ニュース 2022.06.12. 18:20

【全日本大学野球選手権】亜大が20年ぶり5回目のV!生田監督「今まで監督として預かった中で…」

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20年ぶりに優勝した亜大 (C) Kyodo News
全日本大学野球選手権 決勝
● 上武大 1 - 7 亜細亜大 ○

 亜細亜大が20年ぶり5回目の大学日本一に輝いた。

 先発投手は上武大が紫藤大輝(3年・東海大相模)、亜細亜大は青山美夏人(4年・横浜隼人)。3回表、亜細亜大は一死二・三塁のチャンスを作ると、2番・田中幹也(4年・東海大菅生)が、上武大・紫藤の141キロ低め直球を捉えて、左前へ2点適時打。さらに一死一・二塁から4番・山下滉介(4年・岡山理大附)の中前適時打、5番・西脇大晴(4年・愛工大名電)の右線適時二塁打と続き、亜細亜大が一挙4点を挙げて先制した。

 亜細亜大は、4回表も二死二塁から再び田中幹也が上武大の2番手左腕・山田俊介(1年・九州学院)から左中間を深々と破る適時三塁打。昨夏、国指定の難病である潰瘍性大腸炎が判明し、合わせて3か月入退院を繰り返していた田中幹也。一時は11キロ体重が落ちたところから復帰し、「あらためて野球ができる喜びというのを感じて」プレーしたという田中。遊撃手として再三好プレーも見せ、攻守にわたって躍動した。続く3番・藤江亮太(4年・享栄)も左前へ適時打を放ち、6対0と突き放した。

 6回表には2死三塁の場面で途中出場の三塁走者・和久本澪(3年・常総学院)が、カウント1ボール1ストライクからの3球目でスタートを切り、ホームスチール成功。「盗塁はすべてノーサイン」(生田勉監督)だったと、多彩な攻撃で中盤も主導権を握り続け、7対0とリードを広げた。

 上武大は、8回裏に二死一・三塁から門叶直己(4年・瀬戸内)の三ゴロの間に1点を返したが、前半の失点が大きく響いた。亜細亜大は先発右腕の青山が最後まで投げ切り、9安打されながらも上武大打線を1点に抑え、139球で完投勝利。上武大を7対1で破った亜細亜大が、第71回大会の頂点に立った。

▼亜細亜大・生田勉監督
「(優勝について)正直、実感が湧かないというか。今まで監督として預かった中で、弱いというか力がないチームだったので。まさかこんなことになるとは考えてもいなかったです。(チームが成長した要因は)田中幹也ですよね。プロ野球選手になるのが夢だと。ここで諦めるわけにはいかない。ここで練習をさせてくれ、と。その姿を見て、他の選手も『もっと僕たちはやれるんだ』と。そこからチームがまた新たなスタートを始めた。そこが急激にチーム状態が良くなった原因じゃないかなと思います。それしか考えられない」。

▼田中幹也内野手(4年・東海大菅生)
「個人的にはちょっと出来すぎかな、と。リーグ戦ではなかなか練習の成果で勝つということができていなかったので、全日本選手権に入ってからは何とか練習の成果で勝つ、というのは思っていました。(昨年、潰瘍性大腸炎を患い)本当に野球ができなくなるんじゃないかと最初は思ったんですけども、ここまで回復してあらためて野球ができる喜びというのを感じてプレーをしてきて日本一になれたので最高に嬉しいです。周りの仲間たちの支えがあったからこそ今があると思うんで、本当に感謝しています」。

▼上武大・谷口英規
「お互い先取点をどっちが取るかというところで、主導権を握るので流れが変わると思っていたんですが。こちらが取り切れず、亜細亜さんの粘りと1点を取る執念というのは素晴らしいですね。積極的に仕掛けが早かったりというところもありまして、こちらの対応が遅れたのもあると思います。ここを攻められたら弱いなというところをすべて攻められましたので。課題がしっかりしているということは、次のステップに関して目標にしやすいというところはあります」。

(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)
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