いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム7.8月のテーマは“準備”
「投手カードとチーム資料ノート。準備にあたってこれまでやってきましたね」。師岡アナウンサーは、チーム資料ノート、投手カードを本番中継前に限らず、毎日朝2時間から3時間かけてまとめている。
チーム資料ノートには日付、先制したゲーム、逆転したゲーム、ランニングスコア、投手リレー、チーム安打、直近の試合で一桁安打がどれぐらいあるのか、投手リレー、打順が何番でポジション、何回にどういう内容のタイムリーヒットなど、事細かに情報をまとめている。
チーム資料をつけはじめたきっかけについて「昔野球中継を担当しはじめた時に先輩がこういうノートをつけていましたね」と福岡時代の実況アナウンサーの先輩を真似て、資料をつけはじめた。
「何人かの先輩の資料を見せてもらって参考にしながら、人に見せるものじゃないから、自分がわかりやすいものを作っていますね」。
「自分なりにアレンジしていてやって、チームの流れが、やらないとわからなくなる。結局、本番の前日に調べはじめたら自分の首を絞めるようなものだから、一目瞭然でわかる形にしておくのが、ベターだと思っています」。
投手カードについても「先発ピッチャー、中継ぎ、こういうのを作っておくと、例えば巨人-ヤクルト戦が近くなると1週間くらい前から中継ぎのピッチャーが何回にどういう局面で出たか一言書いておくと、勝ちパターンで投げているか、負けパターンで投げているかとか、そういう流れがわかるじゃない。そういうためにこういうのを書いていますね」と教えてくれた。
「若い子はパソコンで打ったりしているけど、投手カードも手書きなんだよね」。資料作りは手書きにこだわる。
ルーティン
本番の中継前に発声練習する姿がある。これも中継前のルーティンなのだろうかー―。
「その時の調子によって。今日は口が回らないかなとか、その時の体調だよね。やることが多いけど、自分のルーティンとしてじゃないけど、基本的にやることは多いですね」。
中継の時にどう活かされるのだろうかーー。「歯切れ良さを出していく。モゴモゴってならないようにしっかり口を開けて、そうすることによって頭もはっきりしますしね」。
準備とは
最後に師岡アナウンサーにとって“準備”とはーー。
「準備は万全にするけど、本番でそれを出し切ったらおしまいだと思うし、準備は万全にするつもりで作っているんだけど、放送が始まって放送席に座ってしゃべりはじめたら解説者は違う見方がある。そこじゃない視点があったりするじゃない。それに合わせる、なるほど、そういうのもあるなと思うし、とにかく準備は万全、現場での状況判断」。
その準備が必ずしもハマるわけではない。
「昔はこれも言えなかった、あれも言えなかったって思うけど、今はあれも言わなかった、これも言わなかった。そこはその場の喋りをしているわけだし、実況を解説者とやっているから、資料がなくてもいい。安心材料。解説者と話が出た時に、そういえばこのネタがあったなと紹介できるものでいい。出さなかったらダメじゃなくて、準備はするけど、出さなくても問題ない。それだけ目の前の話をしていたと。目の前の試合が全てだから、そこだね」。
準備は万全にするが、試合の状況に応じて臨機応変に中継を盛り上げる。“師岡スタイル”でリスナーが楽しくなるワクワクするような中継を解説者、ディレクターとともに作っていく。
(ニッポン放送ショウアップナイター)