ニュース 2022.01.21. 20:44

オリックス・宮内オーナーが今季限りで勇退 「オーナーより、熱烈なファン。日本一の胴上げを」

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笑顔で退任理由を語る宮内義彦オーナー [写真=北野正樹]

「中嶋さんはプロフェッショナル」


 オリックスの宮内義彦オーナーが21日、京セラドーム大阪内で記者会見を実施。今季限りでオーナーを退任することを発表した。

 後任はオリックス本社社長で、グループCEOの井上亮氏が就任する予定。




 阪急から球団を買収した1988年11月以来、33年間にわたりオーナー職を務めてきた宮内オーナーが、今シーズン後に退任する。

 退任の意向は数年前から固めていたそうだが、「最下位チームのオーナーとして辞めることは、こんなに面白くないことはない。優勝した後は、日本一になってからとも思ったが、個人的な願望として選手らが『何がなんでも日本一になって(オーナーを)胴上げしよう』と思ってくれるのではないかと、シーズン前に公表しようと思った」と冗談を交え、退任へのいきさつを語った。

 「オーナー(という)より、熱烈なファン」と自認するオーナーは、昨季の戦いぶりについて「低迷期には夏ごろには今季はいいや、と思うことがあったが、昨季は最後の最後まで緊張感があった。日本シリーズでは負けたが、高校野球を持ってきたような試合。周囲からもものすごくいい試合だったと言ってもらえるシリーズだった。パ・リーグは戦力が均衡していたが、その中でも一番信念を持って戦ってくれた」と監督やコーチ陣、選手を称えた。


 就任1年目でリーグ覇者に導いた中嶋聡監督については「中嶋さんはプロフェッショナルだと思う。選手生活、兼任コーチ歴も長く、海外での武者修行もあり指導者としてのベースをきちんと学んでこられた。二軍監督を務め選手をよく知っていたことも大きい。他の人ならあのような(選手の一軍への)引き上げは出来なかった」と高く評価。

 また、裏方などスタッフについても「裏方の隅々まで、チームを盛り上げようという意識が強かった」と評価した。

 連覇がかかる今季には「選手は昨季の戦いで疲れたと思うが、疲れた後からさらに伸びる選手を見てきた。うちのチームは若い。さらに伸びてくれると期待している」と、さらなる全体のレベルアップが出来ると期待を寄せている。


「球団と縁を切る気持ちはない」


 2004年、球界だけでなく世論をも巻き込んだ「プロ野球再編問題」。

 オーナーは「振り返りはいろいろ出ている。私の知らないこともあるが、私の知っていることはほとんど書かれていない。物事は表と裏を見ないとわからない」と前置きし、「あの時はパがしんどく、(球団によっては)このままではもたないというところへ、親会社までおかしくなるところが出てきた。私がビジネスマンとして考えたのは、12球団ではちょっと多いなと。まず、みんなで飯を食えるところまで縮小して出直すしかないなと。しかし、経営的な観点からは全く取り上げてもらえず、前面に出た方々が悪者のようになって、申し訳ないことをしたと思っている。ファンの見方と経営者としての見方が逆になってしまった」と、巨人の渡邉恒雄オーナー(当時)らが批判の対象になり、球界再編への球団経営陣の真意がファンに伝わらなかったことを残念がった。


 オリックスは近鉄を買収し、「オリックス・バファローズ」として再出発することになった。

 「阪急ファンに移転した神戸のファン、近鉄ファンと非常に複雑なファン層で、ファンのみなさんには気持ちの上でずいぶん負担をかけて申し訳ないという気持ちがあるが、今は心を一つにしてもらえたのではないか。合併してからのファンも多く、今のチームを応援していただいている」と、ファンの理解に感謝の気持ちを示す。

 また、現在の在阪2球団について「セとパが1球団ずつで、バランスが取れ、切磋琢磨にはすごくいい。もう一つのチームにも頑張っていただき、日本シリーズをやりたいと、大口をたたいて要請させていただきます」と、笑顔で日本シリーズでの阪神との関西決戦を楽しみにしていた。


 オーナー職を離れてからの立場は未定。

 「オーナーでなくなっても球団と縁を切る気持ちはない。時間はあるので、今まで以上に球場に来ることが出来る。『いつ行ってもおるな』と言われるように、試合を観たい。球場に自由に出入りできるようなカッコいい名前を教えて」と球団やメディアに要請するあたり、ファンから「オーナーの中で最も野球が好きで熱心」と認められる宮内オーナーらしい要望だった。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)



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