20日に『2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が開催される。18日と19日の記事では、煙山光紀アナウンサーがニッポン放送のドラフト中継でもおなじみの野球ライターの菊地高弘さんに、今年のドラフト注目候補について伺ったが、最終回となる今回は煙山アナ、菊地さんによる印象に残っているドラフト会議、そして中継の楽しみ方についてだ。
煙山アナ「菊地さんにしてみると、ドラフト会議は1年取材してきた集大成の日という捉え方ですか?」
菊地さん「プロに入る選手にとってはスタート地点という見方ができるんですけど、アマチュアとしてのひとつのゴールなのかなと感じています。正直、自分が評価した選手を、プロのスカウトが最終的にどんな評価をしたのかなというのを答え合わせみたいなところも、中間答え合わせですよね。本当の答え合わせは数年後に出るんですけど、まずこの選手がこの順位というのは毎年どうしてもあるので。そこでプロはこう見ていたんだとか、自分がすごく評価していたけど、低い順位、指名されないということがあるとすごく凹みます。広島の玉村投手とか、僕は1球見た瞬間にドラフト上位でいけると思ったんですけど、ドラフト6位だったんですよね。すごくショックだったんですけど、去年それなりに出てきた。見る目は間違いなかったかなと」
煙山アナ「自分の見た目が証明されたわけですからね」
菊地さん「ドラフトはいい選手順に呼ばれるわけではないので。チームが欲しい順に呼ばれていくので、どうしてもエアポケット的に取り残されちゃう選手が出てくる。すごくみんないい選手だと認めているのに、なぜか呼ばれないみたいな。去年とかは西武の古賀選手とかがドラフト3位まで残っていて、多分キャッチャーの序列では相当高い選手で、ドラフト1位でも不思議ではなかった。ドラフトのあやというか面白さだと思います」
煙山アナ「ドラフト本が出てくる。何人くらい実際に生で見ているんですか?」
菊地さん「主要どころは、50人くらいは抑えられていますね。各球団の上位から中位にかけてですね」
煙山アナ「独立リーグも観にいくんですか?」
菊地さん「なるべく独立リーグで選抜チームが編成されたときに、見にいくようにしていますね」
煙山アナ「僕は菊地さんとかが見てきたものを、本になったところからはじまるので、内容はなにもないんですけど、今は前段階で名前を出して主な選手を書いています。まだ出来上がりじゃないですけど、大学生、社会人などを書いていますね。雑誌でいうと大きく出る選手を書いて、今でも村上宗隆選手があれだけ話題になっていますが、僕がドラフト中継で失敗したのが村上宗隆選手なんですよ。あのときの雑誌のバックナンバーがあったら見て見たいんですけど、名前が書いていないんですよ。あらゆるところから書きだそうとしているにも関わらず、載っていないんですよね」
菊地さん「スラッガーが多かった年ではあるんですよね。清宮ドラフトの年だったので、東の清宮、西の安田みたいな言われ方をしていて」
煙山アナ「甲子園で中村奨成選手も新記録打って、高校BIG3でいうとこの3人が雑誌の名前に載っていた」
菊地さん「左のスラッガー系という意味では、村上選手は知名度的に清宮選手、安田選手に位置する感じではあったんですけど、今だからいうわけではないですが、スカウトの方にきくとみなさん村上選手を当時から高く評価していました。バッターとしてもそうなんですけど、リーダーシップも含めて評価していた。もし巨人に入っていたらキャッチャーをやっていたんでしょうね」
煙山アナ「あの指名がすごかったというテーマだと菅野投手が日本ハムに指名を受けたあとに、会場のお客さんがパンフレットで有馬記念状態になっているのが印象に残っていますね」
菊地さん「僕は阪神の大山選手ですかね。場内ざわつくというか、佐々木千隼投手にいくかなと思ったら、大山選手で正直僕も懐疑的だったんですよね。大山選手はもちろんいい選手なんですけど、阪神のドラフト1位という看板を背負わされたときに、どうかな、すごい純粋無垢で高校、大学で全国大会に出たことがない選手が、熱狂的な球団に入ったときに精神やられちゃうんじゃないかなという不安があったんです。ただ大山選手を1位でいって、モノにしているというのは球団にとっても大きなポイントだったんじゃないかなと思いますね」
煙山アナ「音だけなので、最初の頃失敗したのは、(ドラフト会議で司会を担当する)関野さんのコメントにかぶせ気味で喋っていたんですけど、関野さんのコメントだけでも良いくらい。関野さんの部分で1つ目のドキドキがあって、4球団重複しましたというコメントを足していくと2つ目の盛り上がりがあって、最後くじ引きというところで盛り上がる。そのあとで意外な選手を菊地さんが解説してくれる。のちの自分のうんちくとして語れるゾーンが後ろにある作りなのではないかなと。喋りたくなっちゃうんですけど、もっといえば最初の頃は指名しているときに菊地さんと絡もうとしていたんだけど、だんだん喋らない方がいいんだなというのが気づいてきましたね」
菊地さん「お客さんがいてもいなくてもですけど、緊張と緩和は普通の野球中継ではない。指名を待っているときのごくっとつばを飲む音が聞こえてくる緊張感というのは、1年に1回しかないことですね」
20日の17時に運命のプロ野球ドラフト会議が開催される。今年はどんなドラマが生まれるのか今から楽しみだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
「アマチュアとしてのひとつのゴール」
(取材日=2022年10月4日)煙山アナ「菊地さんにしてみると、ドラフト会議は1年取材してきた集大成の日という捉え方ですか?」
菊地さん「プロに入る選手にとってはスタート地点という見方ができるんですけど、アマチュアとしてのひとつのゴールなのかなと感じています。正直、自分が評価した選手を、プロのスカウトが最終的にどんな評価をしたのかなというのを答え合わせみたいなところも、中間答え合わせですよね。本当の答え合わせは数年後に出るんですけど、まずこの選手がこの順位というのは毎年どうしてもあるので。そこでプロはこう見ていたんだとか、自分がすごく評価していたけど、低い順位、指名されないということがあるとすごく凹みます。広島の玉村投手とか、僕は1球見た瞬間にドラフト上位でいけると思ったんですけど、ドラフト6位だったんですよね。すごくショックだったんですけど、去年それなりに出てきた。見る目は間違いなかったかなと」
煙山アナ「自分の見た目が証明されたわけですからね」
菊地さん「ドラフトはいい選手順に呼ばれるわけではないので。チームが欲しい順に呼ばれていくので、どうしてもエアポケット的に取り残されちゃう選手が出てくる。すごくみんないい選手だと認めているのに、なぜか呼ばれないみたいな。去年とかは西武の古賀選手とかがドラフト3位まで残っていて、多分キャッチャーの序列では相当高い選手で、ドラフト1位でも不思議ではなかった。ドラフトのあやというか面白さだと思います」
実際に菊地さんは何人のドラフト候補を見ているの?
煙山アナ「ドラフト本が出てくる。何人くらい実際に生で見ているんですか?」
菊地さん「主要どころは、50人くらいは抑えられていますね。各球団の上位から中位にかけてですね」
煙山アナ「独立リーグも観にいくんですか?」
菊地さん「なるべく独立リーグで選抜チームが編成されたときに、見にいくようにしていますね」
煙山アナ「僕は菊地さんとかが見てきたものを、本になったところからはじまるので、内容はなにもないんですけど、今は前段階で名前を出して主な選手を書いています。まだ出来上がりじゃないですけど、大学生、社会人などを書いていますね。雑誌でいうと大きく出る選手を書いて、今でも村上宗隆選手があれだけ話題になっていますが、僕がドラフト中継で失敗したのが村上宗隆選手なんですよ。あのときの雑誌のバックナンバーがあったら見て見たいんですけど、名前が書いていないんですよ。あらゆるところから書きだそうとしているにも関わらず、載っていないんですよね」
菊地さん「スラッガーが多かった年ではあるんですよね。清宮ドラフトの年だったので、東の清宮、西の安田みたいな言われ方をしていて」
煙山アナ「甲子園で中村奨成選手も新記録打って、高校BIG3でいうとこの3人が雑誌の名前に載っていた」
菊地さん「左のスラッガー系という意味では、村上選手は知名度的に清宮選手、安田選手に位置する感じではあったんですけど、今だからいうわけではないですが、スカウトの方にきくとみなさん村上選手を当時から高く評価していました。バッターとしてもそうなんですけど、リーダーシップも含めて評価していた。もし巨人に入っていたらキャッチャーをやっていたんでしょうね」
あのドラフトが凄かった
煙山アナ「あの指名がすごかったというテーマだと菅野投手が日本ハムに指名を受けたあとに、会場のお客さんがパンフレットで有馬記念状態になっているのが印象に残っていますね」
菊地さん「僕は阪神の大山選手ですかね。場内ざわつくというか、佐々木千隼投手にいくかなと思ったら、大山選手で正直僕も懐疑的だったんですよね。大山選手はもちろんいい選手なんですけど、阪神のドラフト1位という看板を背負わされたときに、どうかな、すごい純粋無垢で高校、大学で全国大会に出たことがない選手が、熱狂的な球団に入ったときに精神やられちゃうんじゃないかなという不安があったんです。ただ大山選手を1位でいって、モノにしているというのは球団にとっても大きなポイントだったんじゃないかなと思いますね」
ラジオ中継での楽しみ方
煙山アナ「音だけなので、最初の頃失敗したのは、(ドラフト会議で司会を担当する)関野さんのコメントにかぶせ気味で喋っていたんですけど、関野さんのコメントだけでも良いくらい。関野さんの部分で1つ目のドキドキがあって、4球団重複しましたというコメントを足していくと2つ目の盛り上がりがあって、最後くじ引きというところで盛り上がる。そのあとで意外な選手を菊地さんが解説してくれる。のちの自分のうんちくとして語れるゾーンが後ろにある作りなのではないかなと。喋りたくなっちゃうんですけど、もっといえば最初の頃は指名しているときに菊地さんと絡もうとしていたんだけど、だんだん喋らない方がいいんだなというのが気づいてきましたね」
菊地さん「お客さんがいてもいなくてもですけど、緊張と緩和は普通の野球中継ではない。指名を待っているときのごくっとつばを飲む音が聞こえてくる緊張感というのは、1年に1回しかないことですね」
20日の17時に運命のプロ野球ドラフト会議が開催される。今年はどんなドラマが生まれるのか今から楽しみだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)