており、昨季の交流戦優勝を決めた6月12日の広島戦(京セラドーム大阪)では、1点を失い2点差に迫られた6回無死満塁から登板し、ニゴロ併殺の間の1失点で切り抜けるなど、ピンチで本領を発揮した。安定した投球を披露した日本シリーズも「冷や冷やした試合は、社会人(トヨタ自動車)以来。一発勝負は、めちゃくちゃ楽しかった」と振り返る。

 昨季はヒギンスら、平野につなぐセットアッパーが安定しなかった。その平野も38歳でシーズンを迎える。

 「平野さんに頼ってばかりいてはダメだというのは、中継ぎ陣のみんなが思っていること。ベテランに頼ってばかりいては」と富山。平野らベテランが活躍しているうちに、若手が力をつけなければチームの世代交代が進まないことへの危機感がそこにはある。

 緩急の差で投球の幅を広げるために「カーブでカウントを整えたい」と、変化球のレベルアップにも意欲的。

 自覚も出来た。本田が一人で自主トレをやると入団時の担当スカウトから聞き、「僕が見ます」と練習相手を引き受けた。「上(一軍)の世界の素晴らしさを伝えたい」と、一軍を目指す22歳にしびれる試合での気持ちの持ち方などを伝授するつもりだ。

 14人兄弟の6番目に生まれ、お正月の2日は和歌山県御坊市の祖父母宅に、親族50人近くが集まり新年を祝うのが恒例行事。富山の活躍も話題になったそうだ。

 うれしいこともあった。温泉で知られる白浜町の「とれとれ市場」で買い物中に、「日本シリーズも見ていましたよ」と声を掛けられた。街中で話しかけられるのは初めて。プロを実感した瞬間だった。

 今季の目標は「2年連続、50試合以上登板と、チームの最多登板は最低限クリアしたい」と意気込んでいる。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

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