いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム10月のテーマは“ポストシーズン実況”
7月22日(土)からニッポン放送ショウアップナイターの番組ホームページにおいて、「ニッポン放送ショウアップナイター」のアナウンサー陣11名が週替わりで登場する月替わりの『統一テーマ』企画がスタートし、9月度は、“ショウアップナイターの優勝実況””をテーマに語ってもらったが、クライマックスシリーズ、日本シリーズの戦いを控える10月は、“ショウアップナイターのポストシーズンの実況”をテーマに語ってもらう。
「本当に個人的なんですが、実況に関わるところでも思い出がありますね」。
ニッポン放送・煙山光紀アナウンサーは印象に残っているクライマックス・シリーズの実況に『2010年マニュライフ生命 クライマックス パ ファイナルステージ ソフトバンク-ロッテの第6戦』を挙げた。
「それまでサッカー中継を中心に担当していて、本腰を入れて野球中継を担当するようになって3年目に、初めてクライマックスシリーズを実況するチャンスが巡ってきました。1戦目と6戦目の担当で、1戦目を終えた後、先輩の山田アナウンサーからは、一言で言うと内容が薄いぞと。チーフディレクターにも、もっとパーソナリティ性を出してもいいんじゃないかとアドバイスを頂きました。
当時、サッカー中継では自然にパーソナリティ性を前面に出せていたんですけど、経験値の低い野球中継でそれができるのか、という不安もありました。ただ、実力が足りないなりに、もう一度同じ舞台で色々チャレンジしたい、というか、“やりかえしたい”と。6戦目までもつれてくれという思いがすごくあった。
当時のホークスは、制度上の不運(2位に5ゲーム差以上つけないとアドバンテージがもらえない)もあって、2004年2005年と1位だったのにプレーオフで敗れ、2006年は3位から勝ち上がるも、その年から1位チームに1勝のアドバンテージがつくルール変更があり、3年連続でポストシーズン敗退という悔しい歴史があった。
今度こそという中で、3勝2敗となって迎えた5戦目は『普段通りやれば大丈夫』という、祈りにも似た思いが、スタジアムにあったように感じました。
そういう空気感がチームにも影響するというのは、サッカーの取材で何度か経験していたので、5戦目の試合前レポートで、明日までもつれるかと聞かれたときに『あると思います』と即答したのは覚えています」
2010年のパ・リーグのファイナルステージを振り返ると、煙山アナウンサーが実況した第1戦、3-1で勝利し3位から日本シリーズ進出を目指すロッテが1勝1敗(ソフトバンクのアドバンテージ1勝を含む)とする。
ソフトバンクとロッテのファイナルステージは3戦目を終えてソフトバンクの3勝1敗で日本シリーズ進出に王手をかけたが、第4戦と第5戦はロッテが勝利し対戦成績を3勝3敗とし、煙山アナに実況の機会が巡ってきた。
6戦目の実況については「一方的な試合内容だったんですが、自分がとにかく必死だった(笑)のと、目の前で起きていることが信じられないし、信じたくないというスタジアムの雰囲気が異様だったので、そんな風には感じませんでした。もちろん課題は山積みで、未熟な内容だったと思いますが、力を使い果たすくらいできたので、1戦目のリベンジはできたんじゃないかという思いでした」
試合は7-0で3位ロッテが勝利し、史上初となる3位からの日本シリーズ進出を決めた。
当時の思い出として、試合前ロッテの里崎智也さんをグラウンドで取材した際、「こっちは失うものは何もないし、緊張も全くないですよと笑顔で答えてくれたんですが、思えば、ショウアップナイターで下剋上についてコメントする時と全く同じ笑顔でしたね」と懐かしそうに話してくれた。
10月14日からクライマックスシリーズが始まり、10月28日からは日本シリーズが開幕する。煙山アナは甲子園で、セ・リーグのファイナルステージ1戦目を担当する。
「阪神が勝てば、もちろん大きく有利になりますが、もし負けたら空気が微妙に変わる。2戦目の重みが全く違ってくる重要な一戦。13年前と同じ必死さは出せない(笑)かもしれませんが、試合に入り込んで実況したいなと思っています」と意気込んだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)