いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム7.8月のテーマは“準備”
「資料整理は日常のチーム成績、バッター成績を作っています。アナログ人間なので、新聞の切り張りをベースにして最低限前日、当日はこのようにやっていますよね」。
実況アナウンサー人生50年以上の歴史の中から山田透アナウンサーは、現在の形に落ち着いた。
「どこに自分でまず観点を置くか、ポイントをどこに絞るのかシミュレーションして、野村克也さんもそうだったんだけど、たとえば先発ピッチャーが菅野智之と西純矢というんだったら立ち上がりこういう組み立てで来るだろうから、こういうところを中心に投げよう、相手ピッチャーの予想をして、シミュレーションを描く」。
「アナウンサーも一緒で、シミュレーションして明日この投手とこの投手だけど、前回登板はノックアウトされたから投げてみないとわからない、信用の度合いがわからない。対策と傾向は数字から抜粋しますよね。さらに細かく言えば、その日の先発投手対野手の成績だとか、去年、2年前、3年前、遡ったりすると時間がいくつあっても足りない。その場合はどこできるか自分で判断する。前日は3、4時間準備にかかりますね」。
解説者とのやり取りをする上で、準備はするのだろうかーー。
「解説者とどういう話をするかというのは、試合は生き物だからそういったシチュエーションは全く考えていないです。野球は生き物だと考えているから、試合の入り、見た最初の印象を聞いたり、入り球はどうだったとか普段の会話でできますよね」。
試合は生き物と話す山田アナウンサー。だからこそ、資料作り、頭に入れるのが重要になってくる。
「とりあえず全部資料整理を頭の中に入れ込んでおいて、どんな試合になるかわからないから、試合になったらふと思い出したかのように、野球選手の履歴を自分の中で埋め込んでおく。この選手に野球を教えたのはこの指導者、この学校で高校生の時に満塁本塁打を打ったよね、というのは資料整理して体がそういう意味では資料箱だよね」。
山田アナウンサーにとって準備とはと質問すると、じっと考え込み、「準備は大変」と一言。「毎日資料整理をして深澤弘さんに教わったのは、放送で20%反映されれば合格」。寝ている時に夜中ふと目覚めて資料を見てしまうこともあったそうだ。
「リスナーの方をグラウンドに引き込む、ラジオに引き込むために何をしなければいけないか。自分が引き込まれなければいけない」。“ショウアップナイター”を盛り上げるため、全身全霊を注いできた。
最後にリスナーに向けて「中継前日はほとんどのアナウンサーがやっているように、打者は打率、安打、ホームラン、得点圏打率、打点、盗塁、等々数字の確認投手は相手チーム打者との対戦成績等々野球は生き物であり、物語でもあり。なので表紙を作って、そこに特記メモなどを記載します。今は球場のスコアボードに各成績が出ます。私は中継にあたり表紙を作っています」とコメントした。今日もリスナーを引き込むため、資料を頭に叩き込み、放送席でグラウンドで起こったリアルを伝えていく。
(ニッポン放送ショウアップナイター)